椿(つばき)の育て方|植物図鑑

植物名
椿(つばき)
学名

Camellia japonica

英名
Camellia
和名
椿
別名・流通名
キャメリア
科名
ツバキ科
属名
ツバキ属
原産地
日本、台湾

椿(つばき)の特徴

椿(つばき)は日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。椿(つばき)は日本の書物、万葉集に記述があるほか、縄文時代の遺跡からも椿の種などが発見されており歴史の古い樹木です。常緑高木で照葉を一年中楽しめ、昔から盛んに園芸品種の作出が行われ、花色、花形、葉の形など多様な品種が栽培されています。特に花の少ない冬に見事な美しい花を咲かせることから、茶花(ちゃばな)の中でも格の高い花で「茶花の女王」とも称されます。また、その種子から採られる「椿油」は髪や肌に良いことから様々な化粧品に用いられています。椿(つばき)の木材は強度が高く質が均一であることから、印鑑や漆器、彫刻の材料として用いられており文化的にも重要な樹木の一つです。

椿(つばき)の詳細情報

園芸分類 庭木、常緑
草丈・樹高 5~20m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
耐陰性 強い
花色 赤、ピンク、白、複色、混色
開花時期 1~4月、11~12月

椿と神事

日本では古くから常緑の植物を神聖視する文化があります。例えば松は正月の門松として用いて年神の依代とされたり、榊は木の神という漢字でも表されているように、神事には欠かせない木です。椿も同様に常緑で冬でも青々と茂っていることから神社や寺に盛んに植えられているほか、邪を払う木として家の境に植えられたりします。

 

飛鳥時代から文明国でも愛された椿油

椿(つばき)から採取できる、椿油はオレイン酸を多く含んでおり、私たちの体になじみやすいことから整髪料や肌の保湿剤など様々な化粧品に配合されているほか、機械油や食用、医療用としても用いられています。椿(つばき)の原産は諸説ありますが、日本である説が最も有力で、飛鳥時代にはすでに椿油を生産していたようです。当時様々なものが流通していた文明の先進国である唐の隣国、渤海国からの使者が日本を去る際に海石榴油(椿油)を所望したという記述が続日本紀にみられるほか、遣唐使の献上品にも椿油があったとされています。椿油は当時の日本において重要な特産物だったのです。

椿(つばき)の育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
増やし方
剪定
肥料
開花

椿(つばき)の栽培環境

日当たり・置き場所

椿(つばき)は日当たりの悪い場所でも育てる事が出来ます。日向の場合は西日や直射日光の当たりすぎない場所で育て、日陰の場合は比較的明るい日陰で育てる事が適しています。

用土

椿(つばき)は水はけが良く、有機質の多い肥沃な弱酸性の土でよく育ちます。地植えの場合は腐葉土を混ぜ有機質の肥料や緩効性肥料を元肥として入れておきます。土が硬い場合、痩せた土地の場合は市販の培養土を3割~5割程度を混ぜ込んであげると良いでしょう。用土がアルカリ性に傾くと葉が黄色くなって落葉してしまい株が弱るので、コンクリートの近くには植えないようにしましょう。鉢植えの場合は中粒の赤玉土と中粒の鹿沼土、そして完熟腐葉土をそれぞれ等量混ぜたものを用います。

椿(つばき)の育て方のポイント

水やり

地植えにした椿(つばき)は、夏場の雨が少なく晴天が続く場合は水やりをします。日中に与えると温度の高い土の中で水の温度も上がったままになる為、根が傷み株が弱るので、日が落ちる夕方以降にたっぷりと水を与えます。鉢植えの場合も夏場は鉢の中の温度が上がりやすいので、夕方にたっぷり水を与えて温度を下げてあげると良いでしょう。また、冬場も乾燥する地域では土が乾いたら水をたっぷりと与えます。

肥料

椿(つばき)の肥料は、花が咲き終った後にお礼肥として緩効性肥料や油かすを与えます。花が咲き終わってから6月くらいまでは、来年の花芽が形成され、新芽が伸びてくる時期なのでお礼肥は重要です。与えすぎると根が傷みますので注意しましょう。また、同じ場所に毎回肥料を与えると肥料焼けを起こすので、特に油かすは場所を変えて与えると良いです。2月に寒肥としてカリウム分が多めの化成肥料を与えると開花で株が疲労するのを防いでくれます。

