新しいシャクヤク!ハイブリッドシャクヤクって?

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金子三保子

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初夏の花材の代表花と言えば芍薬(シャクヤク)。5月は旬の花材としてたくさんの品種のシャクヤクが出回り中です。

ところでハイブリッドシャクヤクってご存知ですか?最近、苗ものとしての他、切り花としても流通するようになりました。ハイブリッドシャクヤクとシャクヤクの違いをご紹介します。

目次

ハイブリッドシャクヤクとは?

ハイブリッドシャクヤク・バートゼラ

ハイブリッドシャクヤクとは、シャクヤクと牡丹を交配してできた新しいシャクヤクのこと。

もともとはシャクヤクには黄色、アプリコット色などはなかったのですが、この交配によって黄色いシャクヤクが日本で生まれ、その後、欧米で育種が進み、今ではたくさんのハイブリッドシャクヤクの種類があります。

まとまりのよい花の姿などの牡丹の長所を受け継ぎながら、黄色をはじめとしたシャクヤクにはなかった豊富な花色や、咲き方などを作出することができた新しい系統のシャクヤクがハイブリッドシャクヤクです。シャクヤクと牡丹、それぞれのいいところをとって作った新しいシャクヤクです。

生花の業界では、シャクヤクに限らず最近は花の色のバリエーションがどんどん増えています。ハイブリッドシャクヤクの登場で、新しい色合いのシャクヤクが次々と登場しました。花を生けるうえで、色の選択肢が増えるのはうれしいことですね。

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シャクヤクと牡丹の見分け方

シャクヤク

シャクヤク

花だけ見るとシャクヤクと牡丹はとても似ていて、どちらなのかはわかりにくいもの。シャクヤクと牡丹の違いをご紹介します。

1.シャクヤクは草、牡丹は木

植物分類ではシャクヤクは宿根草。冬場は地上部分は姿がなくなります。それに対して、牡丹は落葉低木です。葉は落ちますが木なので枝は残ります。

ハイブリッドシャクヤクは、シャクヤクなので草扱い。冬場は地上部分はなくなり、翌年は新しい茎が出てきますが、牡丹の要素を受け継いでいるので、品種によっては冬場も地上部分に木質化した芽が出ている所が普通のシャクヤクとの違いです。

2.葉っぱの形

シャクヤクの葉には切れ込みがありませんが、牡丹の葉はギザギザの切れ込みがあるので、葉っぱで見分けるのが一番わかりやすい見分け方です。

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ハイブリッドシャクヤクとシャクヤクの見た目の違い

今回のハイブリッドシャクヤクの品種はバートゼラ。従来のシャクヤクにはなかった黄色いシャクヤクです。

ハイブリッドシャクヤクとシャクヤクとの違いを実際に比べてみました。

つぼみ

シャクヤクのつぼみはまん丸のお団子のような形をしています。開き始める前のつぼみが固い状態のハイブリッドシャクヤクは、牡丹のつぼみのように先がとがっています。

左・シャクヤク

シャクヤクのつぼみはまん丸のお団子のような形をしています。

右・ハイブリッドシャクヤク・バートゼラ

開き始める前のつぼみが固い状態のハイブリッドシャクヤク。花の先がとんがっていて、どちらかというと牡丹のつぼみに似ています。

 

シャクヤク

開き始めて花の色が見えてきた状態のシャクヤク。この時点ではゴルフボールより少し大きいくらいのサイズです。シャクヤクのつぼみはお団子みたいなまん丸な形をしています。

 

開き始めてまもないハイブリッドシャクヤク。シャクヤクのつぼみのような丸みがありません。見た目的には牡丹に近い雰囲気ですね。

開き始めてまもないハイブリッドシャクヤク・バートゼラ

シャクヤクとは少し違いますね。

ハイブリッドシャクヤクの葉っぱは、牡丹の葉っぱの形と似てギザギザ。

左・ハイブリッドシャクヤク・バートゼラ

ハイブリッドシャクヤクの葉っぱは、牡丹の葉っぱの形と似てギザギザです。

右・シャクヤクの葉

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シャクヤクの生け方

シャクヤクでもハイブリッドシャクヤクでも、花の扱い方に違いはありません。シャクヤクの扱い方をご紹介します。

つぼみの時からは想像もできない大きさになるシャクヤク。

シャクヤクでもハイブリッドシャクヤクでも、花の扱い方に違いはありません。

シャクヤクの扱い方と生け方

1.つぼみがベタベタとしている場合は、濡れたティッシュやふきんで蜜をやさしくふき取ると、つぼみが開きやすくなります。

2.花瓶につかる部分の葉と下の方についている葉を取り去ります。下葉はある程度取り去った方が、花にまで水が上がりやすくなります。

3.茎は斜めに切りましょう。切り口の面積を広げることによって、花の水の吸い上げがよくなります。

4.花瓶にはたっぷりの水を入れましょう。水はこまめに変えるか、切り花用の延命剤を使って水を清潔に保ちましょう。

5.開くととても大輪になる花です。大輪になった時を想定した花瓶を選ぶと、花と花瓶のバランスがよくなります。重さのある花なので、軽すぎる花瓶だとひっくり返して大惨事になりかねません。安定感のある花瓶を選びましょう。

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シャクヤクは初夏ならではの花材。花屋さんで黄色やアプリコット色のシャクヤクを見かけたら、ハイブリッドシャクヤクかもしれません。シャクヤクと見分ける際の参考にしてみてください。

ハイブリッドシャクヤクは切り花でも色々な品種が流通しています。牡丹の見た目と似ていたり、黄色やアプリコットなど変わった花の色だったら、ハイブリッドシャクヤクかもしれません。

シャクヤクは初夏ならではの季節一瞬出回る花。花屋さんで色々なシャクヤクを見つけてみませんか?

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金子三保子

フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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