柚子(ゆず)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • 柚子(ゆず)の花咲く季節
植物名
柚子(ゆず)
学名

Citrus junos

英名
Yuzu
和名
柚子
科名
ミカン科
属名
ミカン属
原産地
中国、日本

柚子(ゆず)の特徴

柚子(ゆず)は、ミカン科の常緑小高木で、晩秋から冬にかけて鮮やかな黄色の香り高い実をつけます。柚子(ゆず)は、柑橘系では珍しく耐寒温度が-7℃と耐寒性が高いため、風よけや幹の防寒は必要ですが、南東北地方までなら栽培することができます。

柚子(ゆず)の実は、非常に酸味が強く生食向きではありませんが、吸い口や調味料、ジャムとして使われるほか、強い香りで邪を払うということから冬至の柚子湯には欠かせません。

柚子(ゆず)は、栽培も柑橘の中では容易で、自家結実性があるため1本で実をつけます。枝には鋭く長い棘(トゲ)がありますが、近年では棘のない品種も出回っているので、小さいお子さんがいる家庭では棘の少ない柚子(ゆず)を購入されるとよいでしょう。

柚子(ゆず)の詳細情報

園芸分類 果樹
草丈・樹高 3~10m程度
耐寒性 普通
耐暑性 強い
花色
開花時期 5月~6月

柚子(ゆず)の種類

本柚子

柚子(ゆず)と言えば本柚子。

代表種は、徳島の木頭系、徳島の海野系、早生種の山根系。

花柚(はなゆ)

花の香りが強い柚子(ゆず)の近縁種。果実の大きさは小さめ。

柚香・柚柑(ゆこう)

自然交雑によって生まれた柚子(ゆず)の変種

獅子柚子・鬼柚子

名前は柚子とつくが、ブンタンの仲間。大きな果実は、皮が厚く、果肉は生食には向かず加工用に使われる。

冬至と言えば柚子湯

柚子湯の由来

柚子湯の由来

冬至の読み方は「とうじ」

お湯に入り、病気を治す湯治(とうじ)

冬至=湯治という語呂合わせからきています。また、柚子(ゆず)=「融通(ゆうずう)」がききますようにという願いも込められています。かぼちゃと違い、冬が旬の柚子(ゆず)は香りも強いため、邪気を避け、運を呼び込む前の厄払いの目的でも使用されています。このように運を呼び込む前に、厄除けを行うというのは1セットなのですね。

▼冬至と言えば柚子(ゆず)とかぼちゃ。詳しくご紹介しているので是非ご覧ください。

「桃栗3年、柿8年、柚子(ゆず)の大馬鹿18年」

柚子(ゆず)は種から育てると実がなるまでにとても時間がかかる果樹です。「桃栗3年、柿8年、柚子(ゆず)の大馬鹿18年」ということわざがあるほどです。

最近の柚子(ゆず)の苗木の流通は、接ぎ木苗といって、すぐに実がつくように仕立てられた苗木がほとんどです。種から育てることにこだわりがないなら「接ぎ木の棘なし」の苗木を選ぶとよいでしょう。

柚子(ゆず)の活用法

柚子シロップ

▼自家製柚子茶が作れます。

 

柚子塩麹

▼柚子(ゆず)の皮を使った、柚子塩麹の作り方をご紹介しています。

 

柚子塩

柚子(ゆず)が1個と塩があれば作れる万能調味料、塩柚子。塩分の割合を増やせば、日持ちのする調味料にもなります。

 

柚子(ゆず)の皮を冷凍保存

余った柚子(ゆず)の皮は冷凍すると冬の間中、楽しむことができます。皮のまま、もしくは刻んで小分けして冷凍保存。使うときは数時間前に自然解凍して、刻んだり、すりおろしに浸かったりして利用します。

余った柚子(ゆず)の皮は冷凍すると冬の間中、楽しむことができます。皮のまま、もしくは刻んで小分けして冷凍保存。使うときは数時間前に自然解凍して、刻んだり、すりおろして利用します。

 

柚子(ゆず)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花
収穫

柚子(ゆず)の栽培環境

日当たり・置き場所

柚子(ゆず)は、日当たりを好みます。日当たりは花数に影響が出るので、結果、収穫の数にも差が出ます。

用土

柚子(ゆず)は、水はけが良く保水性の良い土であれば土質はあまり選びません。保水性の悪い土地に地植えをする場合は腐葉土をすき込み、株元に敷きワラを敷いたりグランドカバーを植えて乾燥を抑えるようにしましょう。鉢植えの柚子(ゆず)は、赤玉土と腐葉土を混ぜたものを用い、そこにごろ石や軽石を入れます。

柚子(ゆず)の育て方のポイント

水やり

柚子(ゆず)は水を好むので、なるべく水を切らさないように注意します。

地植えの柚子(ゆず)は、根付いてからの水やりの必要はありませんが、鉢植えの柚子(ゆず)は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷりと水を与えます。

