ザミオクルカスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ザミオクルカス
学名

Zamioculcas zamiifolia

英名
Zamioculcas、Zanzibar gem
科名
サトイモ科
属名
ザミオクルカス属
原産地
アフリカ東部

ザミオクルカスの特徴

お部屋のスタイルを選ばないシンプルな姿形から、近年人気の高まっている観葉植物です。

ツバキに似たつややかな葉をつけた枝(葉軸)を、地面からいきなり立ち上げるという独特かつ、アフリカ原産ならではの生命力を感じさせる植物です。

新芽の生え方がとてもユニーク。10~12枚の葉がつぼみのように閉じたまま伸びていき、いっせいに開きます。肉厚の葉には水分がたくわえられており、乾燥に強いのが特長。

水やりのしすぎは根腐れにつながるので、土が完全に乾いてから与えましょう。 直射日光に当てないというポイントさえ守れば育成も容易。日陰にもよく耐えます。

ザミオクルカスの詳細情報

園芸分類 観葉植物
草丈・樹高 ~1m程度
耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや強い
花色

サトイモ科の樹液

サトイモ科に分類されている植物の樹液にはシュウ酸カルシウムが含まれています。そのため、体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。過度に心配する必要はありませんが、剪定や植え替えをするときはゴム手袋などをすると安心できると思います。

また、小さいお子様やペットがいるご家庭では誤って口にしないよう手の届かない場所に置いておいた方が事故の防止に繋がります。

 

ザミオクルカスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
肥料
開花

ザミオクルカスの栽培環境

日当たり・置き場所

日光
ザミオクルカスは真夏の直射日光に弱いため半日陰で管理してください。
【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。
気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。
遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。
室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

低温に強いという訳ではないので、5℃以下にならない様に気をつけましょう。
ベランダ等で育てられている方は、外の気温が15℃ぐらいから室内に取り込んで下さい。
気温が15℃前後になると成長が緩慢になります。

用土

ザミオクルカス は水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。
そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。
自分でブレンドする場合は、観葉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。
また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

ザミオクルカスの育て方のポイント

水やり

ザミオクルカスは気温が低くなると休眠するので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。
【気温が15℃以上のとき】
主に春~秋の成長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が15℃以下のとき】
ザミオクルカスは気温が15℃前後を切ってくると成長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土が完全に乾燥してから水やりをしてください。
ザミオクルカスを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。
水やりの回数を減らしてザミオクルカスの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
ザミオクルカスは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

基本的に肥料は無くても良いのですが、与えた方が成長がはやくなります。
冬場の成長が緩慢になるときに肥料を与えてしまうと肥料焼けをする可能性があるので、春~秋の成長期に与えるようにします。
肥料の種類は適切な濃度に希釈した液肥を10日に1回与えるか、緩効性の置き肥を与えてください。
有機肥料ではなく、化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することができます。

病害虫

【ハダニ】
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

【アブラムシ】
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがザミオクルカスの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

【カイガラムシ】
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。
カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

【ナメクジ】
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。
外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。
大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。
少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

【ダンゴムシ】
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにザミオクルカスを置いている場合は注意が必要です。

【バッタ】
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。
割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

ザミオクルカスの詳しい育て方

選び方

ザミオクルカスを買う時は必ず病害虫に注意してください。
ハダニやアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ザミオクルカスが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。
「お金の成る木」という名でも小さい苗が販売されています。根元がしっかりしていて葉数が多く、ツヤのよい苗を選びましょう。

種まき

種はほとんど流通していませんが、株分けや葉挿しによって容易に増やすことができます。葉挿しは葉軸ごと植え付けるのが基本ですが、温暖な気候なら葉1枚から発根することもあります。

植え付け

植え付けは5月~6月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。
根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

剪定・切り戻し

ザミオクルカスは春~秋が成長期にあたるので、春~秋の間に剪定します。
古くなってきた葉や邪魔な葉などが、風通しを悪くしている場合は、思い切って剪定してしまうことをおすすめします。切れ味のいいハサミやナイフを使って剪定してください。
きれいに並んだ葉が特徴なので、葉軸にはできるだけハサミを入れません。
ザミオクルカスを始めとしたサトイモ科の樹液には人体にあまり良くない成分が含まれており、触れてしまうと体質によっては皮膚がかぶれてしまうことがあります。
そのため、グローブやゴム手袋などをして触れないようにしてください。また、触れてしまった場合は流水でよく流してください。
剪定した葉は花瓶などに生けたりすると、葉が美しいためインテリアとしても抜群の存在感を出してくれるのではないでしょうか。

植え替え・鉢替え

ザミオクルカスは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。
そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。
水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。
植え替え時期は5~6月頃が最適です。

夏越し

屋外で、気温が40℃以上になった場合は日陰に移動してください。30%~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。
水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。
午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が15℃以下になったら生長が緩慢になるので、水やりを土の表面が完全に乾燥してから2~3日後に行うようにしてください。
気温が5℃を切ると枯れてきてしまうので、切らないように15℃前後になったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。
ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ザミオクルカスは株分けや挿し木(葉挿し)で増やすことが出来ます。
株分けは植え替えの時に一緒に行うのがおすすめです。
挿し木は5~6月頃に葉を一枚、葉軸を残して小粒の赤玉土に植え込み、用土を常に湿っている状態にします。
発根したら植え替えに使う水はけの良い土に植え込みます。

病害虫の駆除

ハダニアブラムシナメクジカイガラムシダンゴムシはLOVEGREEN内の記事で詳しく紹介されているのでご覧ください!

バッタは見つけ次第割りばしなどを使い捕殺するか、防虫ネットをお使いください。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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