【毎年開催】年初めのイベントはここで決まり!サンシャインシティ世界のらん展2019をレポート
土屋 悟
このライターの記事一覧
俗に「サンシャインのらん展」とも呼ばれる、「サンシャインシティ世界のらん展」が今年も開催!
年々熱気が高まっているこのらん展、今年はどんな盛り上がりを見せているのか、見に行ってきました!
目次
展示も出展も楽しめる、国内有数の規模のらん展
池袋・サンシャインシティでは1月と5月にらん展が開かれていますが、1月に開かれるのは全日本蘭協会主催の「全日本蘭協会洋らん展」。全国のラン愛好家が参加する、国内有数のらん展です。
腕に覚えのあるライン愛好家が丹精込めて育てたたくさんのすばらしい花は一見の価値あり。
らん展といえば、コンテストに出品されるランの花だけではなく、会場内に出店される販売ブースも楽しみの一つ。今回は49の販売ブースが並びました。
国内有数のらん展だけに、売られているランも多種多様。すぐに飾って楽しめるコチョウランやオンシジウムの鉢花から、ほかではなかなか手に入らない原種、交配種のランまでさまざまなランが販売されています。
また、最近は食虫植物や雨林植物など、ラン以外の植物を並べる出店もふえてこちらも人気。
らん展初日の1/10は、会場前に長蛇の列ができ、開場してからも人だかりのできるブースもありました。
清水柾孝さんが教えてくれる展示の見どころとおすすめのラン
今回、会場での取材に対応してくれたのは、Botapii2月号でもランの育て方を教えてくれた清水柾孝さん。
「まず見て欲しいのは、通称『お立ち台』。これは、そのらん展に出品されたもののうち、賞を取った株を展示するコーナーで、らん展には必ずあります。
向かって右は、ランの団体の地方支部からの出品。向かって左が全日本蘭協会からの出品。
地方支部からの出品は、株をいかに上手く大きく育てるのかを重視することが多いので、大株が多く、全日本蘭協会からの出品は、いかにクオリティの高い花を咲かせるかを重視した株が多い傾向にあります。そのあたりに注目して見てもらえると楽しいと思いますよ」
清水さんが出品したオンシジウムも、このお立ち台に並んでいました。
清水柾孝さんが教えてくれる展示の見どころとおすすめのラン
「今、私が一番熱中しているのはパフィオペディラムなんですが、そんな私がおすすめしたいのが、緑花のパフィオペディラム・フェイリアナム。」
「濃い紫の花色が特徴のフェイリアナムですが、これは軽やかな緑花。ちょっと変わったパフィオが欲しい人におすすめです。」
※中藤洋蘭園で販売
「もう一つおすすめしたいのが、こちらのセロジネ グリーンエルフ。セロジネは白い花のものが多いのですが、こちらは緑花。内側に模様も入った存在感がある花です。花も大きく、たくさん咲いて育てやすいので、ラン初心者にもおすすめですよ」
※やまはる園芸で販売
▼清水さんtwitter
▼清水さんが教えてくれた初めの一鉢におすすめのランの紹介もご覧ください。
注目ブースのオススメはコレ!
松本洋ラン園
人気のカトレアからプレウロタリスなどの変わり種まで幅広く扱うラン園。園主、松本正昭さんの植物に対する情熱と、独特の語り口にはファン多数。
そんな松本さんがオススメしてくれたのはこちらのレプトテス。
「レプトテスは南米原産のランで、あまり大きくならないタイプ。このレプトテス‘スプリングカラー’はレプトテスとしては大きめの花をたくさん咲かせるおすすめ品種。花がないときも、多肉質の葉がきれいだから観葉植物的に楽しむこともできますよ。
育て方はカトレアに似てて、よく日に当てて、水は水ゴケがしっかり乾いてから与えてくださいね。」
▼松本洋ラン園さんHP
▼松本洋ラン園さんFacebook
BorderBreak実行部隊
大阪で年2回開催される、ジャンルの垣根を越えた植物フェス「BorderBreak」。その実行委員長を務める植物探検家(?)の長谷圭祐さんと、同じく実行委員の早瀬新平さんによる出店。
長谷さんの熱帯の雨林や川沿いに自生する「ジメジメ系」の雨林植物と、早瀬さんのハオルチアを中心とする多肉植物の二本立てのブースです。
長谷さんの雨林植物はほとんどが初日で売り切れ。でも、長谷さんがサンシャインでどうしてもコレを売りたい!と意気込んでいるのが、こちらのシダ。
「このトリコマネス・アンケルシーは南米のアマゾン川流域に自生するシダ。雨季になって川が増水すると、水の中に沈んでしまうような場所で、葉の裏から出る吸着根で木の幹肌に張りついて生きています。
