7月に咲くグリーン色のアジサイ!ノリウツギ・ライムライトの魅力と育て方
金子三保子
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アジサイの見ごろが過ぎるころの夏場に開花するアジサイ、ノリウツギ。ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)はアジサイの仲間ですが、7月~9月が開花時期のピラミッド型のアジサイです。今回はノリウツギ(ピラミッドアジサイ)の園芸種で、とてもきれいなライムグリーン色のノリウツギ・ライムライトの魅力と育て方をご紹介します。
目次
ノリウツギとは?
ノリウツギ・ライムライト
ノリウツギはアジサイ科の落葉低木。アジサイの開花は6月ですが、ノリウツギはアジサイの花がそろそろ見ごろの終わる7月に咲くアジサイです。
ノリウツギの原種は全国の山地で見かけることができます。枝先に円錐状の形の花がつき、白の小さな花が多数ついている形状で、花の形からピラミッドアジサイとも呼ばれています。
ノリウツギの花だと思っている部分は、装飾花の萼片(がくへん)。園芸種として流通している「ミナヅキ」や「ライムライト」は、ほとんどの部分が装飾花で、原種のノリウツギがガクアジサイに似て素朴な雰囲気であるのに対して、園芸種のノリウツギは華やかな印象があります。
ノリウツギ 写真・小野寺葉月
こちらは長野に住むLOVEGREEN編集部の小野寺の庭のノリウツギ。近隣ではあちこちで自生しているノリウツギを見かけるのだとか。園芸種に比べて素朴な雰囲気ですね。
ノリウツギ・ライムライト
ノリウツギ・ライムライトは、咲き始めはライムグリーン、咲き進むにしたがってペールグリーンの色になる色の変化が美しいアジサイです。開花株の状態の流通は、6月ごろから出回ります。翌年からの開花は、7月ごろから開花します。ノリウツギ・ライムライトは花のサイズが大きいのと、丈も高くなるので、庭に植えるととても見栄えのする花木です。グリーン色の花は、色々な花色と色合わせがしやすいので、最近とても人気です。
普通のアジサイと大きく違うのは、開花時期と剪定の時期。ノリウツギは新枝咲きのアジサイなので、夏に剪定する必要がありません。7月の開花後、秋まで色の変化をゆっくりと楽しめるのが魅力のひとつです。
▼アジサイの種類によって違う剪定方法について詳しくご紹介しています。
ノリウツギ・ライムライトの育て方
日当たり・置き場所
ノリウツギは日当たりのよい場所から半日陰まで栽培可能です。風通しのよい水はけのよい土壌に植えます。半日陰にノリウツギを植え付ける場合は、午前中に日が当たる場所の方が向いています。午後の西日が強い場所の場合は、株元にマルチングをして暑さの対策をします。生長するととても大きくなるノリウツギは、基本的には地植え向きの植物です。
用土
ノリウツギは、さほど土に対して神経質にならなくても大丈夫な花木です。地植えのノリウツギは、植え付け時に堆肥や腐葉土を混ぜ込みながら植え付けましょう。地植え向きですが、鉢植えの場合は草花用の培養土で問題なく育ちます。
植え付け
ノリウツギの植え付けは、落葉中の11月から3月に行います。
剪定・切り戻し
ノリウツギは新枝咲きのアジサイです。花芽が形成されるのが4月以降なので、7月の開花後、ゆっくりと花が秋色になるのを楽しんでから剪定することが可能です。時期としては3月までに剪定を済ませましょう。ノリウツギは新枝咲きのため、どこで切っても自由なので強剪定、弱剪定など、切る位置を自由に決めることができるアジサイです。
ノリウツギの強剪定
強剪定の場合は、地際2~3節でばっさりと切り詰めます。春に伸びる枝の数が限定されるので花数は少し減りますが、枝に勢いが出て花が大きくなります。
ノリウツギの弱剪定
弱剪定の場合は花の後に花だけ切って、さらに秋以降~冬にかけて充実した芽の上で軽く剪定します。弱剪定の魅力は古い枝を残すので、そこから新しい枝がたくさん出ます。その分、花数は多くなりますが、枝が多いのでエネルギーが分散されて花のサイズは小さめになります。
ノリウツギの花
ノリウツギの花は、アジサイの花が見ごろを終える7月ごろから開花します。ライムライトは最初はライムグリーン、徐々に淡い色のペールグリーンへと色が変化します。ノリウツギの剪定は秋以降で大丈夫なので、夏から晩秋にかけて花を急いで剪定せずに、秋色になるまでの変化をゆっくりと楽しむことができます。
また、園芸種のミナヅキやライムライトは、開き始めの色から秋にかけて美しい秋色に変化します。ただし秋色になるのは、朝晩が冷え込む寒冷地の方が美しく秋色になる傾向にあります。秋色になったミナヅキ、ライムライトは、ドライフラワーとして楽しむこともできます。
ノリウツギの鉢を買った年の注意点
開花しているノリウツギ・ライムライトの流通は6月~7月。写真のように小さめの鉢でも1m近くの花丈のものが出回ります。ノリウツギをはじめとしたアジサイ類は、水をとても欲しがる花木です。買った後に控えている真夏に水切れを起こさないように注意しましょう。
ノリウツギの地面への植え付けの適時は落葉期ですが、花丈に対してあまりにも小さい鉢の場合は、鉢の中で根が回っていて土がほとんどない可能性があります。最近の夏は酷暑とも表現されるような最高気温の日も多いので、鉢の中にほとんど土がない場合は朝に水をあげても夕方までもたないことがあります。ノリウツギは何度も水切れを起こすと株が弱ってしまいます。その際は正式な植え付け前に仮の処置が場合によっては必要なこともあります。
購入時に鉢底を見て根が回っていそうな場合は、一回り大きな鉢に鉢替えをして土を追加したほうが夏をうまく越すことができます。夏場なので株にストレスをかけないように、根をいじらずそっと作業をすることがポイントです。
正式な地面への植え付けは落葉期に花の剪定とともに行います。根が回っていない鉢ならそのまま水切れだけ注意して落葉期まで管理しましょう。ノリウツギは購入した年の夏をうまく越せれば、基本的には丈夫な花木です。
ノリウツギの返り咲き
ノリウツギ・ライムライトは、環境によっては秋にも返り咲く性質があります。
こちらはLOVEGREEN編集部に2018年初夏に植えたノリウツギ・ライムライト。10月に返り咲きました。初夏は完全な白にはなりませんでしたが、秋に咲いた花は白系。花の大きさは初夏の半分以下のサイズでした。
ノリウツギ・ライムライトのつぼみ
秋色のノリウツギ・ライムライト
秋色のノリウツギ・ライムライト
初夏に咲いたノリウツギを剪定せずにそのまま秋まで管理していると、ガクの色が写真のような秋色に変化します。寒冷地などの朝晩の気温差が激しい地域の方がきれいに秋色になりやすい傾向にあります。
普通のアジサイと、ノリウツギやアナベルのような新枝咲きのアジサイをお庭に植えると、6月のアジサイとバトンタッチして、7月以降は新枝咲きのアジサイへと、3~4ヶ月アジサイの花を庭で楽しむことができます。剪定も簡単な夏に咲くノリウツギはとてもおすすめの花木のひとつです。
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