えごま(荏胡麻)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • えごま
  • エゴマの花
植物名
えごま(荏胡麻)
学名

Perilla frutescens var.frutescens

英名
Korean perilla
和名
荏胡麻
別名・流通名
ジュウネン
科名
シソ科
属名
シソ属
原産地
インドまたはアジア東部

えごま(荏胡麻)の特徴

えごまは日本ではゴマよりも古くから栽培され、縄文時代の遺跡からも種子が発見されているシソ科の一年草です。葉を焼肉と一緒に食べたり、キムチ漬けなど韓国料理にもよく利用されています。

えごまは別名「ジュウネン」と呼ばれていますが、えごまを食べると10年長生きできるといわれていることから名づけられるほど、大変栄養価の高い植物です。

種子からとれるエゴマ油は、栄養価が高い健康食品として近年注目を浴びるほか、塗料にも利用されます。

えごま

えごまの見た目はシソによく似ています。茎はシソ科に多い角型で、高さは1mほどになり、葉には白い毛がはえています。葉は長さ7~12cm位で、シソよりもやや厚みがあり、卵円形でさわやかな独特の香りがあります。葉の色は緑色ですがシソと比べると鮮やかさはありません。

えごま(荏胡麻)の詳細情報

園芸分類 野菜
草丈・樹高 100~150cm前後
耐寒性 弱い
耐暑性 普通
花色

えごまの利用方法(芽、葉、花穂、実)

えごま

シソと同様に芽、葉、花穂、実を利用します。芽は双葉が開いた段階で刺身のツマにします。葉はシソよりも大きく香りが強く、おひたしや焼き肉を包んで食べたり、キムチ漬けやてんぷらにして食べるのもよいでしょう。夏に花穂が伸びてきたらそうめんの薬味として使います。実はゴマと同様にさまざまな料理に利用できます。

えごまの実からとれる油の歴史

鎌倉・室町時代では、エゴマ油は様々なものに利用されていました。油紙といって防水のため傘や紙にエゴマ油をぬったり、灯火用にも利用されてきましたが、室町時代末期頃からなたね油が普及するにつれて生産が減少しました。

エゴマ油は、必須脂肪酸のα-リノレン酸が他の食用油とは比べ物にならないほどたくさん含んれいることがわかり、健康ブームとともに注目が集まって、1990年代後半から再び広く流通するようになりました。

えごまのレシピ

エゴマ油は酸化しやすく、酸化した油を体に取り込むことは逆効果になるので注意が必要です。

効率的にえごまの栄養成分を取り入れるには生のえごまをペーストにするのがおすすめです。生のえごまをフライパンで炒り、香りがたってきたら、すり鉢で細かく潰します。すりつぶしたものに砂糖とお湯を入れて、さらに練ればエゴマペーストができます。トーストにぬったりお餅にからめたり、胡麻和えの要領で青菜と混ぜれば手軽に毎日食べることができます。

えごまとシソ(大葉)の葉の見た目の違い

エゴマとシソの葉 違い

左:エゴマ 右:シソ(大葉)

地植えやプランターなどの栽培環境によっても変わりますが、一般的に葉の大きさはエゴマの方がシソ(大葉)より大きなサイズです。

見た目の違いは、エゴマは葉が丸めで切れ込みは少なく、シソ(大葉)は細長くギザギザとした切れ込みがあります。葉の色は、シソ(大葉)の方が緑が強く、えごまは黄緑色です。

 

えごま(荏胡麻)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
収穫

えごま(荏胡麻)の栽培環境

日当たり・置き場所

えごまは半日陰でも順調に生育します。風通しの良い場所で栽培しましょう。プランター栽培も可能です。

温度

えごまの発芽適温は20℃前後です。種は4月からまくこともできますが、5月中旬以降から6月上旬の種まきが生育しやすいでしょう。

用土

プランター栽培のえごまは、野菜用の培養土で育てましょう。

畑栽培のえごまは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。

窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。

なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。

えごま(荏胡麻)の育て方のポイント

水やり

乾燥には弱いため、畑栽培のえごまは、晴れが続いて土が乾燥気味の場合は水やりをしましょう。

鉢栽培のえごまは、鉢の表面の土が乾いたら鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと水やりをします。

肥料

ほとんど不要ですが、収穫が始まりだしたら2週間に1度くらい草勢をみながら与えましょう。えごまは窒素肥料を施しすぎると草丈が伸びすぎるので、与えすぎには注意が必要です。

病害虫

窒素肥料の与えすぎはアブラムシを発生させる要因となるため、施す量には注意しましょう。

えごまの生育期である間は、ベニフキノメイガの活動期となるため、葉の上に小さな黒いフンが落ちていないか、葉が食害されていないか観察しましょう。見つけ次第捕殺して、被害が広がらないようにしましょう。

また、葉の液を吸うハダニにも注意が必要です。特に梅雨明けの乾燥した日が続くと、ハダニが発生します。適度に葉水を与え、ハダニを予防しましょう。

えごま(荏胡麻)の詳しい育て方

選び方

全体的にがっしりとして下葉が黄色く変色していないもの、病害虫の害がないもの、根がまわりすぎていないものを選びましょう。

えごまは在来種も多いため、品種は明確になっておらず、異名同種のものが多くあります。種の色が黒いものと白いもの、早生、中生、晩生品種があるので、栽培する場合はその地域の気候に適した品種を選ぶことが大切です。

種まき

えごまの発芽適温は20℃前後です。種を一晩水につけて吸水させてからまくと発芽が揃います。発芽に光が必要なので覆土は薄めにし、発芽するまで土を乾かさないように注意しましょう。

植え付け

株間30~40cmほどあけて植え付けます。日当たりの良いところから半日陰、また多少土質が悪い環境でも栽培できます。

プランター栽培の場合は、背丈が高くなるため大きいサイズが適しています。

間引き

本葉が2~3枚の頃、2本立ちにします。

摘芯(摘心)・摘果

えごまの収穫を増やすためには、摘芯という作業が重要です。

方法(※画像はしその葉)しその1~5節目

1.えごまが下から数えて6節くらいまで生長したら、3~5節目あたりを摘芯します。

しその5節目をハサミでカット

2.プランターの大きさ、育てたいえごまのサイズによって、3~5節のいずれかの個所を摘芯するとよいでしょう。画像のプランターは大きいサイズなので、5節目で摘芯しています。

3.摘芯した部分から側枝が伸びます。

その側枝に葉が4枚出たあたりで、側枝を摘芯します。そうすることで更に側枝から孫枝をつけて、収穫が増えます。

エゴマの花

夏に花弁が4枚の5ミリほどの白い花が無数に開花します。

収穫

本葉が10枚以上になったら下の葉を順次収穫します。3~5節くらいまで主枝が生育したら、摘芯してわき芽の生育を促進すると、長く収穫を楽しめます。

えごまの実は茎全体が黄色くなったころに刈り、実と殻やごみをざるなどでふるいわけます。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

えごまは種で増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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