世界の植物紀行 – 四代目金岡又右衛門 –「オーストラリア北東部の植物」前編 –バオバブの雄姿
LOVEGREEN編集部
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バオバブを食す
バオバブの実は食べられる。硬い殻を割ると、写真のように白い「らくがん(落雁)」のようなものがある。これを口にすると、少し酸味があるラムネのような味がする。昔、アボリジニたちは、空腹を満たすため、食べていたようだ。また、これをジュースにして健康飲料として飲む国もある。実際に私もアフリカなどで体調を崩したときに、このジュースに助けられた時もあった……。
バオバブの葉も、新芽は食べられる。噛めば少しねばっとした感じがして、おくらのような味がするように感じる。おいしいかと言われると少し微妙ではあるが……。
また樹皮はとても強いロープなどになり、バオバブはそこで住み暮らす人びとの生活を支えてきた。
日本へやってきたバオバブ
この時の出逢い。植物や人びとからのメッセージ一つ一つから得た感動が、後の「又右衛門 みどりのサバイブプロジェクト」に繋がっていくことになった。
実際にこの地において他国による大規模開拓で行き場を失い、命を失いかけたバオバブを多くの人の協力を得て一昨年、10,000km離れた広島市植物公園に移植を成功させることができた。
そして、昨年このバオバブは市民によって「バオーン」と名付けられ、多くの人々に感動を与え、愛され続けている。
さらに「バオーン」は今年8月に初めて花を咲かせてくれた。本当に感動である。広大な土地に数多くある中の救えたのはたった1本かもしれないが、多くの人の手によって支えられ、約10,000kmの長旅を経て、プロジェクト開始から約1,000日経った今、広島で開花を始めた。
また機会があればこのプロジェクトの詳細を報告させていただきたい。私は引き続きたった1本、されど1本にこだわりを持ちながら今後も同様のプロジェクトを進めていきたいのでご支援いただきたく思う。
いかがでしたでしょうか? 見た目がチャーミングだけではなく、人とともに暮らしてきたバオバブ。
引き続きこのバオバブたちが、街の人に守られながら、ともに生き続けていってくれることを切に願う。そして、またこの地を訪れたときに、変わらぬその姿を観ることが楽しみである。
さて次は、ここから少し車を走らせ、サイカス(ソテツ類)の自生地などを案内させていただく。お楽しみに。
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