記事カテゴリ

Special

フジバカマ|花の時期や特徴、アサギマダラが集まる理由

フジバカマについて、花の特徴や咲く季節、葉の特徴と香り、アサギマダラが集まる理由、似た花など、詳しく紹介します。

目次

フジバカマの特徴

フジバカマの特徴

  • 学名:Eupatorium japonicum , Eupatorium fortunei
  • 科名・属名:キク科ヒヨドリバナ属
  • 分類:多年草

フジバカマとは、中国原産のキク科ヒヨドリバナ属の多年草です。遠い昔に薬草として大陸から渡ってきたものが、日本で野生化した帰化植物だと考えられています。花の色は、藤色というよりも淡いピンクから白。つぼみの時は淡いピンクの粒がギュッと詰まったような見た目で、開花すると小さな花びらが広がって、白い花火のように見えます。

フジバカマの名前の由来

フジバカマという名前の由来は、日本に伝わる伝説が元となっているという説があります。

秋の野に、薄紫色の袴を身に着けた美しい少女が悲し気に佇んでいました。人々は少女の様子が気になりましたが、あまりの美しさと神々しさに誰も声をかけることができませんでした。気になった村人が翌朝様子を見に行くと、その少女が立っていた場所から、少女の袴と同じ薄紫色の花が咲いていたそうです。人々はあの少女が花に姿を変えたのではないかと噂し、以来この花は、少女の袴の色に因んで「フジバカマ」と呼ばれるようになったといわれています。

フジバカマの別名

フジバカマには、蘭草(らんそう)、香草(こうそう)という別名があります。由来は、かつての中国では香りの良い花に「蘭」の字を当てていたから、あるいはフジバカマの香りには邪気を払う力があり、蘭のように高貴な花とされていたからなど、諸説あります。

フジバカマは絶滅危惧種?

フジバカマ Eupatorium japonicum は絶滅危惧種に指定されています。かつては帰化植物として日本の野原や河原に咲いていたそうですが、今では野生のフジバカマにはなかなかお目にかかれません。

現在フジバカマとして流通しているものの多くは、絶滅危惧種のフジバカマ Eupatorium japonicum ではなく、育てやすい近縁種です。

フジバカマの花言葉

フジバカマの花言葉は「躊躇」「ためらい」「遅れ」「あの日を思い出す」

目次に戻る≫

フジバカマの花の時期や特徴

フジバカマの花の時期や特徴

フジバカマの花の特徴

フジバカマは、小さな花が集まって1つの花のように咲いているのが特徴です。つぼみの時は、小さな丸い粒がぎゅっと詰まったように見えます。花が咲き始めると、糸のように細い花びらを広げ、ふわふわとした羽毛のような優しい花姿になります。つぼみの時の方が色が濃く、花が咲くに従って白い花火のような姿になっていきます。

フジバカマの花の時期

フジバカマの花の時期は、8月~10月頃。秋の七草にも数えられ、秋を代表する花とされていますが、実際にはまだ暑い夏から咲き始め、秋まで咲き続けます。秋の花だと思って、秋が深まってから野に探しに行っても出会えないかもしれません。晩夏から秋にかけて咲く花だとわかっていれば、見頃を逃すこともなくなります。

フジバカマは秋の七草

フジバカマは秋の七草

フジバカマは秋の七草の一つです。秋の七草とは、「オミナエシ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、クズ、ハギ」の7種類。この7種類が秋の七草に指定されているのは、山上憶良が万葉集で詠んだ2つの歌が由来とされています。夏から咲いている花が顔を並べていますが、昔の暦は今のグレゴリオ暦とは少し差があるので、そういうものなんだと思っていただければ幸いです。

秋の七草は、春の七草のように食べることを目的としたものではないし、食べられる花ではありません。その花姿を愛で、香りを楽しみ、秋を感じる、季節の移ろいと情緒を楽しむことを目的しています。フジバカマは、秋の七草の中でも特に香りが良いことで有名です。

フジバカマは秋の七草だけど外来種

秋の七草は、万葉集にも登場するくらい昔から日本で愛されてきた秋の野花ですが、この中でフジバカマだけが中国からの帰化植物であるということはあまり知られていません。学名も Eupatorium japonicum となっているので日本固有種のようですが、実は外来種というのがおもしろい話です。

フジバカマはいつの季語?

フジバカマはいつの季語?

