誰のものでもない草花…野草・雑草図鑑~都市近郊編
LOVEGREEN編集部
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夏の野草・雑草
季節は夏。うっそうと茂る緑の中で、やたらと生き生き元気に生育している。そんな雑草といわれる夏の草花たちです。
ヒルガオ
別名 | アメフリバナ |
科 属名 | ヒルガオ科ヒルガオ属 |
学名 | Calystegia japonica |
英名 | False bindweed |
原産地 | 日本、中国、韓国の温帯地域 |
分布(日本) | 北海道~九州 |
植物分類 | 多年草 |
草丈 | つる性 |
朝方に咲く朝顔に対して、日中に花が咲くことからヒルガオと名付けられたとされています。
ちなみに、夕方に開いて翌日の午前中にはしぼむユウガオも有名です。
朝顔は一年草ですが、ヒルガオは地下茎が地中に伸びる多年草です。お庭の花や木に絡みつくように伸びる力強い雑草です。
ヒルガオ科の植物はお花だけでなく、野菜にもあります。サツマイモや空芯菜が同じヒルガオ科の植物ですが、葉を見るとヒルガオの葉とよく似ているので観察してみてください。
スベリヒユ
別名 | イハイヅル |
科 属名 | スベリヒユ科スベリヒユ属 |
学名 | Portulaca oleracea |
英名 | Common purslane |
原産地 | 世界各国 |
分布(日本) | 日本各地 |
植物分類 | 一年草 |
草丈 | 5~30㎝ |
スベリヒユの茎は、赤みを帯びていて、可愛らしい黄色い花をつける多肉植物の仲間です。
名前の由来も、葉が滑らかで茹でて食べるとぬめりがあることから「スベリヒユ」と名付けられたようです。
スベリヒユは、古くから世界中で薬草として使われていたそうです。
スベリヒユをさっと茹でて食べてみると、ぬめりと酸味のある爽やかなお浸しとしておいしくいただけます。
ブタクサ
別名 | クワモドキ、アンブロシア |
科 属名 | キク科ブタクサ属 |
学名 | Ambrosia artemisiifolia |
英名 | Ragweed |
原産地 | 北アメリカ |
分布(日本) | 日本各地 |
植物分類 | 一年草 |
草丈 | 30~150㎝ |
花粉症でお悩みの方はこの名前を聞くだけでも鼻がムズムズしてくるのではないでしょうか。
1961年に日本で初めて花粉症と確認されたブタクサは、アメリカからの帰化植物で、戦後アメリカ駐在軍が日本へ来た際に持ち込んだため、マッカーサーの置き土産と呼ばれるようになったそうです。なんというものを置いて行ってくれたのでしょうか…。
ブタクサといわれる名前の由来は英名の直訳からきています。英語の「豚の餌」という意味からきていて、豚しか食べないとか、豚にしか適さない荒地に生えるといった意味が含まれているようです。
ブタクサの幼少の頃の葉はヨモギに似ています。可愛らしい葉ですが、花粉症の元とあればなかなか好きになれない雑草ですね。
メヒシバ
別名 | メシバ |
科 属名 | イネ科メヒシバ属 |
学名 | Digitaria ciliaris |
英名 | Summergrass, Southern Crabgrass |
原産地 | 世界の熱帯から温帯 |
分布(日本) | 日本各地 |
植物分類 | 一年草 |
草丈 | 30~80㎝ |
生育場所を選ばない、4~10月中絶えず生育し、発芽し続けるオヒシバとともに厄介な雑草の一つです。
名前の由来は漢字で「雌日芝」と書きます。日向を好み、オヒシバ(雄日芝)と比べ繊細な印象からメヒシバという名が付けられたそうですが、オヒシバの雌株ではありません。
オヒシバ
確かにこうして見比べてみると、オヒシバの方が大胆な穂の印象ですね。
除草の対策としては、生育初期の1~3月に根ごと除草するのが一番です。なるべく穂をつける前に個体数を減らしましょう。根の部分に他の植物の生育を抑制する「アレロパシー」があります。
イネ科の中では栄養価が高いため古くから家畜用飼料として使用されてきました。
エノコログサ
別名 | ネコジャラシ |
科 属名 | イネ科エノコログサ属 |
学名 | Setaria viridis |
英名 | Green bristle grass, Green foxtail. |
原産地 | ユーラシア大陸 |
分布(日本) | 日本各地 |
植物分類 | 一年草 |
草丈 | 20~80㎝ |
子犬のしっぽに似たエノコログサを、子猫をあやす道具として使ったことがある方も多いのではないでしょうか。名前の由来も穂を犬の尾に見立てたもので、別名も「ネコジャラシ」といいます。
アワの祖先の野生種と考えられているため、穀物としての部類に入りますが、食用としては現在は使われておりません。
エノコログサの種子の生存期間が長いため、土の中にエノコログサのたくさんの子孫(種)が今か今かと出番を待っている状態に加え、根の部分に他の植物の生育を抑制する「アレロパシー」効果も持っているため他の草の進出も防ぐことができる素晴らし繁殖能力を持った植物です。
\次は秋の野草と雑草です/
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