ツツジ(躑躅・つつじ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ツツジ(躑躅・つつじ)
- 学名
Rhododendron
- 英名
- Azalea
- 和名
- 躑躅
- 科名
- ツツジ科
- 属名
- ツツジ属
- 原産地
- 東アジア
ツツジ(躑躅・つつじ)の特徴
ツツジ科ツツジ属の植物。花のピンク色がとても鮮やかで印象的な植物です。学校の生垣などとしても使われています。花の奥には甘い蜜があり、蜜を吸った思い出がある方も多いのではないでしょうか。種によって違いますが、毒があるので注意。
ツツジ(躑躅・つつじ)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 50cm~2m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 白,赤,濃いピンク,オレンジ,黄,紫 |
開花時期 | 4~5月 |
ツツジの斑点模様の意味
ツツジの花びらをよく見ると上方の花びらにだけ斑点があります。これは「蜜標」または「ガイドマーク」とよばれ、昆虫に蜜腺があることを伝え、花粉を運んでもらうために誘う役目をしています。実際、蜜は花の中央でなくこの斑点のある花びらにあるようです。子供のころ、ツツジの蜜を吸ってその甘味を味わった経験のある方もいると思いますが改めて観察してみてはいかがでしょうか。ちなみにハウスの中で人の手によって育てられている品種の中には昆虫に受粉してもらう必要がないため斑点をもたないものもあります。
世界最古のツツジ、サツキ専門書
元禄5年(1692年)に江戸染井村で植木屋を営んでいた伊藤伊兵衛によって「錦繍枕きんしゅうまくら」が刊行されましたがこれは世界最古のツツジ、サツキの図入りの解説書です。この書のなかでツツジ175品種、サツキ161品種が紹介されています。当時すでにツツジもサツキもすでに数百種類におよぶ品種がつくられていたことがわかります。
ツツジ(躑躅・つつじ)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
増やし方 | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ツツジ(躑躅・つつじ)の栽培環境
日当たり・置き場所
ツツジの根は浅く横にはるので排水が良い所に浅植えにし、乾かしすぎないように注意しましょう 。
用土
pH5~6の酸性土壌を好みます。鉢で栽培する場合は酸度調整をしていないピートモスや鹿沼土を配合すると根張りがよくなります。
ツツジ(躑躅・つつじ)の育て方のポイント
水やり
ツツジ類は根が細く浅く張るので水切れに弱く、高温で乾燥が続く夏の日には涼しい早朝か夕方、冬は暖かい日中に水やりを行います。特に植え付け後すぐの年は注意が必要です。
肥料
花後のお礼肥えと9月頃の枝が充実する時期、1月の休眠期にそれぞれ肥料を株元にばらまきすると翌年の花つきが一段とよくなります。
病害虫
グンバイムシ:つつじにつくのはツツジグンバイムシ。葉裏から吸汁する害虫で、成虫の体長は4~5mm程度で翅が透明に近いため、X状の虫に見えます。相撲の行事が持っている軍配に近いのでこの名前がつきました。発生時期は4月~10月です。葉の汁を吸ってしまうため、葉が白くカスリ状に見えます。観賞価値が下がり、生育も悪くなります。ハダニ、コナジラミと同じ症状になりますが、葉裏が黒く汚れているので見分けることが出来ます。
ハダニ:ハダニは気温が高いところや乾燥している場所に発生します。暖かい時期に発生しやすく植物の葉から栄養を吸収して弱らせます。また、弱った植物はハダニの被害に遭いやすく、被害も大きくなりやすいです。数が増えて被害が大きくなってくると、葉緑素の不足によって光合成ができなくなり、生長不良になったり、植物自体が枯れていきます。
シンクイムシ:主に、ヤガ科やツドガ科の幼虫を指します。幼虫は葉の芯や新梢を食べてしまうため、植物の生長を止めてしまうことがあります。
ツツジ(躑躅・つつじ)の詳しい育て方
選び方
品種は無数にありますから好みの花色や花型、木の状態を確かめておおよその性質を知った上で購入しましょう。病虫害の兆候がなく、木肌や枝、葉に光沢がある元気なものを選びましょう。
種まき
3月下旬から5月上旬ごろが種まきの適期です。浅めの素焼き鉢に鹿沼土を入れ水をかけて全体を湿らせてから種をまきます。種まき後は直射日光と雨の当たらない場所で管理します。
植え付け
苗の根は粘土質で団子のように固まっている場合があるので土をふるい落として根を露出させてから植えるようにしましょう。深植えにすると根ぐされの原因になります。
剪定・切り戻し
花が終わった枝はその花の付け根からたくさんの小枝が伸びてきますのでかたちを整えるためにも、また花芽を落とさないためにも花が終わったら早めに剪定をして形を整えます。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
ツツジの繁殖は挿し木にするのが容易です。時期は梅雨時か秋の長雨のころに行います。手順は新梢を10~15cmほど切り取って葉を4~5枚残してあとは切り取り、挿し穂にします。それから水に浸けて吸水させておきます。挿し木用の土は鹿沼土が適しています。日よけをして直射日光が当たらないように注意しましょう。また過湿になりすぎないよう、乾かしすぎないようにしながら水やりを行います。挿し穂の状態をよく観察して管理するのが大切です。
今年花をつけなかった理由とは
剪定時期を間違えている
おそらく、ツツジの花が咲かない理由として一番多いのが剪定時期の問題かと思います。
ツツジは基本的に、花が散ると同時に剪定を行います。地域によっても違いますが、東京だと5月の末頃から梅雨時期の間に、剪定や刈り込みを行います。ツツジの花芽は花が咲き終わると同時に形成されるので、時間がたってから剪定を行うと、せっかくできた花芽まで切ってしまうことになります。
初夏以外の時期に「伸びているから・・・」と思って剪定してしまうと、来年花が咲かなくなるので気をつけましょう。
もし小さく剪定したい場合は、来年花が終わってから強めに剪定すると良いですよ。ツツジは生命力の高い種類の植物なので、多少強めに剪定しても枯れることが少ないです。
日光が不足している
ツツジが植えられている場所に注目してみてください。日陰の場所に植えられていませんか?
先ほども記した通り、ツツジは生命力の高い種類の植物です。日陰に植えても大きく育っていきますが、花は付きにくくなってしまいます。街路樹の植え込みのツツジを思い出してみると、直射日光の当たる道路脇でも元気よく花を咲かせています。あれくらい日光が当たっても大丈夫なほど、太陽が大好きな植物で、乾燥にもわりかし強いです。
ツツジが日陰にあって花が咲かない場合は、日当たりが良い場所に移動させると咲く可能性がありますよ。
肥料の与えすぎ
「ツツジの花が咲かないから、肥料を沢山あげよう!」・・・実はそれがかえって逆効果いなっているかもしれません。
野生のツツジは山の山頂などにも生えている種類の植物です。山頂の土は砂や石が混じり、痩せている場所が多いですが、それでもツツジは元気よく花を咲かせます。元々そういう場所で生きてきた植物なので、肥沃な土だとかえって元気をなくしてしまうことがあります。あまり甘やかしすぎない程度に育ててあげる方が、ツツジの花は咲きやすいのかもしれません。
ツツジは一般的に、水はけの良い酸性の土壌が適していると言われていますので、ピートモスなど酸性肥料を少し足してあげると良いこともありますよ。