シクラメンとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- シクラメン
- 学名
Cyclamen persicum
- 英名
- Cyclamen
- 科名
- サクラソウ科
- 属名
- シクラメン属
- 原産地
- 地中海沿岸
シクラメンの特徴
このページでは、室内で育てるシクラメンについて説明していきます。
シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物です。冬に室内で育てる花鉢の代表と言える花で、お歳暮や贈答用にもよく用いられます。寒い冬の時期に、室内を上品に明るく彩ってくれます。
シクラメンは、青々としたハート形の葉が茂り、葉の中央に細い茎を伸ばして頂点に花を咲かせます。花色は赤やピンク、白、紫などがあり、花びらは丸弁で反り返るようにして咲くのがスタンダードタイプ。愛好家の多いシクラメンは品種改良や新種開発も盛んで、今では数多くのシクラメンが存在します。花びらの形も、フリル咲き、フリンジ咲き、八重咲きなど多様にあります。株のサイズも両手で抱える大株のシクラメンもあれば、手のひらに乗ってしまう小さなミニシクラメンまで存在します。斑入りの緑葉のほかに、シルバーリーフ、プラチナリーフと呼ばれる銀色の葉をもつタイプも登場し、最近は香りが楽しめる品種も注目されています。
Cyclamen Creator Yasuhiro Takahashi(CCYT) 月下
シクラメンは11月頃から出まわり、寒さに弱いため室内で育てます。上手に育てると4月頃まで花が咲き、その後は少しずつ花や葉が減り、5月頃になると花が咲かなくなります。シクラメンは暑さも苦手なため、ワンシーズン限りの楽しみ方をする方も多いですが、本来は球根植物なので夏越しができれば何年でも花を咲かせることができます。
また、シクラメンの仲間には屋外で育てるガーデンシクラメンがあります。ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものです。ミニシクラメンとガーデンシクラメンは姿が似ているので、小さいシクラメンを屋外で育てる場合は、耐寒性があるかどうか(ガーデンシクラメンかどうか)の確認が必要です。
▼屋外で育てるガーデンシクラメンについてはこちら
シクラメンの詳細情報
園芸分類 | 球根 |
---|---|
草丈・樹高 | 20cm~50cm程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 赤、ピンク、白、紫、複色 |
開花時期 | 10月~4月頃 |
シクラメンの種類
Cyclamen Creator Yasuhiro Takahashi(CCYT)
カレン
八重咲きの可愛い白い花が咲くシクラメンです。
ミニシクラメン’カール’
花がリボンのようにカールしているミニシクラメンです。
ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンは、ミニシクラメンの中から特に耐寒性の強いものを選び、冬に屋外でも育てられるように改良されたシクラメンです。
シクラメンの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
シクラメンの栽培環境
日当たり・置き場所
シクラメンは冬の植物ですが、寒さに弱いため基本的に室内で育てます。
置き場所は室内の日当たりの良い窓辺が最適です。ただし、夜間の窓辺は気温が下がるので、夜間のみ置き場所を移動するなどの工夫が必要です。暖房の風が直接当たるような場所も避けましょう。
シクラメンを屋外で夏越しさせるときは、半日陰か明るい日陰に置き、風通し良く育てます。
温度
シクラメンは5℃~20℃くらいが適温です。昼と夜の温度差の少ない環境だと状態よく育ちます。
用土
シクラメンは市販の草花用の培養土でも問題なく育ちますが、専用の培養土も販売されています。
シクラメンの育て方のポイント
水やり
室内で底面給水の鉢を使って育てている場合は、株元に水やりするのではなく、底面の受け皿に水を足します。受け皿の水が切れないようにして、8分目くらいまで水を入れましょう。受け皿をはずして株元に水やりする際は、なるべく花や葉に水がかからないように、株元に水をかけます。
室内で普通の鉢で育てている場合は、土が乾いたらたっぷり水やりします。受け皿にたまった水は捨てましょう。
