夏でも長持ちしやすい花と生け方をチェック!
清水ヨシミ
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夏は花がすぐ傷んでしまうイメージがありますが、そんな中でも傷みにくい花はあるんです!その中からおすすめの花と、花を長持ちさせる管理方法をご紹介します。
目次
夏の切花の管理の仕方
どの花にも共通する管理方法をご紹介します。
水の深さと水換えについて
夏場は茎が腐りやすくなるため、水の吸い上げが良い花は浅めの水に生けた方が長持ちします。
30センチ以下の長さのものは数センチ、7~80センチの長いものでも10センチ程茎が浸かる程度の水量にしましょう。気温が高いと水が汚れやすく、雑菌が繁殖すると茎が腐る原因になってしまうため、こまめに水換えをするようにしましょう。
毎日水換えをするのが理想ですが、難しければ切花用の鮮度保持剤を利用すると良いです。鮮度保持剤を利用した場合は、水が濁ってきたら取り替えます。水換えの時には花瓶もきれいに洗ってください。
少し面倒にも感じますが、花瓶の水を清潔に保つことは、暑い時期に花を長持ちさせるために効果的な方法です。
茎の切り戻しについて
生けて1~2日すると茎の先端から黒くなってきます。
水換えの際は黒くなった部分プラス5ミリ~1センチほどカットしましょう。切り口が新しくなり、水の吸い上げがよくなります。茎がヌルヌルしている場合は流水で洗い流しましょう。茎の色が黄みがかり柔らかくなって腐ってしまっていたら、その部分は全部カットしましょう。
置き場所
水が温まらないように、直射日光の当たらない、涼しい場所が理想です。乾燥を防ぐために、冷房や扇風機の風が当たらないようにしましょう。
夏でも長持ちする花5選
ヒマワリ
ヒマワリは北アメリカ原産の一年草です。 学名のHelianthusはギリシャ語の「helios=太陽」と「anthos=花」が合わさった名前です。日本名の「向日葵」、英名の「sun flower」、フランス名の「soleil」など、どれも「太陽(日)」がもとになっていますね。他の多くの言語でも太陽をもとにした名前がつけられており、世界中でヒマワリは「太陽の花」と例えられていることがわかります。
ヒマワリの選び方
頭がグラグラしていないものを選びましょう。葉が黄色くなっておらず先の方まで張りがあるものが新鮮です。
ヒマワリの生け方
ヒマワリは頭が重く大きな花瓶に長さを出して生ける時は倒れやすいため、重さ、安定感のある花瓶に生けましょう。
茎はどこを切っても大丈夫です。花瓶の長さに合わせて花バサミでカットしましょう。茎の長さを10センチ程に切れば、一輪挿しなどの小さな花瓶にも生けられますね。
葉や花弁が傷んできたら?
傷んだ葉は取り除きましょう。
花弁が傷んでしまったら取り除いてみましょう。
花弁を取り除きました。アレンジに使うと個性的なイメージになります。風通しの良い所に逆さに吊るしておくとドライにもなりますよ。
▼ヒマワリの種類や組み合わせにおすすめの花はこちら
トロピカルフラワー
南国生まれのトロピカルフラワーは暑さに強く、切り花になっても長持ちします。個性的でビビッドカラーのものが多く、飾ると南国の雰囲気になりますね。そんなトロピカルフラワーの中から3種類ご紹介します。
モカラ
バンダ属、アラクニス属、アスコセントラム属の3種のランを交配して人工的育種されたランです。先が丸く肉厚で鮮やかな色の花弁が特徴です。
生ける時はハサミやナイフで斜めにカットすると断面積が大きくなり、水の吸い上げが良くなります。
ランは下の花から咲いていきます。大きく膨らんでいる蕾は咲くことが多いので、その過程を観察するのも楽しいですよ。
下の花から咲くため、下の花から傷んでいきます。傷んでしまったら取り除くと、綺麗な見た目を保つことができます。
花はハサミなどでカットするか、手で下側に引くと簡単に外れます。
アンスリウム
熱帯に生息するサトイモ科の植物です。赤やピンク色でハート型の花弁に見えるものは仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞葉(ほうよう=葉が変形したもの)で、黄色い部分が肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれる、小花が密集している花部分になります。
