【梅雨入り前に】バラの夏バテを防ぐケア&土のリフレッシュ[PR]
LOVEGREEN編集部
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春に開花を楽しんだバラ。今年たくさん咲いたから、そのまま育てていれば大丈夫と思いがちですが、それはちょっと要注意。そのまま酷暑に突入して夏バテしてしまわないように、新しい鉢や土にリフレッシュしてあげることが大切です。梅雨入りまでに済ませたい、夏越しのためのメンテナンスについてご紹介します。
目次
- 梅雨入り前に済ませたい!バラの夏バテ対策
- バラはどうして夏バテするの?
- 春の新苗?秋の大苗?メンテナンス前にチェック!
- バラ苗のタイプ別 剪定の方法
- 実際に植え替えてみましょう
- バラ本来の抵抗力をアップさせる土づくりで、夏バテを予防
梅雨入り前に済ませたい!バラの夏バテ対策
夏バテ対策は大きく3つ!
バラの夏越し準備は、開花がひと段落した5月中旬~6月中旬にかけて行うといいでしょう。作業としては大きく3つ!
1.剪定をする
2.植え替えをする
3.土の環境を整える
まず欠かせないのが剪定です。余分な枝をカットして整え、バラが新しい元気な芽を増やすことに力を集中できるように整えてあげます。
次に植え替えです。大苗や開花株で購入した時の6号鉢のままにしていませんか?バラの大きさに対して、鉢が小さすぎませんか? 生長したバラは鉢の中で根がパンパンに詰まってしまいます。植え替えて根を窮屈な状態から解放してあげましょう。
植え替え時には、土の環境を整えることも大切。バラを育てた土は、栄養分が少なくなっているばかりか、カチカチに固くなって、せっかくお水や肥料を与えても上手に蓄えられず、バラが元気を失います。
バラはどうして夏バテするの?
ところで、バラはどうして夏バテしてしまうのでしょう?
「夏が暑すぎるから…」となんとなくイメージはできますが、具体的にはよく分からない…。
そこで、九州の人気園芸店の平田ナーセリーで、植物全般の管理を行う松永さんに、バラの夏バテの要因と、その対策について教えていただきました。
平田ナーセリー 琉球大学農学部卒業。「強く元気な植物を育てれば、お客様のところでも元気に育ってくれるはず」をモットーに、植物にとって快適な土、ストレスのない肥料など、植物本来の力を引き出す比較試験を繰り返しながら、日々生産に携わっている。西日本新聞「たちまち小町」でも園芸相談を連載中。 |
夏バテの原因 地表の高温化/土の劣化
編集部:
バラの夏バテは、何が原因で起こるのですか?
松永さん:
ひとつは、土の表面が高温になるためです。真夏の太陽が照りつける土は表面温度は50℃近くにも達します。そこに水やりをすると、すぐに熱湯のようになってしまい、根を傷めてバラが元気を失います。夏は昼夜の気温差が小さいことも、夏バテの原因です。
編集部:
どうすればいいでしょうか?
松永さん:
バークチップやウッドチップなどのマルチングで株元の地表を覆ってあげるといいですよ。うちの農場で実験したところ、マルチングをしていない地表は40℃以上、5㎝程の厚さでマルチングを敷いた地表が約35℃、10㎝のマルチングをした地表は25℃ぐらいにまで下がりました。昼夜の気温差に関しては、夕方に葉水をすることで体感温度が下がり、涼しくなったと勘違いしてくれますよ。
編集部:
そんなにも違いが!これはぜひマルチングをしないと…。
松永さん:
もうひとつは土の状態が悪くなっていることです。育てているうちに土はだんだんと固くなってしまい、根が十分に呼吸できなくなっていきます。夏前に、根が呼吸しやすいふかふかの土に戻してあげることで、夏バテを防ぐことができます。
春の新苗?秋の大苗?メンテナンス前にチェック!
編集部:
それでは実際に、梅雨入りまでに行う剪定・植え替え・土づくりについて教えていただけますか?
