ハコベ|花の時期や特徴、種類と似た花との見分け方
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春の七草でも有名なハコベは小さくて可憐な花を咲かせる野草。花の時期や特徴、名前の由来、漢字、たくさんある種類と似た花との見分け方を紹介します。
目次
ハコベとは|花の時期や特徴

- 学名:Stellaria
- 科名:ナデシコ科ハコベ属
- 分類:越年性一年草
ハコベは日本のどこでも見られる越年性一年草です。春の七草としても有名な野草。地面に平たく這うように葉茎を伸ばし、生長していきます。明るいグリーンの柔らかい茎に小さなたまご型の葉を対生させ、先端にこれまた小さな白い花を咲かせます。
越年草とは秋のうちに芽吹き、そのまま越冬して春に生長するサイクルの植物のことです。ハコベは寒い冬の間もひっそりと、明るいグリーンの新芽を出して春を待っています。
ハコベの花の時期や特徴

花の時期は、2月~5月くらいです。陽射しが春らしさを帯び始め、木の上では梅の花がほころび出した頃、ハコベの花は咲き始めます。地面を這うように生長するのでうっかり見逃しがちですが、道端、花壇の隅、畑の畔など、あらゆるところで見かけます。
花の特徴
ハコベの花はとても小さく、直径5mm程度、色は白、花びらは5枚です。学名 Stellaria(ステラリア)は、星という意味です。5枚の花びらを星形に咲かせます。
一番の特徴は花びらのフォルムです。花びらは深く切れ込みが入ったウサギの耳のような形状をしています。このため一見花びらが10枚あるかのように見えますが、実のところは5枚です。
花が咲く時間
ハコベの花は日が当たると開き、日が陰ると閉じてしまいます。曇りや雨の日もあまり開きません。建物の陰になってしまう時間も閉じています。花を見たいと思ったら、天気の良い日に出かけましょう。日当たりの良い道端や空地、駐車場、河原など、あらゆるところで咲いています。
ハコベの種

ハコベの実は、つぼみなのか実なのかちょっと判別しづらいフォルムをしています。顔を近づけてよく観察して、先端に白い花びらの先がちょっとだけ出ていたら、それはつぼみです。先端からちょっとだけグリーンが見えたら実で間違いないでしょう。この中に小さな種がたくさん詰まっています。
実は熟すと弾けて、種が周囲に飛び散ります。少し離れたところに着地した種は、そこから発芽してまた生長していきます。いつのまにかハコベが群生しているのは、この種バラまき作戦によるようです。花も種もとても小さな植物ですが、たくましく子孫を残すための戦略をもっています。
ハコベとハコベラの違いは?
ハコベとハコベラの違いは、古い名前か新しい名前かの差です。ハコベの古い名前がハコベラです。ハクベラが転じて、ハコベラになったともいわれています。古くは万葉集に波久倍良(ハクベラ)という名前で登場しています。
つまりハコベとハコベラは同一植物を指す言葉でした。どういう経緯で「ラ」が無くなってしまったのかはわかりません。
ハコベを漢字で書くと?
ハコベにはたくさんの漢字が当てられています。古くは「ハコベラ」「ハクベラ」と呼ばれていました。ハコベの漢字での書き方を集めました。
繁縷(ハンロウ、ハンル)
ハコベの中国名です。日本語では、ハンロウ、あるいはハンルと読みます。ハコベの漢字というとこの字が当てられることが多いようです。
波久倍良(ハクベラ)
万葉集にこの漢字で登場しました。
鵞腸菜(ハコベ)
江戸時代の百科事典にこの漢字での表記が残っているそうです。
葉細群(ハコメラ)
ハコベラの語源となったといわれていますが、諸説あり定かではありません。
春の七草のハコベ
春の七草として親しまれているのはコハコベです。ホトケノザのように同じ名前の違う植物というようなことはありません。春の七草のハコベは、ナデシコ科ハコベ属のハコベです。
コハコベは柔らかく食べやすいので、春の七草として親しまれているのはコハコベですが、ミドリハコベやウシハコベでも間違いではありません。ウシハコベは草丈も大きく食べがいがありそうですが、硬くてあまりおいしくないそうです。
ハコベの食べ方
ハコベの食べ方は、よく知られている七草粥の他、お浸しや胡麻和え、さらにお味噌汁などがあります。軽く茹でたハコベはシャキシャキとした歯ごたえを楽しめます。
インコもハコベが好き?

ハコベとインコには意外な関係があります。ハコベはインコの好物です。インコに限らず、小鳥やニワトリもハコベを食べます。インコにハコベを与えると葉や茎をついばんで食べます。
自宅のインコにあげてみようかな、という方は似た植物と間違えないように注意してください。
ハコベの英名も小鳥
ハコベの英名も小鳥に関係ありました。
- 英名:chickweed
chickはひよこ、weedは草ですから、ひよこ草という意味です。海外でも小鳥がハコベを好むのでしょう。かわいらしい名前です。
ハコベの種類と似た花を紹介

ハコベの種類
ハコベの種類を紹介します。この中でも日頃からハコベと呼ばれ親しまれているのは、コハコベ、ミドリハコベ、ウシハコベの3種です。
コハコベ
- 学名:Stellaria media
春の七草のハコベとしても有名なハコベの代表種。花も葉も小ぶりで草丈も低く、地面を這うように伸びていきます。茎がほんの少し紫がかっているのも見分けるポイントです。
ミドリハコベ
- 学名:Stellaria neglecta
コハコベより少しだけ大きく、葉も茎も全体的に緑色をしています。花径は6~8mm、草丈低く地面を這うように伸びていきます。
ウシハコベ
- 学名:Stellaria aquatica
コハコベやミドリハコベより大型のハコベです。茎に赤味があるものもあります。放っておくと草丈50㎝ほどまで大きくなることもあります。
サワハコベ
- 学名:Stellaria diversifolia
街中よりも山野に自生しているハコベです。湿地を好みます。
ヤマハコベ
- 学名:Stellaria uchiyamana
山野に自生しているハコベです。主に西日本に多く分布しています。
ミヤマハコベ
- 学名:Stellaria sessiliflora
山野に自生しているハコベです。北海道などでも見かけます。
ハコベに似た花との見分け方
ハコベに似ていて、間違われやすい植物の特徴を紹介します。見分けるときの参考にしてください。
オランダミミナグサ

- 学名:Cerastium fontanum
オランダミミナグサはハコベと同じく星形の白い花を咲かせます。違いは、地面をほふくすることなく、立ち上がって上に向かって伸びるところです。さらに葉茎に産毛のような細かい毛があり、これをネズミの耳に見立てたことから、ミミナグサ(耳菜草)と名付けられたといわれています。茎が上に立ち上がっている点、細かい毛の有無で見分けられます。
ツメクサ
- 学名:Sagina japonica
道端や空地、駐車場などいろんな場所に生えています。地面をほふくするように茎を伸ばしていく草姿がハコベに似ています。ハコベと同じように白い星形の花を咲かせますが、花びらの先が裂けていないので見分けが付きます。さらに葉や茎に光沢があります。
ワチガイソウ
- 学名:Pseudostellaria
ワチガイソウは街中よりも山野で見られる植物です。ハコベと同じように星形の白い花を咲かせます。草丈は低く5~15㎝程度ですが、ハコベのように茎がほふくせずに立ち上がり、ふわっと広がるように咲きます。
普段何気なく歩いているような道や、自宅の花壇の隅、時には鉢の中にまで生えてくるハコベ。春に小さな星形の花を咲かせるかわいらしい植物です。ハコベの魅力を知って、もっと身近な野花を楽しみましょう。
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