九条ネギ(九条ねぎ)の育て方・栽培|植物図鑑

植物名
九条ネギ(九条ねぎ)
学名

Allium fistulosum

英名
welsh onion
科名
ヒガンバナ科(ユリ科)
属名
ネギ属
原産地
中央アジア

九条ネギ(九条ねぎ)の特徴

九条ネギは数あるネギ属の中でも主に京都で栽培される伝統野菜で、全国的に京野菜の代表格として知られています。九条ネギは一般的な長ネギよりも青い葉の部分が多い青ネギで、他のねぎと比べてぬめりが多いことが特徴です。

九条ネギの栽培の始まりは、平安時代にまでさかのぼります。「続日本後記」に九条村(現・京都市南区九条)での水ねぎの栽培記録が記されています。

この九条村一帯は、ねぎを栽培するのに大変適した土壌だったこと、この地域の農家によって熱心に栽培されたことから九条ネギが広がったといわれています。

九条ネギにまつわることはこのほかにも、弘法大師(空海)にまつわる話があります。「弘法大師(空海)が東寺の近くで大蛇に追われて逃げ場を失い、ねぎ畑に逃げて身を隠して難を逃れた」という言い伝えから、そのことから東寺の五重塔の上に「ねぎ坊主」が付けられたともいわれています。

ねぎのつぼみは僧侶に似ていることから「ねぎ坊主」と例えられたり、匂いが強いことから邪気を払うとされていることから、ねぎの花は神聖なものとみなされていたようです。確かに、御神輿の屋根についている玉ねぎのような形の「擬宝珠(ぎぼし)」は、ねぎ坊主を模倣したものといわれています。

昭和天皇の大葬の儀において、天皇の御霊柩にもねぎ坊主の形をした飾りが置かれていたことから考えてみても、とても気品ある高貴な野菜といえます。

九条ネギ(九条ねぎ)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 60~80cm
耐寒性 やや強い(太ねぎタイプ)
耐暑性 やや強い(細ねぎタイプ)
耐陰性 やや弱い
花色 白色

九条ネギ(九条ねぎ)の種類

九条太

九条ネギの中では耐寒性に優れています。

栽培時期は、秋に種をまいて春に収穫するのに適しています。

浅黄系九条

耐暑性に優れ、分けつが多い品種です。

黒千本

耐暑性が強く、1年を通して栽培可能な九条ネギです。

堺奴

耐暑性が強いが、耐寒性には弱い品種です。分けつが多い品種です。

小春

耐寒性に優れており、秋から冬にかけての収穫に適した品種です。

越津ねぎ

下仁田などの白い部分の多い根深ねぎと九条ネギなどの葉ねぎの中間にあたる品種ですが、九条ネギ群に分類されています。

九条ネギの保存方法

一般的な長ネギは土の中に埋めたり、新聞紙で包むことで長い期間保存できますが、九条ネギは青い葉の部分が多い青ネギなので新鮮なうちに使い切りましょう。

すぐに使用しない場合は、あらかじめカットしたものを密封袋に入れて冷凍庫で保存します。

九条ネギ(九条ねぎ)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

九条ネギ(九条ねぎ)の栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。

温度

生育温度は20℃前後です。

用土

ねぎは酸性土壌を嫌います。必ず石灰を入れて土壌を中和しましょう。
プランター栽培の場合は、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培の場合は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
特に、排水の悪い土を嫌いますので気をつけましょう。

九条ネギ(九条ねぎ)の育て方のポイント

水やり

ネギは苗を腐らせないように乾燥気味に育てます。
特に干しネギ栽培の苗の植え付け直後は、土中の水分で発根させるために水やりをしません。根付いた後も乾燥気味に育てます。
反対にネギの種をまいた後は、土が乾燥しないように気を付けましょう。
苗を植え付ける場合も、植え付け後1週間くらいは根が乾燥しないように充分水を与えましょう。

肥料

植え付け後、土寄せのタイミングや収穫に合わせて1か月ごとに追肥を施します。

病害虫

害虫はネギコガ、アブラムシアザミウマネキリムシが発生することがあります。
病気はべと病さび病が発生することがあります。

九条ネギ(九条ねぎ)の詳しい育て方

選び方

品種により様々ですが、ポット苗、干しネギの苗が販売されています。
一般的に干しネギで育てる方が、生育が旺盛で収穫量も増えるため育てやすいようです。

種まき

種の発芽温度は15~25℃位です。
畑ではすじまきにします。1cmの深さの溝を掘り、0.5~1cm間隔で種をまき、土をかけます。発芽まで乾かさないように水やりに注意しましょう。
トレーやポット、プランターなどを使って種をまき、育苗した方が管理しやすいでしょう。

植え付け

根深ねぎのように、土をもって白い部分を作る場合は、生長に応じて少しずつ土寄せするために、片側に土をあげて溝を30cmほど深く掘ります。
南北の畝は西側へ、東西の畝は北側に土をあげます。片側(西側や北側)に土寄の土を盛るのは、夏の暑い日差しが溝底に当たるのを防ぐためです。
苗は溝の壁面に添わせて、株間5~6cmで立てて並べ、根が隠れるくらいに土を入れます。厚さが7~8cm程度になるように、その上からワラを敷きつめます。ネギの根は酸素要求量が大きいため、ワラを入れて、土の通気性を良くすることが大切です。ワラが入手出来なければ、かわりに腐葉土・干し草などでもかまいません。ワラが風で飛ぶような場合は、ワラの上にかるく土を被せて、重しがわりにしておくとよいでしょう。
葉ネギのように青い葉の部分を多くする場合は、土寄せは必要ありません。
株間は10~20cm程度とり、1か所に4~6本九条ネギの苗を植えつけましょう。

一部の品種で不抽苔性(とう立ちしない)のものもありますが、春にとう立ちして「ネギぼうず」ができます。
ネギぼうずがつくと生長が止まるので、早めに摘み取りましょう。

収穫

草丈が60~70cmほどで収穫ができます。
クワを深く入れ、根元まで掘り起こし、軟白部分を折らないように丁寧に掘りあげます。無理に引き抜いて収穫すると千切れることがあります。必ず土を崩してから根元を持って抜き取りましょう。
その他の収穫方法として、地際から5cm位の部分を切って収穫することで、また新たな芽が出てくるため継続的に収穫することができます。
とう立ちした花が咲く前のネギ坊主は、天ぷらで美味しく食べられます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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