フジバカマ(藤袴)は秋の季語です。万葉集にも読まれているように、秋の野に咲く花ということで秋の季語とされています。

目次に戻る≫

フジバカマの葉の特徴と香り

フジバカマの葉の特徴と香り

フジバカマの葉の特徴

フジバカマの葉は基本、3枚に裂けたような形状で茎に対生しています。中には裂けていない葉もあります。裂けていてもいなくても、葉の先が尖っているのが特徴です。

フジバカマの香り

フジバカマの葉には、桜餅を思わせるような芳香があるのが特徴です。この香り成分はクマリンといって、桜の葉と同じものなので、香りから桜餅を連想するのは自然なことのようです。フジバカマの香りは、咲いている時よりも乾燥させている途中、生乾きくらいの状態の時に強くなります。昔の日本の貴族たちは乾燥させた葉を着物に忍ばせて香りを身に纏ったそうです。

フジバカマの香りを手軽に楽しむなら、生花を自宅に吊るしましょう。乾いていく途中が一番香りが強くなるので、部屋の中に甘い香りが漂います。秋には花束を部屋に吊るして、和の香りを楽しんでみませんか。

目次に戻る≫

フジバカマにアサギマダラが集まる理由は?

フジバカマにアサギマダラが集まる理由は?

アサギマダラという蝶が、フジバカマに集まるという話は有名です。アサギマダラの名前の由来は、浅葱色(水色)のまだら模様があるから。アゲハチョウくらいの大きさで、季節によって北から南へと長距離を移動することから「旅する蝶」とも呼ばれます。その飛距離は1000km以上とも、2000km以上ともいわれています。

アサギマダラがフジバカマを好む理由は、香り成分であるクマリンに惹かれているとか、フジバカマに含まれるピロリジジンアルカロイドが雄のフェロモン生成に必要だからとか、諸説あります。

人為的に植栽した花でも、アサギマダラは寄ってきます。アサギマダラを呼ぶためにフジバカマを育てるという試みが各地で行われています。

 

フジバカマとアサギマダラ

本当に偶然、アサギマダラがフジバカマに停まっている姿を見たことがあります。アサギマダラは、他の蝶と比べて、とてもゆっくりと飛びます。シャッターを押してもこちらを気にする様子もなく、優雅に羽を動かしていました。アサギマダラが花から花へと飛び回る姿は、ゆったりと優雅で、時間を忘れて見入ってしまうような美しい光景でした。

目次に戻る≫

広告の後に記事が続きます
AD

フジバカマに似た花を紹介

フジバカマの仲間で、よく似た花を咲かせる種類を紹介します。

ユーパトリウム(セイヨウフジバカマ)

ユーパトリウム(セイヨウフジバカマ)

  • 学名:Eupatorium

北アメリカ原産で、ヒヨドリバナ属の多年草です。ユーパトリウムと呼ばれる品種にはいくつかあります。フジバカマのように薄紫色の花を咲かせる品種の他、白花種や葉茎は濃い茶色のものなどがあります。

ヒヨドリバナ

ヒヨドリバナ

  • 学名:Eupatorium makinoi

フジバカマを少し小ぶりにしたような花です。乾燥気味の土地を好みます。ピンクが濃いのが特徴です。白花種もあります。ヒヨドリバナも葉を乾燥させると芳香を放ちます。

ヒヨドリバナという名前の由来は、ヒヨドリが渡る秋に咲き始めるからだとされていますが、実際には7月頃から咲き始めます。

サワヒヨドリ

  • 学名:Eupatorium lindleyanum

サワヒヨドリもヒヨドリバナと同じく、フジバカマによく似た花を咲かせます。サワヒヨドリはやや湿った土地を好みます。葉は対生しているのが特徴です。

ヨツバヒヨドリ

  • 学名:Eupatorium glehni

ヨツバヒヨドリも他の種類と同じく、フジバカマによく似た花を咲かせます。ヨツバヒヨドリは湿った土地を好みます。葉は3~4枚輪生するのでヨツバヒヨドリと名付けられたそうです。

目次に戻る≫

フジバカマは薄紫の楚々とした風情の花を咲かせ、乾燥させた葉からは芳香を漂わせる魅力的な秋の七草です。花を愛でて、葉の香りを楽しむ。季節の移ろいを、花で感じてみませんか。

 

▼編集部のおすすめ

もっと楽しむ

メルマガ会員募集中

  1. 旬の園芸作業やおすすめの植物情報をお届け
  2. 季節の植物情報やプレゼント企画の先行お知らせ
  3. お気に入り記事や植物図鑑を登録してすぐに見つけられる
  4. Q&Aでみんなに質問したり回答を投稿できる

メールアドレスと
パスワードだけで登録完了

会員登録画面へ進む

LOVEGREEN QA 質問してみる 小さな相談でも皆で解決!

LOVEGREEN 公式アカウントをフォロー!

多年草・宿根草の人気記事ランキング

LOVEGREENの新着記事

TOP