縁起物の柑橘!仏手柑(ブッシュカン)
金子三保子
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なんともユーモラスな形をした柑橘、仏手柑(ブッシュカン)をご存知ですか?お正月飾りにも使われる仏手柑(ブッシュカン)についてご紹介します。
目次
仏手柑(ブッシュカン)とは?
仏手柑(ブッシュカン)
ミカン科ミカン属の常緑低木
学名Citrus medica var. sarcodactylus
英名Buddha’s hand
果実の先端が枝分かれしているような不思議な形をしている仏手柑(ブッシュカン)。その枝分かれしている部分が千手観音の手(指)のような形をしていることから、仏手柑(ブッシュカン)の名がつきました。仏手柑(ブッシュカン)は、桃、ザクロとともに縁起が良いと言われる果物の吉祥文様の三果文(サンカモン)のひとつでもあります。
仏手柑(ブッシュカン)は柑橘類の中では耐寒性がない部類に入るので、鉢植えで育てる方が無難な果樹です。苗木は園芸店や通信販売などで購入することができます。
仏手柑(ブッシュカン)は主に観賞用
仏手柑(ブッシュカン)には果肉がない!
仏手柑(ブッシュカン)の果実の一番の特徴は果肉がほとんどないことです。そのため、食用というよりは、鑑賞用としての方が流通量が多いようです。
仏手柑(ブッシュカン)の中を割ってみると、他の柑橘類の皮の裏にある白いワタのような部分がほとんどです。シトラスのよい香りですが酸味が強いため生食には向きません。利用法としては、皮の部分を砂糖漬けにしたり、マーマレードのようなジャムなどの加工用です。
写真の仏手柑(ブッシュカン)も花市場で仕入れたもの。仏手柑(ブッシュカン)は、古くから生け花やお茶の席で縁起物の花材として使われてきました。そのため年末年始になると、花屋さんで販売されていることがあります。同じ果樹でも園芸店で販売されているものと、八百屋さんで販売されているものでは使っている薬剤が違うことがあります。食用として味わってみたい方は八百屋さんで購入することをおすすめします。
仏手柑(ブッシュカン)は、ひとつひとつの形が様々なことも観賞用として愛される大きな魅力のひとつです。手が開いているような形もあれば、閉じたような形もあり、本当に見ていて飽きない果実です。縁起物として購入する方も多いと思うので、様々な形から自分がピンときた形を選んでみてはいかがでしょうか。
仏手柑(ブッシュカン)の正月飾り
仏手柑(ブッシュカン)は縁起物としてお正月の飾りにも使われています。もともと流通量が少ない仏手柑(ブッシュカン)ですが、一番多く流通する時期は年末年始です。値段は他の柑橘類に比べるとかなり高価です。
お正月のお供え餅の上に橙(ダイダイ)を載せるのは、「代々(橙)家が栄える」ということから。柑橘のひとつである仏手柑(ブッシュカン)もその言い伝えや、独特な形からお正月の飾りには好まれています。
流通している仏手柑(ブッシュカン)は、形も様々なことながら、小さいものから大きなものまで大きさも色々です。Lサイズはかなり大きいので、ドアに飾る正月飾りに使うなら、落下しないようにしっかりと取り付けるか、小さめなものを選ぶことをおすすめします。
仏手柑(ブッシュカン)を使った簡単な正月のしつらえ
仏手柑(ブッシュカン)は形そのものが様になるので、飾り棚にしつらえるだけで雰囲気のある空間になります。枝先に水引をつけてみたり、和紙を引いてセッティングすると、お正月らしい雰囲気を演出できます。時間をかけて手作りすることができない方にもおすすめです。
「難を転ずる」ということからお正月の花材として親しまれている南天(ナンテン)と仏手柑(ブッシュカン)をお皿に。
見れば見るほど不思議な形の仏手柑(ブッシュカン)。変わったお正月のしつらえがしたい時におすすめの果実です。年末年始に八百屋さん、花屋さんに出回るので探してみてください。
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