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ヤドリギ|特徴や名前の由来、実の秘密と増え方、クリスマスの伝説

ヤドリギは丸いフォルムが特徴的な寄生植物。ヤドリギの特徴や名前の由来、英語の名前、クリスマスの伝説、実の不思議と増やし方、ドライフラワーにできるかどうか、見つけ方など、詳しく紹介します。

目次

ヤドリギとは|特徴や名前の由来

ヤドリギとは|特徴や名前の由来

ヤドリギの特徴

  • 科名:ビャクダン科(※ヤドリギ科とされることもある)ヤドリギ属
  • 分類:半寄生常緑低木
  • 学名:Viscum coloratum
  • 英名:Mistletoe 

ヤドリギとは、樹木の上の方に丸く鳥の巣のような形状で寄生する半寄生植物。簡単に言うと、「半分くらいは宿主である樹木から水分と養分をもらうけど、残り半分くらいは自分でも光合成を頑張るよ」という植物です。

クリスマスに流通することで有名な木ですが、冬だけでなく、一年を通して青々とした葉を繁らせている常緑樹です。

ヤドリギの名前の由来と英語の名前

ヤドリギの名前の由来と英語の名前

ヤドリギは漢字で書くと、「宿り木」あるいは「寄生木」です。この名前はヤドリギの性質に由来するもので、他の樹木に寄生することから、「宿り木」や「寄生木」と呼ばれるようになりました。

ヤドリギの英語の名前は Mistletoe(ミスルトゥ)です。ルはほとんど聞き取れないので「ミソットゥ」と言っているように聞こえます。決して味噌の話をしているわけではありませんので、ご理解ください。

クリスマスシーズンになると見かけるようになるヤドリギ。ここまで人気になってきた理由は、やはりあの特徴的な形状でしょう。葉が青々と付いた状態で樹の上の方の枝に乗っている姿は、宙に浮かぶマリモのようにかわいらしく、見ているひとの心を捉えます。

ヤドリギの花言葉

ヤドリギの花言葉は、「困難に打ち勝つ」「忍耐」です。

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ヤドリギのクリスマスの伝説

ヤドリギのクリスマスの伝説

ヤドリギは、永遠を象徴する神聖な樹とされています。昔からヨーロッパでは、クリスマスツリーにヤドリギの枝を飾る習慣がありました。

クリスマスにヤドリギの下でキス

ヤドリギにまつわる言い伝えの中でも特に有名なのが、ヨーロッパに古くから伝わる「ヤドリギの下に立っている女の子にはキスをしてもいい」というものです。クリスマスパーティーの夜に、ヤドリギの枝の下に立って、意中の男性が現れるのを待つなんてロマンティックですね。

ヤドリギは永遠の命の象徴

冬、落葉樹たちが葉を落とし、辺りが真白な雪景色になった頃、空の青と雪の白だけの色彩の少ない世界でヤドリギのグリーンは輝きます。色を無くした世界で冬の間も緑を絶やさないヤドリギは、生命力と永遠の命を象徴する植物でした。クリスマスにヤドリギの枝を飾る理由は、永遠の命を象徴する縁起の良いものだからです。

枯れ枝が広がる冬の森の中で、樹の上の方に鎮座しているグリーンの球体のヤドリギは、とても神秘的に見えます。

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ヤドリギの実の秘密と増やし方

ヤドリギ実の秘密と増やし方

ヤドリギはどうして土ではなく、樹木の上に生えるのでしょうか。これにはヤドリギの実に秘密があります。ヤドリギの実の秘密をご紹介します。

ヤドリギの実の秘密

ヤドリギの果実は固い果皮に包まれていて、中の果肉がねちょねちょとしています。それを食べた鳥は、フンがねちょねちょとお尻から離れず気持ちが悪いので、お尻を樹の枝にこすりつけてフンを取ろうとします。この時にヤドリギの種もフンと一緒に樹の枝に付着し、無事に宿主を見つけて発芽に至るという仕組みです。

寄生植物は繁殖方法として、胞子や種子を風に乗せて飛ばすものが多いのですが、ヤドリギは完全に鳥任せです。鳥もヤドリギの果実を食べたお礼に種子を運んであげているという仕組みです。

ヤドリギの増やし方

ヤドリギの種子は樹皮からは発芽しますが、土からは発芽しないという不思議な特性があります。この為、地面に落ちた種からは発芽しません。つまり、ヤドリギを種から発芽させて育てるのは難しいといえます。

切り枝のヤドリギは、宿主の枝に寄生した状態で流通します。ヤドリギだけを切り取るのが難しいからということのようです。

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ヤドリギはドライフラワーにできる?

ヤドリギはドライフラワーにできる?

ヤドリギのちょっと残念な特徴は、水落ちしやすいという点です。元々自力で水を吸い上げる力が弱いので、切り花で出回っているものはすぐに乾燥してパラパラと落ちてしまいます。

それならば、乾燥しやすい特徴を生かしてドライフラワーにしたいところですが、乾燥すると葉も枝もバラバラに落ちてしまうので、ドライフラワーにはできませんでした。あの不思議な姿をそのままドライフラワーにできたら、どんなに素敵でしょう。

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ヤドリギの見つけ方

ヤドリギの見つけ方

 

 

ヤドリギは冬になるとその神秘的な姿から注目を浴びますが、夏も存在しています。夏は宿主の樹木が葉を茂らせているせいもあって、気づかれにくいようです。冬に周りの樹が落葉したときにその姿を現します。

ヤドリギを見つけやすいのは雪山です!一面真白な景色となるので、その姿が見つけやすくなります。スキーやスノボに出かけた際にゲレンデで見たことがあるのではないでしょうか。雪山で宙に浮くように丸くグリーンの塊が見えるのは圧巻です。

ヤドリギは落葉樹にしか寄生しないように思われていますが、そんなことはありません。常緑樹に寄生しているのを見たことがあります。松などの風通しよく、葉の間まで日光が射すような植物であれば問題なく大きくなります。

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果実がねちょねちょしていることで、鳥に運んでもらえる上に新しい宿主の枝にうまく種子を付着できる、非常に合理的で無駄のない繁殖方法です。しかもこの方法だと、樹の高い位置に種子を付着させることが可能になりますので、ヤドリギにとっては良いこと尽くしです。

宿探しは鳥任せ、住まいは居候。粘着性のある果実を使って種子を拡散し、他の樹木に寄生して生長するヤドリギ。人間だったら考えられない厚かましさですが、それでもなぜか可愛いのがヤドリギの魅力です。

お散歩に出たら、まあるく形作られた緑色の鳥の巣のようなヤドリギを探してみてください。意外と身近なところにいるものですよ。

 

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