ツユクサ(露草)の由来と食べ方
峰亜由美
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今回は日本にも古来から自生する夏の植物、ツユクサ(露草)をご紹介いたします。
ツユクサ(露草)は真夏の朝に鮮やかな青い花を咲かせる植物です。
朝露がよく似合い、葉に朝露が弾く姿も、花の愛らしさも夏の熱さを和らげるような涼し気な様子をしています。
和名での名前の由来は諸説ありますが、朝露を帯びながら朝咲く様子や、朝咲いて昼には萎む朝露のように儚い様子から名付けられたと言われています。
目次
ツユクサ(露草)ってどんな植物?
- 和名 ツユクサ(露草)
- 学名 Commelina communis
- 一年草
ツユクサ(露草)は高さは15cm~30cm程で、直立せず地面に這うように茎は半日影で育ちます。ツユクサ(露草)の開花の季節は6月~9月。1.5cm程の青色の花を咲かせます。早朝に咲いた花は午後には萎んでしまいます。
ツユクサ(露草)は花びらが3枚あり、羽の様に上を向いている2枚は大きく青色、下の1枚は小さく白色で目立ちません。黄色のおしべが1本、めしべが6本あり青い花びらの上でのコントラストが可憐で鮮やかです。
ツユクサ(露草)の別名は「蛍草(ほたるぐさ)」「藍花(あいばな)」「青花(あおばな)」「移草(うつしぐさ)」「月草(つきくさ)」「鴨頭草(つきくさ)」「帽子花(ぼうしばな)」など。別名も多く、夏の季語でもよく使われる花です。
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ツユクサ(露草)の花言葉
ツユクサの花言葉は「尊敬」「小夜曲」です。
▼ツユクサ(露草)の花言葉詳しくはこちらへ
ツユクサ(露草)の由来
ツユクサ(露草)は、その美しい青色と朝咲いて昼には萎んでしまう様子から、いつの時代も儚く美しい植物として人々の心を動かしてきました。
学名の 「communis」は「普通の」という意味。「Commelina(コメリナ)」は、オランダの植物学者ヤン・コメリンとその甥の植物学者カスパル・コメリンにちなみます。
コメリン家には3人の植物学者の兄弟がいました。2人は植物学者として名を残しましたが1人は早くに亡くなってしまいました。
この出来事が目立つ上に向いて咲く青色の花びら2枚と、下向きに咲く目立たない白い花びら1枚を持つ露草の咲き方の様子が似ているため、フランスの植物学者シャルル・プリュミエがこの名をつけて、スゥエーデンの分類学者カール・フォン・リンネが学名として選んだようです。
青色の美しい花びら2枚と隠れるような白色の花びらは、名を残した2人の植物学者と早世した1人の植物学者を彷彿させプリュミエやリンネの目にうつり、3人の学者のエピソードはツユクサ(露草)の学名となり今日まで伝えら残されています。
日本で昔から親しまれてきたツユクサ(露草)
ツユクサ(露草)は万葉集にも詠まれるほど親しまれてきました。
多くの別名を持つツユクサ(露草)ですが、万葉集では「月草(ツキクサ)」「鴨頭草(ツキクサ)」の名で表現されています。
万葉集にはツユクサ(露草)を詠んだ和歌が9つありますが、どの歌もツユクサ(露草)が朝に咲いて昼を待たずに萎れてしまう性質から儚い気持ちを詠うものが多く、移ろいやすさを恋心に例えたり、恋しい人の移り気を不安に感じたり、逆に移ろいやすい恋心ではない強い気持ちを表したりと恋の歌で多く詠まれてきたようです。
夏の木陰で万葉集からツユクサ(露草)の歌を探してみるのも素敵ですね。
ツユクサ(露草)って食べられるって知ってる?
ちょっとだけマメ知識
ツユクサ(露草)は野菜として食べることが出来る草花です。
味はクセもアクもなく食べやすく、新芽はサラダとしてもいただけます。
また、クセが無いのでどんな調理方法でも楽しみ事が出来ます。
普通のお野菜のように、お浸しや和え物、炒め物等としても食べる事が出来るんですよ。
青く美しい花はエディブルフラワーとして、飲み物に浮かべたり、サラダの飾りつけに使う事が出来ます。
いつもの食卓の一品に季節のお料理として楽しんでみませんか?
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