セダムの幅広い魅力、グランドカバーと寄せ植えアレンジ
とまつあつこ
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「セダム(sedum)」は、万年草、ベンケイソウとも呼ばれる乾燥に強い野草です。
セダムはそのたくましい強さを生かしてグランドカバーや屋上緑化によく使われますが、一方、繊細な葉の形や美しい色を生かして寄せ植えやリースを作り、庭やベランダで育てて楽しむこともできます。
それでは、セダムの育て方とその幅広い魅力をご紹介していきましょう。
目次
セダムとは
「セダム(sedum)」とは、ラテン語”sedre(「座る」の意)”に由来し、岩石や壁に着生することにちなんで名前がつけられているそうです。セダムは日本には30種類以上あるといわれています。
植物学的には「ベンケイソウ科」に属し、山地や海岸地の岩上などのわずかな土に根を張り生育しています。
日本の南方には温暖地系品種が、日本の北方には寒冷地系品種が生育しており、種類によって寒さに若干弱いタイプと、寒さに強いタイプがあります。
多くの種類は、初夏に茎の頂に黄色の花をつけます。草丈は種類によって3~50㎝くらいです。過湿による蒸れには弱い植物です。
セダムの育て方
日なたと水はけのよい用土を好みます。乾燥に強く、切った茎を土にまいておけば根付くほど強健です。
蒸れには弱いので乾燥気味に育てます。土が乾いてからたっぷり水をあげましょう。地植えの場合は、雨があたる場所であれば水やりの必用はないくらいです。肥料は特にあげなくても育ちます。
上に伸びるタイプのセダムは、伸びすぎてしまったら好きな位置で刈り込みます。横に広がるタイプのセダムは蒸れ防止のため、時々すいたり半分くらいの高さでカットしましょう。カットしたものを別の土の上に置いておくと、自然に根付いてどんどんふやせます。
セダムをグランドカバーに使ってみよう!
グランドカバーや屋上などの緑化用植物として、メキシコマンネングサ、マルバマンネングサ、キリンソウ、ミセバヤなどのセダムがよく使われます。
セダム類は乾燥に強く、繁殖力が大きく、薄い土壌で生育でき、軽量で風に強い緑化ができます。ローメンテナンス、ローコストの緑化の代表ともいえるでしょう。
庭の小さなスペースの、飛び石周りのグランドカバーとして、セダムを植えてみることにしました。
セダムは、この写真のように、ほぼ根が無い状態で土の上に置いておくだけでも発根して根付きます。
植え付け後すぐは水やりをせず、1週間後くらいに土が乾いていたら水をあげます。雨があたる場所であれば、ほとんど水やりは不要です。
セダムをグランドカバーに使った結果、飛び石の周りが明るい雰囲気に変わりました。
今回はすぐに美しく見えるように比較的ぎっしり植えましたが、蒸れやすい季節や、時間をかけて緑化する余裕がある時はもう少し間隔をあけてセダムをばらまく感じに植えても大丈夫です。
セダムは根が深く張らないので、セダムを植えた後、違う植物に植え替えたくなった時にも簡単に抜いて移動させることができます。
セダムを使って、敷地の細長い空きスペースを明るくデザインすることもできます。
様々な色のセダムを混ぜてグラデーションを作ったり、ツルニチニチソウなどのグランドカバー植物と組み合わせても美しく、メンテナンスも簡単です。
最近では、庭や駐車場などのレンガやコンクリートの継ぎ目のちょっとした目地のようなスペースに植え付ける用の、このような細長いセダムも売られています。グラデーションもきれいにできていて、とても便利ですね。
セダムをかわいくアレンジしてみよう!
セダムには様々な種類があるので、セダムだけで寄せ植えを作ったり、リースを作ってアレンジすることができます。
繊細な葉の形や、色のグラデーションが楽しめます。乾き気味に育てるので水やりの回数も少なく、お手入れも簡単なセダムの寄せ植えは、園芸初心者の方にもおすすめです。
▼セダムのリースや寄せ植えの詳しい作り方はこちら
セダムの強さと繊細な美しさ
セダムはとても丈夫でメンテナンスも簡単。その「強さ」を生かしてグランドカバーや緑化に役立つうえに、セダムのもう一つの持ち味である「繊細な美しさ」を生かすとかわいらしい寄せ植えやリースを作ることもできるので、本当に優れものです。
過湿による蒸れに弱い部分に気を付けて、乾かし気味で育てることが注意ポイントですが、水やりの時間があまり取れない方には安心な植物でもありますね。
ぜひ、強さと繊細な美しさを兼ね備えたセダムを育ててお楽しみください。
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