病害虫

椿(つばき)にはチャドクガというガの幼虫が花後と夏場に発生します。葉の裏や新芽の部分に群がって葉を食害します。この幼虫や幼虫の死体や毛に少しでも触れると、痛痒い発疹が出てしまうので絶対に素手で触らないように注意しましょう。椿(つばき)の葉の裏に黄色い卵塊を見つけたら葉ごと切り取って処分します。また、幼虫を見つけた場合はピンセットなどで捕殺するか、枝ごと処分すると良いです。この時も肌の露出を極力抑えるようにし、発疹がでたら皮膚科を受診するようにしましょう。また、カイガラムシも椿(つばき)につきやすい害虫です。カイガラムシはすす病を誘発するので、5月~6月にかけてカイガラムシやチャドクガ、病気予防のために殺虫剤や殺菌剤を散布するようにします。
椿(つばき)の病気は開花時に花腐菌核病が発生し、花びらに茶色い斑紋がでて落ちてしまいます。花が落ちても菌は生きているので、花期中は下に落ちた花をこまめに処分するようにしましょう。また、すす病は見た目も悪くなり光合成も抑制されるので、原因であるカイガラムシを早めに駆除します。その他にも褐斑病やもち病、炭疽病などが出る場合がありますが、椿(つばき)は病気に強い植物ですが発生初期に罹患した葉や枝を取り除いて様子を見ましょう。
褐斑病:最初褐色の小さい斑点がぽつぽつできます。某気が進行すると、同心円状に斑点が広がっていきます。被害は下葉から発生しますが、新芽に感染するとさらに被害が大きくなってしまいます。
もち病:ツツジ類、ツバキ類だけに発生する担子菌に属すカビです。発生時期は春から秋、雨が続いて日当たりが少ないと発生します。若い葉が餅のように肉厚になり、球状に膨れてきます。表面はつやのある薄い緑色をしています。日が当たると薄赤く変色します。病気が進むと、モチ状になっている表面は白いかびに覆われて、その後つぶれたように干からび落葉してしまいます。
炭疽病:炭疽病(たんそびょう)は、カビが原因となっておこる病気のこと。様々な野菜や植物の葉や果実に、黒や灰色のカビの斑点が発生し、葉には穴が開き、果実は窪みます。広がってしまうと元に戻るのは難しいので、早期発見することがカギになります。

椿(つばき)の詳しい育て方

選び方

椿(つばき)の花が開花する、1月~2月が苗の購入の適期です。花の形や色合いなど、直接確認し自分の好みの品種を探しましょう。病害虫に侵されておらず、葉の色が濃くて艶のあるものを選びます。実生苗や挿し木1年生など小さな苗を購入する場合は、あまり花が咲いていないものを選び、極端に花数の多い株は株が弱っている可能性がありますので注意しましょう。目的の品種がある場合、接ぎ木苗を購入すると良いです。

種まき

椿(つばき)の種まきは種が成熟して黒くなる9月~10月に採りまきします。採りまきできない場合は湿らした川砂に種を入れ、冷蔵庫で保管し春にまくようにしましょう。赤玉土のみか赤玉土と鹿沼土を等量混ぜたものに種の3倍の深さの穴をあけて種をまき覆土します。椿(つばき)の発芽率は良くないので、少し多めにまいたり殻にペンチで少しだけひびを入れておくと良いです。発芽後は1本ずつ分けて植え替えます。この時、根を半分程度切ってから植えると側根が伸びやすくなり、強い苗に育ちます。

植え付け

椿(つばき)の植え付けは、花後の3月~4月、または花芽が固まった9月~10月が適期です。椿(つばき)は地植えの場合は根鉢の倍の幅の穴を掘り、土を調整した後に根鉢を崩さないように植え付けます。この時に深植えにならないように注意し、根鉢の表面が地面と同じ程度になるように調製します。水極めをしてしっかり植えた後は根が活着するまで支柱で支えてあげると良いでしょう。鉢植えにする場合はポットの大きさよりやや大きめの鉢に植え付けます。目安としては1~2号ほど大きいサイズです。あまり大きすぎると株が弱る原因になります。鉢底には大粒の鹿沼土を敷き水はけを良くするとともに、酸性に傾けます。植え付けた後は1~2週間程度日陰で養生し、その後徐々に日に慣らしていきます。

剪定・切り戻し

椿(つばき)の樹形が乱れることはあまりないですが、枝が込み合ってたら、花が終わった後4月~6月に剪定を行います。剪定は懐枝や分岐している枝を間引くように分岐部分から切ってあげます。また、頂点も切り戻してあげると高さを抑えることができます。6月になると花芽の形成が始まりますので、花後できるだけ速やかに剪定してあげると花数が落ちません。強剪定は株を弱らせますので、毎年少しずつ形を整えていくようにしましょう。切った枝は挿し木や挿し穂にすることができます。

植え替え・鉢替え

椿(つばき)の植え替えと鉢替えは、春の場合は3~4月、秋の場合は9月中旬から10月中旬に行います。鉢底に緩効性肥料か有機肥料を元肥として腐葉土とまぜて入れておきます。弱酸性の土でよく育ちます。

椿(つばき)の開花時期は11~12月、2~4月に開花します。

夏越し

椿(つばき)は特別な夏越しの準備は必要はありません。

冬越し

椿(つばき)は特別な冬越しの準備は必要はありません。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

椿(つばき)は枝を挿し木にすることで同じ椿(つばき)を増やすことができます。適期は6~7月ですが、室内で管理すれば一年中、挿し木が可能です。その年に伸びた若い枝を10~20cm程度に切り、大きな葉は蒸散を防ぐために半分に切り取ります。鉢に小玉の赤玉土を入れ十分に給水させた後、枝を水揚げして挿します。その後、鉢ごとにビニール袋などで包んで数か所空気穴をあけて湿度を保ちながら明るい場所で管理します。また、枝を切らずに発根させる「取り木」もできます。枝の樹皮を2cm程度はぎとり、水を吸わせたミズゴケでその部分を包み込みビニール袋で密閉します。乾かないように管理するとミズゴケから根がのぞきますので、株から切り取って土に植えてあげましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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