フヨウ(芙蓉)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- フヨウ(芙蓉)
- 学名
Hibiscus mutabilis
- 英名
- Cotton rosemallow
- 和名
- 芙蓉
- 科名
- アオイ科
- 属名
- フヨウ属
- 原産地
- アフリカ
フヨウ(芙蓉)の特徴
フヨウ(芙蓉)は、アオイ科の落葉低木。夏に大輪の華やかな花を枝一面に咲かせ、夏の花の代表のような存在です。10~15cm程度の大輪の花が8月~10月に開花します。フヨウ(芙蓉)のひとつひとつの花は一日花で、朝に開花し夕方にはしぼみますが、夏から秋までたくさんの花が次から次へと開花します。
花とともに目立つのが手のひらのような形の大きな葉です。葉の色は明るい緑色、樹形は放射状に株立ち状に伸びやかに広がるため、柔らかな雰囲気です。
フヨウ(芙蓉)の詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 2~3m |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
花色 | ピンク、白 |
開花時期 | 8月~10月 |
フヨウ(芙蓉)の種類
スイフヨウ(酔芙蓉)
八重咲きの園芸品種。朝は白、午後になるにつれてピンクに変化する花色がお酒に酔った人のようであることから酔芙蓉と名付けられた。
フヨウ(芙蓉)とムクゲ(木槿)の見分け方
ムクゲ
見た目がとても似ている同じアオイ科のフヨウ(芙蓉)とムクゲ(木槿)。一番簡単な見分け方は葉の形です。
ムクゲ(木槿)の葉の大きさは、小さめで形は鋸歯で切れ込みが入っています。一方、フヨウ(芙蓉)は、大きな葉で手のひらのような形をしています。
また、開花が始まる時期も違い、ムクゲ(木槿)は梅雨の頃から開花しますが、フヨウ(芙蓉)の花は梅雨明け後、早くても7月下旬、盛りは8月以降です。
フヨウ(芙蓉)とアメリカフヨウの違い
アメリカフヨウ Hibiscus moscheutos
アメリカフヨウは草丈1~1.5mに生長し、7月~9月に大輪の花が開花します。フヨウ(芙蓉)と花は似ていますが、フヨウ(芙蓉)は木本、アメリカフヨウは草本の宿根草です。別名、草芙蓉(クサフヨウ)とも呼ばれます。
フヨウ(芙蓉)の花言葉
フヨウ(芙蓉)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
剪定 | ||||||||||||
開花 |
フヨウ(芙蓉)の栽培環境
日当たり・置き場所
フヨウ(芙蓉)は、日当たりが良い場所での栽培が適しています。
用土
フヨウ(芙蓉)は生長が旺盛なので地植え栽培向きです。特に土質は選びませんが、極端な乾燥は嫌います。ある程度保水力のある土の方が旺盛に育ちます。
フヨウ(芙蓉)の育て方のポイント
水やり
地植えは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。乾燥が続いた時にはたっぷりと与えるようにしましょう。
鉢植えは、鉢の表面の土が乾いたら、たっぷりと水やりを行います。
肥料
冬場に寒肥として緩効性肥料か油かすなどの有機肥料を与えます。また、開花前の7月頃に緩効性肥料を少量与えると花つきが良くなります。
病害虫
フヨウ(芙蓉)で発生しやすい害虫はハマキムシ、カミキリムシです。いずれもフヨウ(芙蓉)を枯らすことはほとんどないですが、樹勢が弱まり花数が減るので見つけ次第駆除するようにしましょう。
フヨウ(芙蓉)の詳しい育て方
選び方
枝ぶりが美しく、葉の色がきれいな苗木を選びましょう。
植え付け
3月~5月が植え付け適時です。日当たりが良く冬の冷たい風の通り道でない場所に植え付けましょう。
枝を横に広げながら株立ち状に生長するため、隣の植物との間は広く取りましょう。
根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。
植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。
剪定・切り戻し
フヨウ(芙蓉)は、春に伸びた枝に花芽を作る新枝咲きです。
剪定の適期は、葉が落ちた後の11月~2月です。高さを抑えたい場合は短く刈り込み、それ以外は混みあった部分の枝を抜いて枝数を抑えます。
花
フヨウ(芙蓉)の花は、8月~10月に開花します。ひとつひとつの花は一日花です。
花の後に実る果実も観賞価値があり、立ち枯れた状態は枯芙蓉(カレフヨウ)という言葉で冬の季語となっています。
収穫
果実はドライフラワーとして楽しむことができ、流通もしています。
冬越し
温暖地では落葉中に混みあった枝を間引き剪定をする程度で、特別な冬越し対策の必要はありません。
フヨウ(芙蓉)は寒さにはさほど強くないため、冬の寒さが極端に厳しい地域での地植えは不向きです。地植えが可能な寒冷地でも寒さに当たると枝が枯れこむため、落葉したら地際10~15cm程度で切り戻し、株元をワラや落ち葉などで覆い防寒対策をします。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
種まきと挿し木で簡単に増やすことができます。
春に挿し木を行う場合は前年度に伸びた枝を、夏や秋に挿し木を行う場合はその年に伸びた枝を用います。10~15cm程度に切って下側を斜めに鋭利な刃物で切り、清潔な用土に挿します。水枯れを起こさないように注意しながら管理すると約1か月程度で発根します。