パクチー(コリアンダー)の育て方|植物図鑑
- 植物名
- パクチー(コリアンダー)
- 学名
Coriandrum sativum
- 英名
- Coriander
- 別名・流通名
- 香菜(シァンツァイ)
- 科名
- セリ科
- 属名
- コエンドロ属
- 原産地
- 地中海沿岸
パクチー(コリアンダー)の特徴
パクチー(コリアンダー)は、世界的には歴史が古く、そのころからパクチー(コリアンダー)の薬用効能があると言われていたそうです。春か秋に種まきをして、葉が育ってきたら収穫します。夏の日差しを浴びすぎると、花が咲き、葉が硬くなるので、寒冷地以外では秋まきの方が向いています。土をあまり乾燥させすぎないように気をつけます。ちなみに、「パクチー」はタイ語での呼び名です。英名だと「コリアンダー」です。
パクチー(コリアンダー)の詳細情報
園芸分類 | ハーブ |
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草丈・樹高 | 40~60cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
花色 | 白 |
開花時期 | 5月~6月 |
パクチー(コリアンダー)名前の由来
パクチー(コリアンダー)は特有の香りを持つセリ科一年草で、主な原産地は中東、地中海沿岸、北アフリカ、南西アジアなどです。
コリアンダーという名前の由来は、ギリシャ語で虫を意味する「Koris」からきました。虫のような悪臭を持つというのがその由来です。パクチー(コリアンダー)のことを「カメムシの匂い」という人がいますが、昔から世界的に「虫の匂い」だと思われていたようです。
パクチー(コリアンダー)の使い方
収穫したパクチー(コリアンダー)の葉っぱを刻んでサラダやスープ、お肉やお魚料理にトッピングしたり、刻んだパクチー(コリアンダー)の葉とみじん切りのニンニク、レモン、塩、オリーブオイルで野菜を和えるだけでもおいしいマリネになります。ここにパプリカパウダーを加えると、突然中東の味になります。
パクチー(コリアンダー)は、根っこも美味しいハーブです。捨てずに刻んでスープに入れると、しっかりした野菜のお出汁が取れます。種子は乾燥させて料理に使うことがほとんどですが、生で食べてもナッツのような風味があります。
パクチー(コリアンダー)の育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
開花 | ||||||||||||
収穫 |
パクチー(コリアンダー)の栽培環境
日当たり・置き場所
パクチー(コリアンダー)は日当たりを好みますが、多少の日陰でも育ちます。パクチー(コリアンダー)は水を好むので、土をあまり乾燥させないように気をつけて管理しましょう。雨が当たって、葉などに泥がつくと病気にかかりやすくなります。土の表面にワラをしいておくと泥ハネが防げます。
温度
パクチー(コリアンダー)の発芽適温は17~20℃程度です。
用土
パクチー(コリアンダー)は蒸れに弱いので、水はけの良い土が適しています。
パクチー(コリアンダー)の育て方のポイント
水やり
水やりは表面の土が乾いたらたっぷり与えましょう。 ただ、与えすぎると根腐れの原因となりますので注意しましょう。鉢植え栽培のパクチー(コリアンダー)は土が乾きやすいので注意しましょう。
肥料
葉が黄色くなった頃が肥料の追肥のタイミングです。
病害虫
葉が大きくなると、ガの幼虫で夜に活動し、植物の葉や実を食べてしまうヨトウムシ(夜盗虫)やアブラムシの発生が見られる場合があります。
パクチー(コリアンダー)の詳しい育て方
選び方
パクチー(コリアンダー)は種から育てることができます。
パクチー(コリアンダー)を苗から育てる場合は、購入する際に株がしっかりしたもの、下葉が枯れていないものを選びましょう。
種まき
パクチー(コリアンダー)の発芽率を上げる方法