松永さん:
まずはご自宅のバラの状態を知っておきましょう。お店で売られるバラには新苗と大苗があります。新苗は冬に接木をされたばかりの若い苗で春に売られます。まだまだ若い苗で体力があまりありません。一方の大苗は、生産者さんが春~秋まで大きく育てたバラを掘り上げた苗で、秋に売られます。新苗に比べて丈夫なので、翌春にはたくさんの花を咲かせることができます。バラ苗の状態によって夏越し前のメンテナンス方法も違ってきますので注意しましょう。
(左)春に売られるバラの新苗、(右)秋に売られるバラの大苗
バラ苗のタイプ別 剪定の方法
松永さん:
秋の大苗と春の新苗では、剪定する位置なども違うので、それぞれのポイントをご紹介します。
大苗や、すでに何年か育てているバラの剪定
開花後の枝は、切り戻してあげましょう。大きく育てたい場合は、新梢の1/3を、コンパクトに仕立てたい場合は新梢の2/3を剪定しましょう。この時に貧弱な枝や、株の内側に向かって伸びた枝も剪定して、風通しをよくしてあげましょう。
新苗の剪定
新苗は、蕾が開く前に剪定してあげましょう。植物は、開花させるために、過度に体力を消耗します。新苗の場合、開花させず、力強い新梢を作ることに、その体力を使わせてあげましょう。剪定する位置は、しっかりとした葉を3枚残してカットします。
実際に植え替えてみましょう
松永さん:
剪定と同じタイミングで、ひと回り大きな鉢に植え替えをしてあげましょう。
バラは根を下に伸ばすため、鉢は深さがあるタイプがおすすめです。テラコッタ製の鉢や、バラ用のプラスチック鉢などもあるので、お店でおすすめの鉢を聞いてみてくださいね。
バラを植える鉢は深鉢タイプがおすすめ。形状や大きさ、材質によってもバラの育ちに違いが出るので、お店に相談して選びましょう。
植え替え時のポイント
5~6月に植え替える場合、根を傷めないように植え替えます。ただ、地表部分の土は水やりや肥料の影響で硬くなり劣化しており、鉢底部分も同様に劣化が進んでいるので、軽く取り除いてあげましょう。
植え付ける際にお勧めしたいのが、接ぎ木の接ぎ口を10cm程度深植えにすること。自分の根をたくさん伸ばし、体力アップにつながります。(接木テープは、必ず外しておきましょう)
バラの抵抗力をアップさせる土づくりで、夏バテを予防
松永さん:
植え替える際に、土にもうひと工夫。栄養も与えてさらにいい土にしてあげましょう。有機質を効果的に含んだ持続力のある土に整えてあげれば、バラは本来の抵抗力を発揮して、少々の暑さや病気・害虫を自分で跳ね返す力をつけてくれます。
STEP.1 堆肥で土をふかふかに
松永さん:
まずは、稲ワラ馬フン完熟堆肥を使います。稲ワラをベースに馬フンを発酵完熟させた堆肥で、稲ワラの繊維が非常に良い菌を繁殖させてくれます。根っこが快適に過ごせるフカフカの土質にしてくれますよ。
STEP.2 土に栄養をプラス!
松永さん:
馬フン堆肥で土がふかふかになると、根っこがすくすく育ち、植物も元気になるのでお腹が空きます。その時のために、土に栄養も一緒にプラスしておきましょう。うちでは、夢油肥をおすすめしています。馬フンの堆肥をベースに、油かすやもみ殻のくん炭、さらに有効微生物たちを混ぜて発酵させたものです。これを馬フン堆肥の1/3ぐらいの量を混ぜ込んでおきます。
夢油肥は、アミノ酸などの栄養分を土に与えるだけでなく、そのアミノ酸が土と土をくっつけて隙間を確保する役割も果たすので、水や空気が通りやすい団粒構造の土にしてくれますよ。
松永さん:
植え替える場合は、馬ふん堆肥と夢油肥を混ぜた土で植え付けをします。植え替えをしない鉢は、混ぜ合わせた馬フン堆肥と夢油肥を、バラの土の表面をほぐすように混ぜ合わせてください。
STEP.3 一石二鳥の肥料やり!
松永さん:
土をリフレッシュした後は、栄養を与えつつ、病気も一緒に予防してあげる一石二鳥の肥料やりをしましょう。
編集部:
何を使うのでしょうか?
松永さん:
まず使うのは有機100%液肥。トウモロコシを発酵させてできた有機の液体肥料です。肥料であると同時に、葉面に噴霧することでうどんこ病の発生を防いでくれます。
希釈目安は約200倍。4Lの水にキャップ1杯が目安です。
松永さん:
もうひとつが菌の黒汁。光合成細菌という植物を育てる上で大切な微生物たちが入っていて、この菌が土質を改善して、さらに黒点病の菌と戦ってくれます。
こちらも希釈目安は約200倍。4Lの水にキャップ1杯が目安です。
希釈した液を噴霧器に入れてバラにスプレーしましょう。この時、葉の裏表だけでなく、茎にもしっかりと噴霧します。
余った希釈液は、鉢底から流れ出るぐらいたっぷりと土にかけてあげることで、土に栄養を与えつつ、液肥の中にいる微生物たちが、空気が通りやすい、ふかふかの土質に改善していってくれます。バラの黒点病を防ぐ効果も期待できますよ。
土づくりがしっかりとしていれば、バラは自分の力で夏の暑さに打ち勝ち、元気にたくさんの花を咲かせてくれます!
今回紹介した資材は、平田ナーセリーさんのオンラインストアでも購入可能ですよ。初めての方には基本資材がセットになったスターターキットもおすすめ!梅雨入り前にしっかりと準備して、満開のバラを楽しみましょう♪
松永さんがバラのケアを分かりやすく紹介した動画もぜひ参考にしみてくださいね。
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