マンションで実践!人気の着生ランを育てる工夫
土屋 悟
このライターの記事一覧
冬場の着生ランの育て方
セッコク、フウランなどは通年戸外で育てていますが、ファレノプシスなどの高温性のランは気温が下がったら室内に取り込みます。
ただし、種類によってはある程度低い温度に当たってから温かい環境に置くことで花が咲くものもあるので、あまり早く取り込むのは禁物です。
我が家ではクロウェシア、カタセタムなどは最低気温18℃、ファレノプシスやナゴランは最低気温15℃の寒さに2週間ほど当ててから取り込んでいます。
デンドロビウム・アフィラムDendrobium aphyllumは以前は氷点下を下回る予報が出てから取り込んで、3〜4月に開花するというサイクルでしたが、最近は最低気温10℃の環境に2週間くらい置いたら取り込んでいます。こうすると2月くらいには咲いてくるので、ラン好きの気持ちが上がるビッグイベント、『世界らん展』の頃に花を楽しめます。花が少ない冬に咲いてくれるのも嬉しいところです。
ちなみに上の画像に写っているアフィラムやファレノプシス・シレリアナが咲くとこんな感じです。
室内の着生ランの育て方(ケース+LED)
室内には栽培用のケースがあり、そこでもランやシダなどを育てています。戸外のランを取り込んだものもここに入れますが、通年ケースで栽培しているものもあります。
LEDはアクアリウム用のアクロ・グロウとブライトを使っていて、LED直下の天井近くが1万ルクス、下の方は3000ルクスくらいの明るさです。ケース内は比較的高い湿度を好む小型のレパンテス、コンチジウムなどのラン向きの環境です。
左/バルボフィラム・モニリフォルメ Bulbophyllum moniliforme
右/レパンテス・カロディクティオン Lepanthes calodictyon
コンチジウム・エクスティンクトリウム Conchidium extinctorium
もう少し明るめのケースもあります
こちらもケースの上にはアクア用のLEDを置いています。
まだ開花していませんが、明るくて風通しがよい環境が好きなカトレアを育てているので、さらにIKEAの植物育成用LED電球とファンを追加しています。こちらでは小型のエピデンドラムやプレウロタリスなどを育てています。
エピデンドラム・セントラデニウム Epidendrum centradenium
プレウロタリス・クロセア Pleurothallis crocea
ベランダでの着生ラン栽培のまとめ
ベランダはそのままの状態では地面から上がる湿気もなく、まわりに蒸散によって空中湿度を高めてくれる植物もなく、さらに風通しがよくて乾きやすいという、かなり過酷な環境といえます。
日照に合わせた植物選びはもちろんのことですが、乾きすぎる環境への対策も重要です。
対策としては、
・ベランダの床や栽培棚に人工芝などを敷き、水やりの水が人工芝から少しずつ蒸発してくるようにすることで、空中湿度を保つ。
・他にもたくさんのランを置いたり、観葉植物を置くことで風通しを制限しつつ、葉からの蒸散で空中湿度を高める。
我が家のベランダには水道の蛇口や電源がありませんが、もしあるようなら、タイマー、自動灌水装置、ミストシャワーが出るホースなどを使って、定期的に葉水をして空中湿度を高めてもよいでしょう。夜温が高すぎると株が疲れてしまうことがありますが、夜に葉水をすると、周辺の温度を下げることも期待できます。
明るさについては照度計がネット通販などでも手に入りますし、スマホアプリで測ることもできます。
手に入りやすいランの光の好み
・強い光が好き……シンビジウム、デンドロビウムなど
・そこそこ明るい方が好き……カトレアなど
・それほど明るくなくても大丈夫……ファレノプシス(コチョウラン)
が目安です。
葉焼けしない程度に、なるべく長時間光があたる環境に置くようにしましょう。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「マンションで実践!人気の着生ランを育てる工夫」の記事をみんなにも教えてあげよう♪