蓮華|花の季節、名前の由来や花言葉、蜂蜜まで
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かわらしい蓮華の花をご存知ですか?蓮華の名前の由来、花言葉、花の季節、蜂蜜や緑肥について、自宅での咲かせ方まで、詳しくご紹介します。
目次
蓮華とは|特徴や名前の由来
- 和名:レンゲソウ
- 学名:Astragalus sinicus
- 科名:マメ科
- 分類:越年草
- 別名:紫雲英、ゲンゲ
蓮華は春になると、野原をピンクの絨毯のように染め上げる、マメ科の越年草。蓮華の花は、小さなマメの花の集合体で、複数の小花を放射状に広げるように咲かせます。花の付け根は白く、花びらの先にいくに従ってピンクが濃くなっていくのが特徴。塗りつぶしたようなピンク単色ではない複雑さも、蓮華の花の魅力です。
草丈は10~20cm程度、上に伸びるというよりも、横に葉茎を伸ばして広がっていき、茎の途中から上に向かって花を咲かせます。地面を埋め尽くすように広がっていくので、満開の時期にはピンク色の絨毯のような光景を眺めることができます。
蓮華という名前の由来
蓮華という名前の由来は、花姿が蓮の花を連想させることによります。正しい名前は蓮華草ですが、昔から蓮華という名で親しまれてきました。本によっては「ゲンゲ、ゲンゲソウ」が正式和名とされていますが、「レンゲ、レンゲソウ」という発音で間違いではありません。
学名の Astragalus sinicus の sinicus は、ラテン語で中国を指す言葉です。この学名から、蓮華は中国原産の植物だということがわかります。中国名は紫雲英で、蓮華とは呼びません。
中華料理のスプーンの蓮華って?
蓮の花びら
中華料理でスープをすくうのに使う「レンゲ」、正式名称は「散蓮華(ちりれんげ)」と言い、蓮の花びらが散った中の1枚に似ているところから名付けられたと言われています。日本特有の呼称です。
蓮華の花びらではなく、散った蓮の花びらでした。確かに蓮の花びら一枚一枚は、ボートのような形をしているので、スプーンのようにも見えます。
蓮華の花には似ていないし、なぜこの陶製のスプーンをレンゲと呼ぶのかずっと気になっていたのですが、やっとすっきりしました。
蓮華の花言葉
蓮華の花言葉は「心が和らぐ(やわらぐ)」です。蓮の花に似ているといわれているように、蓮華の花は見ているだけでほっとするようなかわいらしさがあります。
蓮華の花の季節
蓮華の花が咲く季節は春、桜の花が終わって暖かさも増し、藤の花が咲き始めた頃です。近頃は温暖化の影響か、年々植物の開花時期が早まっているので何月とは表現しづらいのですが、蓮華の花が咲く時期は東京近郊では4月中旬から下旬くらいです。
蓮華の花の季節には郊外まで蓮華畑を探しに行きたくなります。一面ピンク色の絨毯のような光景は圧巻で、走って行ってダイブしたいような衝動に駆られます。ただ、遠くから見ると一面ピンクに見えた蓮華畑は、近づくとまばらなピンク色になってしまって、寂しくなるのが常です。隣の芝生が青く見えるように、遠くの蓮華も濃く見えるようです。
馴染み深い蓮華の蜂蜜
蓮華と言えば蜂蜜!と言っても過言ではないくらい、蓮華の蜂蜜は有名です。蓮華蜂蜜は文字通り、蓮華の花の蜜からできています。
昔は春になると、そこら中の田畑が蓮華畑になっていました。典型的な虫媒花である蓮華は、大切な蜜源だったようです。
蓮華の花から採れた蜂蜜はクセが無く、とても親しみやすい蜂蜜で、国産蜂蜜として販売されている中でも人気があります。お家にある蜂蜜をちょっと確認してみてください。蓮華蜂蜜かもしれませんよ。
蓮華って実はお役立ち植物
昔は、春の田畑に行けば、一面ピンクの蓮華の群生に出会えましたが、最近はめっきり見かけなくなりました。なぜならば昔は、稲刈りが終わった後の畑に蓮華の種をまいて、わざと咲かせていたからです。
わざと咲かせていた理由は、蓮華は他のマメ科の植物と同様に、根に根粒菌を寄生させています。この根粒菌は植物にとって大切な栄養素である窒素を固定させるので、土壌が肥沃になります。さらに花が終わった蓮華を田植え前に土壌に漉き込めば、そのまま緑肥にもなります。蜜源植物であり、緑肥にもなる蓮華は、私たちの生活中で大切な有用植物でした。
化成肥料が無かった時代、育てる植物も肥料も、全てを自然のもので賄っていた、素敵な時代です。
蓮華の花の育て方
雑草として道端に生えているのも見かけないし、田畑にも植えられていなとなると、どこで蓮華の花を見たらいいのでしょう。
蓮華は越年草、サイクルを知る
自宅で蓮華を楽しんでみませんか。蓮華は種を秋にまいて、春に開花する植物です。蓮華の種を手に入れたら、秋まで冷暗所で保存して、秋にまいてみましょう。
蓮華の育て方
蓮華は秋に発芽して冬を越し、春に開花する越年草です。秋の暖かい日に土に種をまいたら、軽く土をかけておきます。冬の間も忘れずに水やりを行います。
翌春の桜が終わった頃に開花しますので、葉が繁るに任せて花を待ちます。
蓮華の種の収穫
花後は種子が出来るので黒っぽく熟すのを待って収穫したら冷蔵庫などで保存します。種を収穫した後の蓮華は、そのまま土に漉き込んでしまえば土が肥沃になります。
保存しておいた種を秋にまけば、また来年も蓮華の花に出会えます。
見ているだけで心が和らぐ蓮華の花。愛らしい春の象徴のような野花なのに、いつの間にか多くの人の記憶から消え始めています。もう一度、蓮華のかわいらしさを見直してみませんか。
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