スイートピー|色彩豊か! 香りが魅力の春の花
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甘い香りとカラフルなキャンディのように豊富な花色が魅力のスイートピー。切り花でもガーデニングでも人気の花です。スイートピーの特徴と魅力、育て方、楽しみ方を紹介します。スイートピーに詳しくなって、もっと花のある暮らしを楽しみましょう。
目次
スイートピーの特徴と魅力

スイートピーは、甘い香りとフリルのように波打った花びらが魅力のマメ科の園芸品種。スイートピーという名は、英名の「Sweet pea」がそのまま日本名として定着したもので、甘い香りと食用の豆に似ているという特徴に由来しています。和名は「麝香連理草(じゃこうれんりそう)」といい、麝香は香りが良いこと、連理草はひとつの茎に小葉が対で連なっていることにちなみます。
非常に品種が豊富で、冬咲き種、春咲き種、夏咲き種、矮性種に分けられます。切り花や苗で流通しているのは、育てやすい春咲き種や矮性種が主流、他に夏咲き種が宿根スイートピーという名前で流通しています。

品種が豊富な上に花色も豊富で、白、ピンク、赤、オレンジ、アプリコット、黄色、紫、青などがあります。さらに色を吸わせた「染めスイートピー」もあり、こちらは花びらの脈に染み込んだ色と花びら全体に広がった淡い色とのグラデーションを楽しめます。
スイートピーは長く伸びた細い茎に、縦に連ねるように花を咲かせます。花はマメ科特有の蝶形花で、茎に対して横向きに咲きます。フリルのような花をよく見ると、3種類の花びらで構成されていることがわかります。上にある大きな花びら1枚が旗弁、手前にある袋のようなフォルムのものが竜骨弁、その両わきに羽のように付いているのが翼弁です。中央の竜骨弁の中におしべやめしべが隠れていて、蜜を求めて虫が乗ると重みで花びらが下がるという仕組みです。
青い花を咲かせるスイートピー・アズレウス
また、スイートピーの仲間で「スイートピー・アズレウス」という、青い花を咲かせる品種もあります。こちらは、花が小ぶりで花びらが波打っていないのが特徴。野花のような可憐な花が魅力です。
スイートピーの毒性
スイートピーはマメ科の植物ですが、その実を食用にはしません。スイートピーの成熟した種を長期間摂取し続けると、しびれや麻痺といった中毒症状を起こすことがあるといいます。スイートピーの仲間には、若葉や花序を食用にする品種もあるようですが、わからないものはやたらと口に入れないようにしましょう。
スイートピーの育て方

スイートピーはマメ科のつる植物で、葉の先端からつるを出して、周囲のものに絡み付きながら2~3mまで生長します。スイートピーを育てる際には、フェンスやトレリス、絡ませてもよい木の近くに植え付けましょう。プランターで管理する場合は、支柱やネットなどを立てるようにしましょう。
場所や用土
日当たりの良い場所を好みます。酸性土壌を嫌うので、植え付け前に苦土石灰をすき込み、土壌改良をしておきましょう。
水やり
開花する春先は生育旺盛になるので、乾かさないようにたっぷりと水やりしましょう。
肥料
植え付け時に元肥を施します。また、開花前の生育が旺盛になる時期に、緩効性肥料を控えめに施すようにしましょう。マメ科の植物は、自ら窒素を蓄える特徴があるので、肥料を選ぶ際は、窒素が控えめの物を選ぶようにしてください。
病害虫と対処法
春にアブラムシの被害にあうことがあります。見つけ次第薬剤を散布するなどして駆除してください。
注意すること
スイートピーは直根性といって、細かい根が少なく、主根がしっかりとしている植物です。植え付け時に根を傷つけると地上部が弱ったり、枯れたりする心配があるため、根をいじらないように注意して扱ってください。
直根性について、注意点や取り扱い方など、こちらで詳しく紹介しています。
スイートピーを種から育てる
スイートピーは越年草といって、秋に発芽して生長しながら冬を越し、春に開花するサイクルの一年草です。種は秋のうちにまき、しっかりと根や葉を生長させて冬に備えましょう。
スイートピーの種は固く、そのまままいても発芽しないことがあるので、事前に吸水させる必要があります。全体が浸る程度の水に半日から一晩つけておきます。ふくらんでいない種は水を吸っていないので、軽く傷を付けてからまくと発芽しやすくなります。
また、花が終わると種を作ることに栄養を使ってしまうため、咲き終わった花をこまめに摘み取るようにしましょう。次の花へと栄養を回して開花を促すことで、たくさんの花を楽しめるようになります。
芽を出したまま越冬する越年草について、詳しく知りたい方はこちら。
スイートピーを暮らしに取り入れよう

春らしい甘い香りが魅力のスイートピーを花器に生けて、お部屋で楽しみましょう。フリルのような花は1本でも存在感があります。スイートピーは茎にしっかりと水を含んでいるため、花器の水は少なめにして生けるのが長持ちさせるコツです。
知っていますか? 1月21日はスイートピーの日
1月21日はスイートピーの日であることをご存知でしょうか? スイートピーの花びらの構造にちなんで、制定されたそうです。1月は切り花のスイートピーの流通が盛んな時期です。スイートピーを自宅に飾って、かわいらしい花と香りを楽しみましょう。
花言葉
スイートピーの花言葉は「別離」「門出」です。
切り花のスイートピーの流通時期は11月~4月頃、地植えで花が咲くのは4月~6月頃。卒業式や入学式、送別などが多くなる時期です。誰かを見送る、また応援するようなシーンで、スイートピーをあしらった花束やアレンジメントを贈りませんか。花言葉に乗せた気持ちが伝わりますように。








