肥料

地植えの柚子(ゆず)は、3月と10月に完熟たい肥か液肥などの即効性肥料を与えます。

鉢植えの柚子(ゆず)は、結実時に肥料枯れを起こしやすいので、花後にも肥料を与えます。

病害虫

柚子(ゆず)は、他の柑橘と異なり、病気には非常に強い耐性がありますが、黒点病黒星病が出やすいので農薬を予防的に散布すると良いです。また、アゲハチョウの幼虫が葉を食害するので、葉をよく観察して卵や幼虫を見つけたら取り除くようにしましょう。夏場はハダニやミカンサビダニが発生するので、葉水を与えたり殺虫剤をまきます。さらにカラタチの台木を狙ってカミキリムシが付きます。カミキリムシに食害されると大きな木でも枯死しますので、地際を日常的に観察し、見つけ次第捕殺しましょう。金たわしやスチールウールを株もとにまいておくと食害を防いでくれますが、錆びてくるので古くなったら交換するようにしましょう。

柚子(ゆず)の詳しい育て方

選び方

販売されている柚子(ゆず)の苗は、ほぼ接ぎ木苗です。接いだ部分が目立たずしっかりとついているものを選ぶようにし、根との境付近や継いだ部分に傷があったり、接いだ部分に隙間が残っている場合はその部分が病気や害虫に侵される可能性があります。また、幹が太くて皮がめくれておらず、枝の節が詰まって葉が多いものは良い苗です。実付き苗の場合はあまりたくさん実がついているものは株が疲れている可能性があり、植え付けた後に急に枯れてしまう可能性があります。葉に病害虫がなくしっかりした株であれば実の少ない株を選びましょう。

本来の柚子(ゆず)の枝には鋭く長い棘(トゲ)がありますが、近年では棘のない品種も出回っているので、品種にこだわりがない場合は、棘なしの品種の方が扱いやすいでしょう。

種まき

柚子(ゆず)の種をまく場合は採りまきにします。採取した種は水でよく洗い、周りについているぬるぬるをきちんと落としましょう。この中には発芽を抑制する物質が含まれているので、残っていると発芽が遅れます。濡らしたキッチンペーパーでくるんで1~2日水を吸わせた後、鉢に小玉の赤玉土を入れ、種の2倍程度の穴を開けてまきます。土が乾かないようにしながら室内の暖かい場所におき、発芽後は日当たりの良い場所で管理します。多胚性なので複数の芽が出ますが、そのまま育てて植え替え時に分けるか、良い芽だけ摘み取っても良いでしょう。10~20cmまで生長したら1株ずつ植え替えます。

柚子(ゆず)は種から育てると、実がつくような株に生長するまではとても長い期間を必要とします。実を早く収穫したいようなら、接ぎ木苗を購入して育てるのが現実的です。

植え付け

柚子(ゆず)の植え付けは、芽が動き出す前の3月~4月が適期です。根鉢から長く伸びすぎている根や傷んだ根は取り除き、できるだけ根鉢を崩さないように植え付けます。接ぎ木苗の場合は、接いだ部分が地上に出るように調整し、根が飛び出さないように埋め戻します。植え付け後は水を十分に与えます。鉢植えの柚子(ゆず)は、根のまわりが早いので、2年に1回程度は一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。その際、根鉢を半分崩し、傷んだ根を取り除いて植え替えます。

摘芯(摘心)・摘果

植え付け後2年までは、実を摘果して株の生長を促すと、3年目以降の実つきがよくなります。

剪定・切り戻し

実をつけるためには木の形が重要になります。若い木の場合は2~3年は込み合っている枝を間引く程度にとどめ枝を育てます。ある程度枝数が増えたら異なる方向に伸びている太い枝を2~3本を選び、横に広がるようにロープなどで誘引します。柑橘類は枝が直立していると実がなりにくい性質がありますので、横に広がった形になるように心がけましょう。柚子(ゆず)の剪定は、収穫後の3月~4月に幹まで日が当たるように枝を間引き、幹周辺の風通しを良くしましょう。実がならなかった枝は、10月頃に春に伸びた元気な枝まで切り戻し剪定をします。

柚子

柚子(ゆず)の花は、初夏に白い小さな花が開花します。

収穫

柚子(ゆず)の実の収穫の時期の目安は、実の色が緑から黄色に色づき、緑色が少し残った状態の頃が目安です。実の色が黄色くなってからも長く実をつけていると、翌年の実つきに影響が出ます。

冬の果実を丸ごと使いきろう!柚子(ゆず)の活用法

冬越し

柚子(ゆず)は、多くの柑橘類に比べると耐寒性があり、マイナス7℃程度までの耐寒性があります。寒さの厳しい地域では、寒風が通り抜けるような場所に植え付けるのは避け、冬は株元に敷きワラなどでマルチングをして寒さ対策をしましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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