八重揚羽(ヤエアゲハ)|華やかな遅咲きの梅(ウメ)
戸松敦子
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八重揚羽(ヤエアゲハ)
トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「八重揚羽(ヤエアゲハ)」。梅は初春のまだ寒い時期に花が咲くイメージがありますが、八重揚羽は、3月~4月頃に開花する華やかな遅咲きの梅です。
梅は中国原産のバラ科の落葉小高木で、日本にはかなり古い時代に渡って来たと言われています。開花は2月~3月頃で、品種や地域によってばらつきがあります。花には甘い芳香があり、形は一重咲きや八重咲き、色は赤、白、ピンクなどさまざまです。梅は、観賞用の花梅(はなうめ)と、食用の実梅(みうめ)があります。
花、香り、実を楽しめる、春を告げる花木として広く親しまれ、古くから庭や公園などに植えられてきました。本来は樹高10mにもなるのですが、剪定して3~5mくらいで管理されている姿をよく見かけます。現代の花見と言えば桜ですよね。でも、昔の花見は梅が主流だったそうですよ。梅の美しさを見れば、それも納得できます。
各地に梅の名所があるので、梅を見に出かけた方も多いのではないですか。私も今年、梅園や公園など様々な場所で色々な種類の梅を見ました。どれも美しくそれぞれ印象深かったのですが、中でも一番華やかだと思ったのは八重揚羽です。
八重揚羽は、八重咲きの大輪でとても豪華。花径は3~4㎝ほどあり、そのかわいらしさが目を引きます。初春から咲いていた梅が散り始めた頃に咲き始めるので、今年は梅を見逃してしまった!と思う頃に咲いています。
梅は、花の特徴や木の性質などから野梅系・緋梅系・豊後系に分けられます。八重揚羽は豊後系(ぶんごけい)に入るのですが、豊後系は梅と杏(アンズ)との雑種で、杏に似て花は桃色で大輪のものが多く、遅咲きの特徴があります。花の香りは控えめ、樹勢剛健で枝が太りやすく、葉は丸葉で大きくて表面に毛があります。(梅は葉が出る前に花が咲くので、写真には葉が写っていません。)
梅の観賞の楽しみは、花、香りのほかに、枝ぶりもありますよね。八重揚羽のラブリーな花からイメージできないようなかっこいい枝ぶり。中心の幹が太く力強くうねりながら空に向かって伸びていて、ものすごい生命力を感じました。庭木として育てるのであれば、自分好みの樹形に育てる楽しみも出てきますね。
皆さんのお近くにも八重揚羽は咲いていますか?とても華やかで可愛らしく、見ると気持ちがふんわり明るくなります。幹や枝からは強いパワーももらえそうです。ぜひ探してみてくださいね。
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