- トレニアは熱帯地域原産なので暑さに強く、春から秋の長い間花を咲かせてくれる多年草です。寒さに弱いので、日本の気候では一年草として扱われるものが多いです。
花径は2~3cmほどで、白地に桃色や青地に紫などの覆輪が美しく、他に黄色やローズ色もあります。花色が野生のスミレに似ているので、別名ナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)とも呼ばれます。
草姿がこんもりまとまる「立性」と、横にふんわり広がる「ほふく性」があり、ほふく性のトレニアは花壇の縁取りに使ったりハンギングバスケットなどで目線の高い位置に飾ると美しさが引き立ちます。草丈は20~30cmです。
トレニアは、日なたと水はけの良い用土を好みます。耐陰性があるので明るい半日陰でも育ちますが、日当たりが良い方が花が咲きやすいです。真夏は、直射日光を避けて風通しの良い明るい半日陰で育てると水切れや葉焼け、蒸れを防ぐことができます。
トレニアは開花期間の長い植物なので、こまめに花がらを取ることと、時々切り戻して新しい芽を増やすことが大切です。切り戻し後の水やりの際に追肥するとその後の成育が良くなります。
- 観賞用トウガラシはトウガラシの仲間ですが、あくまでも観賞専門で食用にはできません。食用のトウガラシと同じくナス科の一年草で、別名五色トウガラシという名前でも呼ばれます。
色は、赤、黄色、オレンジ、黒、紫などカラフルな色合いで、実の形も食用のトウガラシのような形の他、丸い実など様々です。実を鑑賞して楽しむ植物ですが、最近は葉にもこだわった観賞用トウガラシもあり、カラーリーフの素材としても注目が集まっています。
観賞期間は6月~12月と長く、最近は葉もの素材としても鑑賞価値が高い品種も多く、花壇や寄せ植えなど、様々な用途で利用されています。
- トリフォニウム・バニーズは、猫じゃらしを小さくしたような形のセピア色の花穂が特徴的な耐寒性一年草。同じシャジクソウ属(トリフォリウム属)に分類されているシロツメクサの近縁種です。
トリフォニウム・バニーズには、花びらより長いガクがあり、たくさんの白い毛が生えているため、花は隠れて目立ちません。花が終わってもガクと白い毛が残り、ふわふわとした花穂の姿が長く楽しめます。茎は直立または横に這うように生長し、ノスタルジックな雰囲気を漂わせます。花穂はドライフラワーとしても使うことができます。葉の形はシロツメクサと同じ三つ葉ですが、シロツメクサよりもかなり葉の幅が細くて小さいため、あまり似ていません。葉茎には細かい毛が生えています。
トリフォニウム・バニーズは、夏の高温多湿がやや苦手な性質がありますが、耐寒性が強く育てやすい植物です。放任してもたくさんの花を咲かせ、こぼれ種でよく増えます。
- ドクダミは、原産地が東アジアのドクダミ科での多年草です。独特な匂いでコンクリートの割れ目からも生えてくるくらい強く、抜いても抜いても生えてくる……と、雑草扱いされることも多い草花ですが、化学薬品のなかった昔は民間治療薬として重宝されてきた和のハーブのひとつです。
ドクダミは別名「十役」と呼ばれ、開花時期は5~6月で、茎先に十字型の白い花を咲かせます。ドクダミの花名の由来は、毒や傷みを抑える効果を持つことから「毒痛み」が転じたと言われる説と、葉の特有の匂いが毒ではないかといわれたことで「ドクダメ」と呼ばれるようになり、それが「ドクダミ」になったという説があります。
冬の間は地上部分はなく、春になると芽吹いて、花は5月の終わりから6月に開花します。ドクダミの花びらに見える白い部分は「総苞(そうほう)」です。花はとんがっている黄色い部分に密集しています。
- ドリチョス・ラブラブは藤豆の仲間のマメ科のツル性一年草です。品種名はルビームーンとして流通しています。
ドリチョス・ラブラブの種は春にまき、夏にピンクの花が咲いた後、深い紫色の豆ができます。ツル性でとても生長力が強く、地植えにすると5m以上伸びるため、夏場のグリーンカーテンとして利用できます。深い紫色のさやの状態は、切り花としても流通しています。
- 亜熱帯を中心に分布される、ツル性多年草です。トケイソウという和名の由来は、大きな3つの雄しべが時計の針に見えることからきています。非常にユニークな形の花で、その品種は500種以上と言われています。さらに掛け合わせた園芸品種もあるので、とてもたくさんの品種があるということになります。
南米原産の植物ですが、日本でも暖地では露地で越冬します。挿し木が容易な植物であり、長く伸びたツルが地面に下垂し、そのまま根付くということも多々あります。
南国の果物で有名なパッションフルーツ(Passiflora edulis)もこのトケイソウの仲間のひとつです。
- トリカブトはキンポウゲ科トリカブト属に分類される北半球の温帯~亜寒帯原産の植物です。日本には約30種類ほどのトリカブトがあり、いずれも有毒です。
トリカブトは日本三大毒草(トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギ)の一つで、根を始めとした全草に毒があります。
このように毒を持つ植物の代表格として知られるトリカブトですが、実は生け花で広く用いられる、ポピュラーで育てやすい園芸種でもあります。
そのため、毒草と聞いて栽培できるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、トリカブトは花や葉の美しさから園芸品種が多くあり、売買も育てるのも問題ありません。
漢方では附子(ぶし)としてトリカブトの根が使われています。
開花時期は8月~10月で、湿度が高い森に主に生えています。
多年草で、冬は地上部を枯らして越冬します。20cmほどの矮性種から1mを超えるものまで、種によって草丈は様々です。
名前の由来にもなったように、兜のように見える独特の袋状をした花を咲かせます。
これはミツバチなど虫たちが奥まで入り込むことで効率的に授粉できるようにした工夫です。
ただし、花粉にも毒があるので、トリカブトが咲く季節になると養蜂家たちはミツバチを巣箱から出さないようにするそうです。
トラディスカンティア・クラッシフォリア・アカウリス
- メキシコが原産のムラサキツユクサです。熱川バナナワニ園の学芸員である清水さんがメキシコより採取し、同定したものになります。
日本で見られる一般的なムラサキツユクサと違い、葉が多肉質で表面部がガラス層になっています。
そのため日光が当たると葉がキラキラと輝き、ツユクサとは思えない非常に美しい姿を見せてくれます。
性質は強健で、非常に育てやすいですが、マイナーなためか扱っているナーセリーが限られており、入手するためには植物系イベントで購入するか、趣味家が放出する余剰株を狙うのがおすすめです。
宿根草で冬場は葉を全て落として休眠します。春先の暖かくなってきたころに葉を展開し、6月~10月頃にかけて美しい花を見せてくれます。
- 草丈20cmから120cmくらいの色とりどりの花を咲かせるリンドウ科の植物です。種はほこりのように小さく、花は八重咲や大輪などさまざまな品種改良がなされました。今では八重咲が70%を占めています。暑さにも寒さにも少し弱いです。ウェディングなどに用いられるため白、ピンクが盛んに栽培されています。花弁はフリルのようなゴージャスな印象で、つぼみはねじったような独特の形です。