甘くて美味しいフルーツとして人気のあるいちごですが、じつは野菜の仲間です。
「野菜とは草本性の植物」という意味で、いちごはスイカやメロンと同様に苗を植えて1年で収穫することから一般的な野菜と同じ草本性として分類されています。
ハウス栽培が盛んで、夏の一時期を除いてほぼ一年中出回っていますが、春から初夏にかけてが本来のいちごの旬です。
いちごは、軸に近い部分より先端の方が糖度が高く、果肉の中心よりも表面の方が甘いとされています。ビタミンCや葉酸が多く含まれます。
いちごの実と思って食べている部分は、花托(かたく)又は花床(かしょう)といって花の付け根の部分が発達して食用部となったものです。 いちごの本当の実の部分はいちごの「粒々(実)部分」です。ちなみに、いちごを縦に切って、断面図を見てみるとこの粒々(実)部分に1本1本の筋が水分や栄養を送っているのが分かります。この粒々の中に種がありますので、種をまくときはこの粒々部分を土にまきます。
いちごは、親株からランナーを伸ばし、子株、孫株と株を増やし、越冬して実を付ける多年草です。
この親株から伸びたランナーの向きと反対方向にいちごの花房が出るので、苗を購入して植え付けるときは、ランナーを北側に向けると花や実に光を当てることができます。また、ランナーを通路側とは反対方向に向けて植え付けると、いちごが収穫しやすいように工夫することができます。
園芸店などで販売されているいちごの苗は、植え付けてから実がなるまで半年ほどの長い期間を必要とします。
現在食べられているいちごは、近年の品種改良によるものですが、野生のいちごは、はるか昔から世界的に食べられていました。
野いちごの種類も豊富で、クサイチゴ、クマイチゴ、バライチゴ、モミジイチゴ、ナワシロイチゴなど。同じバラ科ですが、これらの野いちごは全てキイチゴ属です。私たちが現在食べているいちごは、オランダイチゴ属といいます。野生のいちごとは違い、栽培された大粒のいちごが江戸時代にオランダより持ち込まれました。