ベニバナトチノキとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ベニバナトチノキ
- 学名
Aesculus carnea
- 英名
- Red horse-chestnut
- 和名
- 紅花栃の木
- 科名
- トチノキ科
- 属名
- トチノキ属
- 原産地
- 園芸品種
ベニバナトチノキの特徴
ベニバナトチノキは、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキ(マロニエ)と北アメリカ原産のアカバナアメリカトチノキの交雑によって作出された園芸品種です。
4月後半から5月にかけて、華やかな色の円錐花序の花が開花します。高さが10m以上になる高木にたくさんの花が開花するため、開花時はひときわ華やかな雰囲気です。比較的若いうちから花をつけるため、街路樹や公園樹として植栽されています。いくつか種類があり、赤みが強いものや濃いピンク系で花喉の部分が黄色の品種などがあります。街路樹として植栽されているのは、赤みが強く花つきの良いブリオッティという品種が多いようです。
5~7つに裂けた掌状の大きな葉も美しく、開花中の花と若葉の色合いや趣は見ごたえがあります。秋には黄葉した後、落葉します。
ベニバナトチノキの詳細情報
園芸分類 | 庭木、落葉 |
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草丈・樹高 | 10~15m |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 肉色、肉紅色、濃いピンク |
開花時期 | 4月~5月 |
ベニバナトチノキの花言葉
ベニバナトチノキとセイヨウトチノキ(マロニエ)との違い
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セイヨウトチノキは、フランス語名で「マロニエ」と呼ばれています。ベニバナトチノキは、ヨーロッパ原産のセイヨウトチノキと北アメリカ原産のアカバナアメリカトチノキの交雑によって作出された園芸品種なので、片親に当たりますが植物としては別種です。
ただし、実際は「マロニエ通り」「マロニエ広場」という名がつく場所には、ベニバナトチノキが植栽されていることが多いようです。両者の大きな違いは花の色です。ベニバナトチノキは華やかな色、セイヨウトチノキ(マロニエ)は白い花が咲くので、開花時ならば見分けるのは簡単です。
ベニバナトチノキの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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開花 | ||||||||||||
植え付け |
ベニバナトチノキの栽培環境
日当たり・置き場所
ベニバナトチノキは、日当たりの良い場所を好みます。半日陰でも育ちますが、花つきが悪くなります。
高木で大きく伸びやかに枝を広げて生長するため、地植えでの栽培が一般的です。大きくなった時のことを考慮して、広いスペースを確保しましょう。
用土
水はけが良く保水性もある肥沃な土を好みます。
ベニバナトチノキの育て方のポイント
水やり
植え付け後、根付いてからの水やりは基本的には降雨に任せて問題ありません。
肥料
自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても毎年開花します。
与える場合は、寒肥(1月~2月)と花後に緩効性肥料もしくは有機質肥料(園芸用として市販されている固形の油粕など)を木の枝の外周に沿って10cmほど穴を掘り、混ぜ込みましょう。
病害虫
クスサン
蛾の一種で幹などに卵を産み付け、春に孵化した幼虫が葉を食害します。
テッポウムシ
おもに茎や幹部分から中に入り、産卵します。中で孵化した幼虫は内側から茎や幹を食害します。周囲にフンや木くずが落ちていたら、発生している可能性が高いでしょう。
日ごろから幹や葉の状態をチェックして早期発見、対処を心がけましょう。
ベニバナトチノキの詳しい育て方
選び方
樹形のバランスが良く、しっかりした枝ぶりの苗木を選びましょう。
いくつかの品種が流通し、色幅があります。好みの色を調べてから購入するとよいでしょう。
植え付け
ベニバナトチノキの植え付けは、厳寒期を除いた落葉中に行います。枝を大きく広げて伸びやかに生長し、最終的には10m以上になる高木です。植え付け場所は、そのことを考慮して決めましょう。
根鉢のサイズの倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥(もしくは緩効性肥料)を土に混ぜ込んで植え付けましょう。
植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。支柱を添えるのもよいでしょう。
剪定・切り戻し
特に定期剪定は必要ありませんが、混み合った枝があるようなら、12月~2月の落葉期に剪定を行います。
花
4月~5月に開花します。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
接木で増やすのが一般的です。