パクチー(コリアンダー)の種は殻の中に2つ種が入っている形状をしています。
パクチー(コリアンダー)の種袋の裏を見てみると「発芽率60%以上」と記載されていることが多く、一般的なハーブより発芽率が低めです。この発芽率の低さは、パクチー(コリアンダー)の種が硬い殻に覆われている形状が要因となっているようです。
そのため種の殻を軽く潰して数時間から一晩水につけてから種をまくと発芽率がよくなります。
パクチー(コリアンダー)の種のまき方は「すじまき」「点まき」「ばらまき」いずれかの方法でまきましょう。
また、パクチー(コリアンダー)の種は「好光性種子」のため、発芽に光を必要とします。種の上の覆土の必要はありません。
種をまき芽が出てきたら、風通しを良くするためと、土から吸い上げる栄養に偏りが出ないようにするために間引きをしてください。
植え付け
パクチー(コリアンダー)の苗を植えつける時、株が大きいと根付きにくいので、苗から育てる場合はできるだけ小さい苗を購入しましょう。パクチー(コリアンダー)は直根性で移植を嫌う植物です。ポット苗から植え付ける時は、根を触らないように植え付けます。
直根性とは
根っこが地中深く枝分かれすることなく、まっすぐに伸びていく性質のことをいいます。地中深く伸びた後に分岐するものもありますが、基本的には太い根が下に伸びていく性質をいいます。そのため直根性の植物は、太い根を少しでも痛めてしまうと植物のダメージが大きく、うまく根付きません。このことから植え替えの時に注意が必要な植物と言えます。
剪定・切り戻し
パクチー(コリアンダー)は葉が生長すると固くなって風味も落ちてきます。常に若い葉をたくさん収穫できるように、収穫も兼ねて適宜切り戻しを行いましょう。
植え替え・鉢替え
パクチー(コリアンダー)は直根性の根のため、植え替えを嫌います。できるだけ植え替えをしないようにしましょう。
花
パクチー(コリアンダー)の花は5~6月頃に白い花が開花します。花を咲かせると種をつけていくことにエネルギーを費やすため、種をつけないようにどんどん摘み取ると、新しい葉を出します。花もかわいいハーブなので、花を楽しむ株以外は花を咲かせないようにするとよいでしょう。
パクチー(コリアンダー)の花芽は注意していればすぐにわかります。通常のパクチー(コリアンダー)の葉とは違ったセリのような葉をつけ始めるからです。さらに花芽をつけた茎は、通常の葉を付けた茎よりも太くしっかりしています。このセリのような葉をつけた茎が、他を圧倒するように伸びてきたら要注意です。早めに摘み取るようにしましょう。こうすることによって、パクチー(コリアンダー)の香り良い葉を長く楽しむことができます。
収穫
パクチー(コリアンダー)は初夏から秋まで、葉が元気なうちは基本的にいつでも収穫ができます。
パクチー(コリアンダー)の葉は2つの収穫方法があります。
外葉収穫
パクチー(コリアンダー)の葉が20cm程の草丈になったら、外葉から摘み取ります。茎が固くなる前に収穫するのが、美味しさのポイントです。
パクチー(コリアンダー)は春夏だけでなく、秋冬も栽培することができます。特に春夏に種をまいたパクチーは、花芽が付きやすいので花芽ごと収穫しましょう。
株ごと収穫
株ごと収穫するときは、株間をとり、大きく育て、花が咲く前の状態で収穫します。
パクチー(コリアンダー)の種の収穫
パクチー(コリアンダー)の種を収穫したい場合は、花がらを摘まずにそのままにしておくと、実が膨らみ種になります。実が茶色く熟すまで育ててから収穫します。
夏越し
パクチー(コリアンダー)は、夏の日差しを浴びすぎると、花が咲き、葉が硬くなるので気を付けましょう。
冬越し
パクチー(コリアンダー)は耐寒性がありますが、ワラを敷いたり、バークチップなどをしいておくのがおすすめです。土が乾きにくくなり土の保温にもなります。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
パクチー(コリアンダー)は種で増やせます。