アンスリウムはどこをカットしても大丈夫です。花瓶に合わせてカットしましょう。まっすぐ~やや斜めにカットして、3~5センチの浅めの水に生けましょう。
アンスリウムは古くなると肉穂花序の先端から黒くなっていきます。お花屋さんで選ぶ時も注意して見てみてくださいね。
クルクマ
ショウガの仲間です。花弁のように見える部分は包葉(ほうよう)と言う花を包んでいる葉で、中に見える白っぽいものが花です。
クルクマはどこをカットしても大丈夫です。花瓶の長さに合わせてカットしましょう。花と葉を分けてもいいですよ。2~3センチの浅めの水に生けましょう。
ユリ
切花になっても蕾が次々に開くため、1本あたりの咲いている期間が長く、またその開いていく過程も楽しめます。花が大きく高さも出せるので、1本で飾っても存在感、華やかさがありますね。そんな大きいイメージのあるユリですが、実はカットする時の自由度が高く、小さく切って飾ることもできるんです。
持っている花瓶の大きさに合わせて生けてみましょう
茎は斜めにカットします。
大きい花瓶があれば、まずはユリらしい立ち姿を活かして生けるのがおすすめです。半分より下の葉は取り除いて、花の方まで水を送りやすくしましょう。水の量はユリの長さの1/4~1/5程度の深さで大丈夫です。
ユリは上の方にボリュームがあり、水も少なめで重心を下げにくいため、長さを出して生けると倒れやすいです。花が次々に大きく開くことも考慮して、重さや安定感のある花瓶を選びましょう。
下の方の花が終わったり、大きい花瓶がない場合は、お手持ちの花瓶に合わせた長さに切りましょう。花瓶の中に入ってしまう部分の葉は取り除きます。
花が残り1~2輪になったり、大きめの花瓶がない場合は、ユリの花ごとにカットして生けることもできます。
花ごとにカットすればれば小さめの花瓶や口が細い瓶にも生けられますね。花瓶の水に茎が2~3センチ程度浸かるように生けましょう。オアシスに挿してアレンジメントに使うこともできますよ。
1輪ずつ挿したり他のお花やグリーンと生けてもいいですね。
葯(やく=花粉を包んでいる袋)は花粉が開く前に取り除きましょう
開き初めのユリです。まだ葯が開いていないので、花粉を手や周りにつけることなく取ることができます。花を傷つけないように手かピンセットで優しく取り除きましょう。
葯が開いてしまうとこのように花粉が出てきて、花弁や手などその花の周りを汚してしまうこともあります。葯がないと見た目は少し寂しくなってしまうのでお好みもありますが、花粉がテーブルや服、手についてしまうと取りにくくなるため、どうしてもという理由がなければ取り除くことをおすすめします。
終わった花は付け根からカットしましょう
終わった花は付け根からカットすると、上の方の蕾まで開きやすくなります。
▼ユリの種類のご紹介はこちら
ケイトウ
ケイトウには様々な形や色があります。カラフルで鮮やかな色は夏でも長持ちし、ドライにもなるんですよ。
茎はどこをカットしても大丈夫です。茎は柔らかく潰れやすいため、鋭角ではなくまっすぐよりやや斜め程度にカットしましょう。
半分より下、または花瓶の中に入ってしまう部分の葉は取り除きましょう。
クルメケイトウなどは頭が重いため、重さや安定感のある花瓶に生けましょう。
ドライにして楽しむこともできます。
▼センニチコウとケイトウのスワッグの作り方
葉モノや枝モノ
花にこだわらず、葉モノや枝モノを飾るのもおすすめです。
写真のドウダンツツジはその中でも長持ちする枝モノです。小さくカットしても大丈夫ですが、大きく生けると場が涼し気に見えますよ。倒れやすいので、重さや安定感がある花瓶に生けて下さいね。
枝ものは縦に割ると水の吸い上げが良くなります。
細ければ一字、太ければ十字に割りましょう。
太かったり固くて割れない場合は周りの皮をナイフなどで削ぎます。
ドウダンツツジはどこをカットしても大丈夫です。
枝ごとにカットしても大丈夫ですよ。全体の長さの半分より下の枝や葉は落とした方が生けやすいです。葉が花瓶の水につくと腐る原因になるので、水につく部分の葉も取り除きましょう。
夏のお花を長持ちさせるポイントは、水を清潔に保つことと花選びです。少し手間はかかりますが、瑞々しいお花や花瓶の水を見ているとスッとした気分になりますよ。今年の夏は長持ちするお気に入りのお花を見つけてみませんか?
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