水やりのタイミングは、土を見るだけでなく、茎や葉を見て判断することも出来ます。普段シクラメンの茎や葉は真っ直ぐピンと伸びていますが、水が足りないと徐々に倒れてきます。土や茎、葉を見ながら水やりのタイミングを見極めましょう。
シクラメンを夏越しさせる際、休眠させる方法と、休眠させずに育てる方法があります。休眠させる場合は、夏の間は水を与えません。休眠させない場合は、屋外の風通しの良い涼しい場所で適宜水やりを続けて育てます。
肥料
シクラメンの球根は肥料が足りないと花数が減ってしまいます。追肥の時期は10月~3月頃。花が咲く時期はどんどん栄養を必要とします。適量を適宜与えましょう。シクラメン用の肥料も販売されています。
病害虫
シクラメンがかかりやすい病気は、灰色かび病や軟腐病です。水のやりすぎに注意し、風通し良く育てるなどして予防しましょう。
葉の上に落ちた花をそのままにしておくと、病害虫の原因になるので取り除きます。また、咲き終わった花を取るとき、茎が途中で切れてしまうとそこから病気にかかることがあります。茎は根元からひねるようにして根元から抜き取ることが大切です。
つきやすい虫は、ホコリダニです。高温乾燥時に発生しやすく、葉や蕾が萎縮したり、花が奇形になることがあります。暖房の風が直接当たる場所に置くのは避けましょう。
シクラメンの詳しい育て方
選び方
シクラメンの球根は浅植えなので、球根の部分が土の表面に出ています。球根を触ってみてしっかりと硬さがある株は良苗です。また、シクラメンは葉と同じ数だけ花が咲くと言われています。イキイキとした葉が繁り、蕾が多い株を選びましょう。
種まき
シクラメンの種まきは9月~11月の間に行います。鉢を用意し用土を整え間隔をあけて種をまきます。寒すぎると発芽しないため、室内で管理するのが好ましいです。しかし、温度が20℃を超えると発芽しないため、暖房が直接当たる場所は避けてください。
仕立て方
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シクラメンの球根の頂部に日を当てて生育を良くすることや、花を株の真ん中に寄せて株の姿を美しく整えるために行う、シクラメン特有の葉組みという作業があります。
株の中心にある葉の茎を持って、外側の方にある葉の下方へ移します。葉組みの作業は、葉がどんどん生長して増える秋に行ったり、開花中も随時行います。
植え替え・鉢替え
シクラメンの植え替え時期は秋です。夏越しできた株は1回り大きな鉢に新しい土を使って植え替えます。シクラメンの球根は浅植えを好むので、球根の1/3が土から見えるくらいに植え付けましょう。植え付け後はたっぷりと水やりをします。
花
Cyclamen Creator Yasuhiro Takahashi(CCYT) 胡蝶
シクラメンの花期は10月~4月頃です。冬から春にかけて、長い間花を咲かせます。
シクラメンを長く咲かせるコツは、まめに花がらを摘むことです。枯れた花をそのままにしておくと種ができ、種に栄養が行って次の花が咲きにくくなります。花が葉の上に落ちたままにしておくと、病害虫の原因にもなります。
花が咲き終わったら、茎の根元からひねるようにして抜き取りましょう。また、茎が途中で切れてしまうとそこから病気にかかることがあります。茎は根元から取り除くことが大切です。
夏越し
シクラメンは夏の暑さに弱い植物です。夏の間は休眠させる方法と、休眠させずに育てる方法があります。
休眠させる場合は、夏の間は水を与えません。球根を掘り起こして日の当たらない涼しい場所で保管する方法もあります。掘り起こした場合は、秋に新しい土を使って植え付け、水やりを開始します。
休眠させない場合は、風通しの良い涼しい場所で適宜水やりを続けて育てます。
▼シクラメンの夏越しについてはこちら
冬越し
シクラメンは寒さに弱いので、冬は室内の明るい窓辺で育てます。夜は窓辺の温度が急激に下がるので、窓から離した位置に移動させるなど注意しましょう。また、暖房の風が直接当たる場所は避けて管理します。
屋外で夏越しさせたシクラメンは、最低気温が5℃~10℃になったら室内に取り込んで冬越しさせましょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
シクラメンは球根植物ですが分球しないので、球根で増やすことはできません。シクラメンを増やすなら種で増やします。