水引とは?|種類、由来や意味、結び方、マナーも紹介
山田智美
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水引の由来や意味、色や本数、結び方の種類、マナーを紹介します。水引は、日本に昔から伝わる、贈り物に添える飾り紐です。
目次
水引とは?由来や意味
水引とは、和紙をこより状にした紐のことです。主に贈答品に添える飾り紐として使用されます。紅白や金銀、黒白の他に、最近ではピンクやブルーなど、明るく華やかな色の水引も多く見かけます。
水引の由来
水引の由来は、飛鳥時代に遣隋使だった小野妹子が、隋国から持ち帰った贈り物にかけられていた紅白の麻紐にあると伝えられています。これを機に日本の貴族の間で、紅白に染めた和紙の紐が水引と呼ばれ、贈り物に添えられるようになったといいます。その後、水引の流行は庶民の間にも広まり、現在のように慶弔時に使用されるようになりました。
水引の意味
水引の意味は、贈り物を引き立てるため、未開封であることを示す意味や魔除け、真心やご縁を示すといわれています。
水引の意味|未開封の印
水引が結ばれていることにより、その贈り物が誰にも開けられていないこと、未開封であることが伝わります。手紙の「〆」といった封印と同様の扱いです。
水引の意味|魔除け
水引は和紙製なので、その昔は水で引いて作られていたそうです。水で引くことで、清められているので、邪気を払うと考えられ、魔除けの効果があると信じられていました。
水引の意味|真心やご縁
華やかな水引をかけることで、贈り物に添えた真心を伝えるほか、ほどけない結び方でご縁を伝えるなどの意味があります。
水引と宗教の関係
水引と宗教に関係はありません。水引は、あくまで贈り物に添える飾り紐です。洋式の慶弔時に使用しても問題ありません。贈り主の気持ちを伝えるものであることを理解して使用しましょう。
水引の種類|色と本数
水引の種類|色
紅白
紅白の水引は、お祝いなどの慶事に使用します。紅白は、日本では縁起の良い色です。結婚や長寿のお祝い、出産祝い、入学祝い、就職祝い、快気祝い、新築祝い、正月の贈り物や飾りなど、「おめでとうございます」という気持ちを込めて贈るときに添えます。
金銀
金銀の水引は、紅白よりさらに慶事の意味合いが強くなります。そのため、人生で何度もないような素晴らしいお祝い事に使用されます。結婚や長寿のお祝いなど、ちょっと大げさに祝っても失礼がないようなケースで使用しましょう。赤金の水引も同様に扱います。
白黒
白黒の水引は、弔事に使用します。お通夜、葬儀、法要やお盆など、悲しみに寄り添う気持ちを込めて、贈るときに添えます。弔事に双銀や双白、黄白の水引を使用することもありますが、これはその地域の風習や、先方との関係性でも変わってきますので、不安なときは確認をするとよいでしょう。
水引の種類|本数
慶事で使用する本数
慶事で使用される水引の本数は3本、5本、7本が一般的です。本数を増やすことで、込めるお祝いの気持ちが伝わります。
ただし、やみくもに本数を増やせば良いというものではありません。一般的には、粗品には3本、出産や入学、快気祝いなどのお祝い事には5本の水引を使用します。内祝いやご祝儀の金額によっては7本、結婚祝いは両家に5本ずつを合わせて10本にするということもあります。また、4本と9本は縁起の良くない数字とされているので、慶事には使用しません。
弔事で使用する本数
弔事で使用される水引の本数は、5本が一般的です。お香典や供物には5本の水引を、包む金額が10万円以上のように多い場合には7本の水引を使用することもあります。
水引の種類|結び方
結び切り(ま結び)
結び切りは、中央をきつく結び、両端を跳ねるように八の字にする結び方。解けないようにきつく結ぶことから「一度きり、二度とないこと」という意味を持ちます。結婚やお見舞い、弔事で使用します。
梅結び
梅結びは、梅の花を模した結び方です。丸みを帯びた5枚の花びらのような結び方が梅の花のようで、かわいらしく、人気があります。梅結びは複雑で、簡単には解けないことから、結婚のお祝いや、慶事に多く使用されます。また、まだ寒い時期から花を咲かせる梅は、春の訪れを報せるおめでたい花とされ、正月飾りにも使用されます。
ほどけない結び方ですが、おめでたい意味のある結び方なので、弔事には使用しません。
花結び、蝶結び
花結び、蝶結びは、すぐにほどける結び方です。このため「何度あっても良いこと」として、快気祝いや、出産祝い、入学祝い、贈り物などに使用します。
結婚祝いに使用すると、失礼に当たってしまうので、気をつけてください。
あわじ結び
あわじ結びは、結び切りと同様に、中央をきつく締める結び方で、「一度きり、二度とないこと」という意味を持ちます。水引の両端を引くと、さらに結び目が強く締まるので、「強いご縁」という意味で、結婚のお祝いなどに使用されます。
その他の結び方
結婚祝いや長寿祝いのような慶事では、花や鶴をモチーフにしたものや、華やかなデザインの結び方も使用されます。
水引のマナーとやってはいけないこと|結婚祝いやお香典
知っておきたい水引の基本的なマナーをお話します。市販のご祝儀袋やお香典袋を使用すれば、ほぼ間違いはありませんが、不安になった時の参考にしていただけますように。
水引のマナーと注意|結婚祝い
- 色:赤白、赤金、金銀
- 結び方:結び切り、あわじ結び、梅結び、その他の花や鶴など縁起が良くほどけない結び方
- 本数:5本、7本、10本
結婚のお祝いには、赤白や赤金、金銀のような華やかな色を使用します。結び方は「二度とないこと」へのお祝いの気持ちを込めて、ほどけることのない結び切りか梅結びを選びましょう。本数は奇数が基本です。
贈る相手との関係性にもよりますが、ピンクのような明るく華やかな色の水引を使用しても問題ありません。
やってはいけないこと
結婚のお祝いですから、黒白のような弔事を連想させる色の水引は使用しません。また、結婚のお祝いに「何度あっても良いこと」と捉えられてしまう、花結びや蝶結びは避けるのがマナーとされています。個人的には、何度結婚しても幸せであれば良いと思いますが、結婚のお祝いは両家への気持ちでもありますから、誰かが不快になるようなことは避けた方が賢明です。お祝いは、みんなが気持ちよく、楽しく幸せを感じることができるように、心がけましょう。
水引のマナーと注意|お香典
- 色:黒白、双銀、黄白
- 結び方:結び切り、あわじ結び
- 本数:5本
お香典の水引は、色は黒白、本数は5本が一般的です。ただし、地域の風習によっては、双銀や黄白を使用することもありますので、わからないときは確認してください。また、「二度とあってはならない」ことなので、必ず結び切りにします。
やってはいけないこと
お香典では、華やかな色の水引は使用しません。華やかな色の水引はお祝いの気持ちを表すものなので、ご遺族に失礼に当たります。また、何度もあって良いことではないので、花結びや蝶結びは使用しません。梅結びも、お祝いに使用される結び方なので、同じく使用しません。
水引は、贈り物に気持ちを添えるために使用するものです。誰かを不快にすることのないよう、注意して選んでください。
水引は、贈り物に添える飾り紐です。色や本数、結び方で、贈り主の気持ちを伝えることができる、日本の素敵な風習です。水引を素敵に使いこなして、気持ちを乗せた贈り物をしましょう。
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