家庭菜園「私だけの育苗」のすすめ | エディブルガーデン12月
古幡真恵
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家庭菜園の定番!春夏野菜の育苗
トマト・ミニトマト、ナス、キュウリなどの春夏野菜の育苗の方法やタイミングを紹介します。
トマト・ミニトマトの育苗
トマトやミニトマトの育苗は難しいかなと敬遠していたのですが、ちょっと根を傷付けたくらいでは枯れないほど強健でした。
種まき時期
関東など一般地では3月上旬ごろから、暖地では2月中旬ごろから、寒冷地では3月下旬ごろから種まきのシーズンに入ります。
トマトやミニトマトは、日本などの温帯地では冬に枯れる一年草ですが、原産地では多年草として生育しています。
発芽適温
20〜30℃です。
置き場所によっても温度が異なるので、地温計を使って管理した方がよいでしょう。
生育適温
育苗のときに適した温度は昼間で25℃、夜間は16℃くらいを目安に管理します。
鉢上げ本葉枚数
本葉2~3枚くらいになるまでセルトレイで育てます。
日光と温度の違いで、かなり生育のスピードに差が出ます。
育苗完成本葉枚数
本葉6~8枚第一花房形成時までポリポットで管理します。
引き続き日光や温度に注意し、肥料が入っていない場合は定期的に液肥を与えて大きく育てます。
夜に水を与えると、節間が徒長した軟弱な苗になるので、基本的に水やりは午前中行います。土が乾燥しがちな季節は、苗が干からびてしまわないように朝と夕方2回のタイミングで水を与えましょう。
育苗期間
トマト・ミニトマトは発芽適温、生育適温の環境で育てると、だいたい60日前後で育苗が完了します。
育苗初心者のうちは育苗期間など気にせず、とにかく目標とする本葉の枚数までポリポットで育てましょう。
そのほかの春夏野菜の育苗
トマト・ミニトマトには及びませんが、ナスやキュウリも多くの品種の種がホームセンターや園芸店で手に入ります。
ナスの育苗
・種まき時期:一般地では2月中旬から、暖地では2月上旬から、寒冷地では3月から。
・発芽適温:20〜30℃
・生育適温(昼/夜):28~30℃/18~20℃
・鉢上げ本葉枚数:本葉2~3枚
・育苗完成本葉枚数:本葉6~8枚第一花房形成時
・育苗期間:80~90日 ほど
キュウリの育苗
・種まき時期:一般地では4月中旬から、暖地では4月上旬から、寒冷地では5月から。
・発芽適温:25〜30℃
・生育適温(昼/夜):28~30℃/18~20℃
・育苗完成本葉枚数:本葉3~4枚
・育苗期間:30日ほど
※あくまで目安です。育てる品種の生育条件を確認しましょう。
育苗に失敗!? そんなの全然大丈夫!
野菜を育てて収穫することは自然の恵みなので、そもそも家庭菜園には失敗も成功もないものだと思っているのですが、せっかく種をまいたのに芽が出なかったら悲しくなりますよね。
次回育苗に挑戦するときのために、どうして芽が出なかったのか、どうして苗が大きく育たなかったのか、その原因について考えてみましょう。
育苗に失敗した理由
育てる野菜の種の性質によって差はありますが、発芽に必要なのは「水・温度・光」です。
セルトレイで発芽しなかった理由
特に冬から春の苗作りには、発芽に必要な温度が不足がちです。もう一度種まきに挑戦するときには、温度計を用意して温度に注意してみましょう。
どうしても温度が低い環境でしか育てられないときは、育苗機などアシストしてくれるグッズを使用するか、夏に種をまくキャベツなどの秋冬野菜の育苗にチャレンジしてみましょう。
ポリポットで苗が大きく育たなかった原因
使った土の種類をもう一度確認しましょう。
肥料の入っていない種まき用の土で育てたという場合、定期的に液肥などで栄養分を補いましたか?
また、ヒョロヒョロと間延びしたように生長したという方は、日中太陽の光に十分当てていましたか?
水を与え過ぎて一日中苗が水に浸かっていませんでしたか?
植物を育てるにあたって水やり3年とか、10年などといいますが、育苗でも適量の水やりって重要です。次に育てるときは、午前中にポリポットの底から水が出てくるほど与えて、受け皿などに水をためない状態で管理します。夏の育苗なら、朝晩の水やりは必須ですが、冬から春の育苗は夕方の水やりは不要の場合も多いです。
やり直せるのが育苗のよいところ
発芽適温なら数日で発芽するところ、温度が足りない環境ではかなり日数がかかってしまいます。なかなか発芽しないときは、別のセルトレイにもう一度種をまいてみましょう。
たまに「このタイミングで発芽!? 」と遅れて発芽する嬉しいサプライズもあるので、私は失敗したと思うセルトレイも一緒にそのまま発芽するのを待ちます。万が一発芽したら儲けものですからね(笑)私が、100穴以上もあるセルトレイをカットして使うのはそのためです。
それでも、どうしても発芽しないときがあります。私はそれを「相性」と考えています。育て方が簡単だろうとなかろうと、その人に合う植物って絶対あると思うからです。
種からの育て方がどうも苦手という野菜でも、苗からなら大丈夫っていう方は、無理せず春から園芸店に並ぶ野菜の苗を心待ちにしましょう。
そして、また来年挑戦してみて、家庭菜園のスキルアップを楽しんでくださいね。
\種を取り寄せて育てたくなる魅力的な野菜たちって?/
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