ケイトウ(鶏頭)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- ケイトウ(鶏頭)
- 学名
Celosia
- 英名
- Cockscomb
- 和名
- 鶏頭
- 科名
- ヒユ科
- 属名
- ケイトウ(セロシア)属
- 原産地
- アジア、アフリカ、アメリカの熱帯域
ケイトウ(鶏頭)の特徴
ケイトウ(鶏頭)は、ニワトリのトサカに似た赤い花を咲かせることからその名が付けられた一年草です。原産地では多年草ですが、日本の気候では花後に枯れてしまうので一年草として扱われています。
トサカケイトウや久留米ケイトウのようにうねうねとした形状の花はケイトウ(鶏頭)ならではで、本来は一か所しかない花の生長点が帯状にひろがったことで生まれた形だと言われています。これは「石化(せっか)」と呼ばれる突然変異によるものだそうです。ケイトウ(鶏頭)はこの石化が珍重され、遺伝的に固定されるようになりました。現代も石化を強調した品種改良が盛んに行われており、細かいひだの入った20cm以上にもなる大輪のケイトウ(鶏頭)などが生み出されています。
他にも筆を逆さにしたような形状の花穂を持つ羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)や、花穂がキャンドルのように咲くノゲイトウ(野鶏頭)などの種類があります。
ケイトウ(鶏頭)の詳細情報
園芸分類 | 草花 |
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草丈・樹高 | 10~200cm程度 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 赤、黄、オレンジ、ピンク、グリーン、アンティークカラーなど |
開花時期 | 7月~11月頃 |
ケイトウ(鶏頭)の種類

羽毛ケイトウ(フサゲイトウ)
円錐形の花穂が羽毛のように柔らかく、ふさふさとしています。

ノゲイトウ(セロシア)
茎の先が枝分かれして、キャンドルのような花穂がつきます。

トサカケイトウ
小さな花が密生して鶏のトサカのような花房をつけます。花房は平べったい形をしています。

久留米ケイトウ
トサカケイトウを切り花用に品種改良したもの。花房が球状をしています。

セロシア’ヴィンテージ’
花穂がピンクベージュで、茎や葉まで全てがアンティークな色合いをしています。
ケイトウ(鶏頭)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
開花 |
ケイトウ(鶏頭)の栽培環境
日当たり・置き場所
ケイトウ(鶏頭)は、日当たりと水はけの良い場所を好みます。
用土
地植えの場合、事前に植える場所を耕して腐葉土などを混ぜ込んでおきましょう。
市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
ケイトウ(鶏頭)の育て方のポイント
水やり
ケイトウ(鶏頭)は、乾燥すると葉が萎れたように下がってきます。土の表面が乾いたら株元にたっぷり水やりをしましょう。夏は水切れと蒸れに注意して、早朝の涼しい時間か夕方に水やりします。
肥料
肥料はそれほど必要としません。
地植えの場合はほとんど不要です。鉢植えの場合は、植え付けのときに元肥入りの培養土を使えばその後はそれほど肥料を与えなくても育ちます。窒素成分の多い肥料を多く与えてしまうと、茎葉がよく茂り、花があまり咲かないことがあります。
病害虫
目立った病害虫の被害はありません。
ケイトウ(鶏頭)の詳しい育て方
選び方
茎がしっかりとしていて、咲いたばかりの花やこれから咲く花がたくさんついている株を選びましょう。花が咲ききっていたり、下葉が枯れていたり、株がぐらついているような苗はおすすめしません。
種まき
熱帯原産のケイトウ(鶏頭)は25℃以上になってから発芽するため、暖かくなるのを待ってから種をまきましょう。生育が早いので夏場にまいても間に合います。ケイトウ(鶏頭)は嫌光性の性質があります。種は光を嫌うので、必ず種が隠れるくらいまで土をかぶせましょう。
嫌光性とは・・・発芽するのに光を遮る必要がある→種に土をかけて種から光を遮ります。
植え付け
ケイトウ(鶏頭)は品種によってサイズが大きく異なります。
矮小種なら15cm間隔、大型に育つものは25cm間隔で植え付けます。一年草なので植え替えの必要はありません。直根性で移植を嫌う植物です。植え付けの際は、根を触らないようにしましょう。
直根性とは・・・
根が地中深く枝分かれすることなく、まっすぐに伸びていく性質のこと。
地中深く伸びた後に分岐するものもありますが、基本的には太い根が下に伸びていきます。そのため直根性の植物は、太い根を少しでも傷めてしまうと植物のダメージが大きく、うまく根付きません。
剪定・切り戻し
隣の株と重なり合ったところが蒸れやすいので、蒸れて傷んた葉を見つけたらカットし、風通し良く育てましょう。
植え替え・鉢替え
ケイトウ(鶏頭)は根をいじられることが嫌いです。1度植えてからなるべく植え替えなくて済むように、植える場所や植える鉢をよく考えてから植え付けましょう。
花
ケイトウ(鶏頭)の花は長期間、次々と開花します。花色があせて美しくなくなったらカットしましょう。下の脇芽から次の花が出てくるので、その上でカットして次の花を咲かせるようにします。
収穫
ケイトウ(鶏頭)の花は生花としても利用できます。発色がよく、乾燥しても色が変化しにくいので、ドライフラワーにもできます。
夏越し
初夏から植えたケイトウ(鶏頭)は、真夏に丈を切り戻すと秋にたくさんの花を咲かせます。
夏には台風などで強風の日もあるので、草丈の高いものは支柱を立てて風で倒れないような対策が必要です。
冬越し
ケイトウ(鶏頭)は初夏から秋までの一年草のため、冬越しの作業はありません。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
花の後に種を採って増やします。ケイトウ(鶏頭)は性質が強いため、こぼれ種で発芽することもあります。