縄文時代から愛される山椒の使い方と増やし方
峰亜由美
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山椒は雑木林や庭先などでもよく見かける、ピリリと舌が痺れる様な辛味と柑橘に似たスッキリ爽やかな香りが特徴的な香辛料です。
和食でもお馴染みの山椒は、日本で最も古い薬味だとご存知でしょうか?今回は山椒の増やし方と薬味としての使い方等をご紹介します。
目次
山椒の事
■和名 山椒
■別名 椒(はじかみ)
■学名 Zanthoxylum piperitum
■ミカン科さんしょう属
■落葉低木
■原産地 日本・中国
山椒は落葉の低い木で、雄株と雌株の異なる株があります。
葉の付け根の対称の位置に鋭い棘があり、葉は長さが5~15㎝位、小さな葉が奇数になり羽状の形をしていていて5~13枚のギザギザの葉が対(つい)でついています。葉には特有の柑橘に似た爽やかな香りがあります。
山椒は葉、花、実、木の皮まですべて薬味になり、開花は4月~5月頃に黄色の小花が咲き6月になると緑色の果実が雌株に実り始め9月~10月に赤く色付きます。雄株には花は咲きますが果実は実りません。
雌株と雄株を別々に植えると実がならず一緒に植えると果実を実らせます。
果実は丸く青いうちに収穫して醤油漬けや塩漬けにする食べ方と赤くなり熟れた実は中から黒い種がはじけて露出したものは強い香りがあり、その皮をすり潰して使用します。
山椒を味わう使い方
山椒はピリリと舌がしびれるような独特な辛味と柑橘に似た爽やかな香りが特徴の薬味です。
日本では馴染みが深く、山椒と日本人の歴史を遡ると縄文時代まで遡り当時の土器の中から山椒が見つかった事から日本では最古の薬味とされています。
うなぎをいただく時に使う粉山椒はや和食の煮物やお椀に葉が添えられたり季節を彩ます。
■葉・・・和食では、葉は4月頃から新芽を出し使われ始めます。お料理で使われるときは呼び名が変わり、実は「木の芽」と呼ばれるのは5月までで、それ以降は「葉山椒」と呼び名を変えます。和食の季節の移ろいに対する繊細な心配りは薬味の呼び名まで変えて、お椀や煮物、お寿司などに添えられます。
■花・・・花は酢漬けや醤油煮等にされる事が多く、瓶詰などでも購入できます。
今回は簡単な醤油煮(佃煮)をご紹介します。
「醤油煮」
◎花山椒 200g
◎醤油 100cc
◎酒 35cc
1.花山椒を水洗いして水気をよく切る。
2.鍋に水を切った花山椒と醤油、酒を入れ中火で火にかけます。
3.水分を焦げない様にかき混ぜながら煮詰めていきます。
4.その時に花山椒から出てくる水分なども違うため、5分~10分程水分がなくなり柔らかくなるまで煮切ります。
5.水分がなくなり煮詰まったら完成です。
■実山椒・・・実山椒は6月頃、明るいグリーンをした実が雌株に付きます。季節になると出回り、塩漬けや醤油漬けなどにされて保存されることが多く、青々した美しい実は数日で色が変わってしまうため、塩漬けにしたり醤油漬けにしたりする場合、新鮮なうちに作ることが好ましいのですが、すぐに出来ない場合は冷凍保存することによって美しい色を保ち保存する事が出来ます。
■山椒の粉・・・山椒の粉は、乾燥させた山椒の葉をすり鉢等ですり潰し粉にしたものを使います。
うなぎでもお馴染みで粉状で乾燥していて保存もしやすくいつの季節でも使えます。
■枝・・・枝は山椒の香りがほのかにし、擦り棒として加工されます。
山椒の増やし方
1.前年に伸びた若い枝を10㎝~20㎝程切ります。
2.上の方の葉を数枚(2~3枚)残して他の葉は切り落とします。
3.切り口を斜めにカットして一時間程水につけます。(発根剤を少々混ぜた水につけるとより発根しやすくなります)
4.赤土やバミューライト等、保水力があり水はけの良い土を選び、挿し木します。
5.根が出るまでは土が乾かない様に日陰で管理しましょう。
6.新芽がでたら5~6号鉢位で大きめの鉢に植え替えます。大きめの鉢に植え替える理由は山椒は植え替えを嫌うためなるべく大きな鉢に植え替えると植え替えの回数を減らす事が出来ます。
7.根がついたら、乾燥と真夏の強い日差しに弱いので、日の当たる場所から半日陰で育てましょう。
山椒のまとめ
縄文時代から現在まで続く知恵として伝え続けられ、花、葉、実、木と余すことなく大切に使われきた日本古来の植物です。
お庭等で育てて葉を摘んで、季節のお料理に少し添えるだけで器の中の景色が変わったり、気分も優しくなりそうですね。暮らしを豊かにする少しの工夫で素敵な時間をお過ごしください。
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