この株は発根して順調に生長していますが、どうしても葉がヘゴやコルクに張り付いてくれないんです。流通がほぼなく、国内で2年養生した株はまず入手不可能というレアな植物。
うまいこと葉を着生させることができれば、国内初の例になるはずなので、ぜひチャレンジしてみて欲しいですね。挑戦者求む!」
▼長谷さんInstagram
▼長谷さんtwitter
▼早瀬さんInstagram
▼早瀬さんtwitter
▼植物探検家”長谷圭祐”さんが開催する「BORDER BREAK!!」についてはこちらの記事をご覧ください。
Spiecies Nursery/藤川商店
主にティランジアやブロメリア科植物、ケープバルブ(南アフリカの球根植物)を扱い、植物のチョイスや⾼い栽培技術で⼈気のお店。
店主の藤川史雄さんがオススメしてくれたのはブロメリアとケープバルブ。
「ブロメリアのカニストラム・トリアングラレは属ではもっとも小さいけれど、すばらしい株姿になる種類。この個体は、葉の中心の黒い線が最も強く出る選抜クローン。」
「フェラリア sp.は、コンパクトな株姿で葉がスクリュー状にねじれる特異なタイプ。黄土色の、地じれるように咲く花が地味カワ。」
▼SPECIES NURSERYのHP
▼SPECIESNURSERYのInstagram
▼藤川さんに聞いたウスネオイデスの育て方の記事もご覧ください。
新垣洋らん園
ビビッドな花色のファレノプシス(コチョウラン)のラインナップに定評がある新垣洋らん園の新垣真さん。
オススメはもちろんファレノプシス。
「こちらのファレノプシス・スペシオーサ‘パープル’は赤花の種類をもとにつくられた品種。白地にくっきりとした紫色がのる品種です。この品種の面白いところは、花がいくつか咲くと、花弁の一つが白いものが咲くところ。すべての花にしっかり花色が出るのもいいですが、この花のように、花弁一枚がすっきりとした白だと、それはそれでユニーク。いくつか花が咲いたときに、全体としてみると動きが生まれてくるのも面白いところです。」
▼新垣洋らん園さんHP
▼新垣洋らん園さんtwitter
Hiro’s pitcher plants(ヒーローズピッチャープランツ)
ネペンテス(ウツボカズラ)やセファロタスなどの食虫植物専門店。店主の鈴木廣司さんがオススメしてくれたのは、ネペンテスの交配種。
「これはネペンテスのビーチーに、ローウィーとベントリコーサの交配種をさらに交配したもの。ピッチャー(壺状の捕虫袋)の入り口の縁の部分をカラー(襟)と呼ぶんですが、この個体のカラーは手前が細く、奥に行くにしたがって幅広になっているタイプ。ピッチャーの顔つきにも迫力があるし、株自体もしっかり育っているので、オススメの一株ですよ。」
▼ヒーローズピッチャープランツさんHP
▼ヒーローズピッチャープランツさんtwitter
ベラビスタオーキッド
本店のあるブラジルのランを多数揃えるラン屋さん。カトレアも多く扱うが、ブラジルのランといえばやはり人気の「タケノコ系」のラン。
「クロウェシアやカタセタム、モルモデス、シクノチェスといった、一部で「タケノコ系」と呼ばれている落葉性のランの多くはブラジル原産。花の色や形、サイズも様々で面白い種類です。最近は東南アジアでも人気が出てきていて、株の取り合いになってます。国内でも品薄になりつつあるので、手に入れるならお早めに!
花芽つきの株もまだあるので、ぜひ育ててみてください。花芽がないものも、花の写真付きで並べてあるので、好みの花を見つけてくださいね。」
▼ベラビスタオーキッドさんHP
▼ベラビスタオーキッドさんtwitter
STRINGEPLANTS(ストリングプランツ)
LOVEGREENとBotapiiの販促プランナーを努める伊藤彰洋もグリーンサミットブースに参加。
扱うのはもちろん、アリ植物!
「オススメはシダ科のアリ植物レカノプテリス。この‘イエローチップ’は育てやすい種類なので、アリ植物に初挑戦してみたい人にもおすすめ。」
「いきなり大きい株はちょっと…という人には、タネから育てたミルメフィタム・セレビカムの小株もあります。自分の手で、大きく育ててみてください!」
▼伊藤さんTwitter
▼伊藤さんInstagram
▼アリ植物についてはこちらの記事をご覧ください。
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「【毎年開催】年初めのイベントはここで決まり!サンシャインシティ世界のらん展2019をレポート」の記事をみんなにも教えてあげよう♪