祈りの植物|12月~クリスマスの植物たち
LOVEGREEN編集部
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12月の祈りの植物はクリスマスの頃に出回る植物、ポインセチア。どうしてクリスマスの花といえば、ポインセチアなのでしょうか?
目次
クリスマスの花・ポインセチア
12月に入ると、街はクリスマスカラーで染まります。その主役は何といっても、ポインセチアの赤と緑でしょう。ところで、どうしてクリスマスの花といえば、ポインセチアなのでしょうか?
熱帯地域のポインセチア
ポインセチアは、メキシコと中米原産のトウダイグサ科の常緑高木です。暖かい地域の植物で、そもそも寒さに強くありません。それがクリスマスのヨーロッパや北米で使われるようになった理由は?
そこには当然、キリスト教が大きくかかわっています。キリストの降誕祭であるクリスマスは2~3世紀に始まったとされます。そこにポインセチアが加わったのは17世紀のことだったといわれています。
ベツレヘムの星になぞらえて
17世紀、メキシコで布教をしていた修道士がこの地で見たポインセチアから、「ベツレヘムの星」をイメージしたのがきっかけでした。ベツレヘムの星とは、キリストの生誕を知らせるために天に出た星のことです。
ポインセチアの赤い部分は、花ではなく「苞(ほう)」という器官であることは、ガーデニングファンにはおなじみです。その苞が並ぶかたちが、その修道士にはベツレヘムの星に見えたのだとか。
ベツレヘムの星は、図形では八芒星(イラスト参照)として描かれます。確かに、似ているかもしれません。ただし、伝説には諸説ありますので、ガーデニング仲間との話題づくりのひとつとお考えください。
赤はキリストの血の色?
ほかにも、クリスマスとポインセチアに関する伝説は多くあります。日本でポインセチアが一般にも普及した頃によくいわれていたのが、「ポインセチアの赤色は、キリストの血の色だ」という伝説です。
キリスト教で、赤は「殉教」や「愛」を象徴する色です。キリストは自ら選んで十字架に向かい、人々を救ったという信仰から、赤色はキリストが流した聖なる血に見立てられるようになったといいます。
そして緑は、「希望」のイメージカラー。赤の苞と緑の葉を持つポインセチアには、キリスト亡き後もその愛を受け、希望を持って生きていこうというキリスト教徒の祈りが込められるようになりました。
ただし、これには裏話もあります。クリスマスにポインセチアを売ろうとした人が、ことさらにキリストとこじつけたと。それによって、日本の私たちにもポインセチアが身近になったならありがたいのですが……。
ベツレヘムの星はツリーにも
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修道士がポインセチアを見て思い起こしたというベツレヘムの星は、もうひとつ、植物を使ったクリスマスの装飾に欠かせないものになっています。そう、クリスマスツリーの頂上につける星の飾りです。
クリスマスツリーには主にマツ科のモミの仲間、ヒノキ科のゴールドクレストなどが使われますが、もともとは北欧に住んでいた民族が冬にも凛と立つカシの木を神聖な樹木とあがめたことが起源とされます。
これら針葉樹(コニファー)は常緑で、生命や希望を感じさせる存在であり、クリスマスツリーとして飾られるようになりました。頂上の星は、八芒星ではなく、五芒星ですが、装飾用のアクセサリーなので大目に見ておきましょう。
今年はどんなクリスマス?
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ポインセチアやコニファーには、いろいろなキリスト教の信仰があります。どこまでそれを信じるかは別として、冬でも鮮やかなポインセチアの赤い苞、色あせないコニファーの葉は、私たちを元気にしてくれます。
イルミネーションやおしゃれな雑貨の装飾は楽しいもの。家族で過ごす特別なクリスマスディナーも欠かせません。そこに、生命と希望を感じさせてくれる生きた植物があれば、もっと楽しいクリスマスになります。
みなさんは今年のクリスマス、どんな計画をしていますか?
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