夏の庭や花壇におすすめ!形のユニークな二年草、チーゼル
金子三保子
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チーゼル
トゥデイズプランツ、今回ご紹介するのは「チーゼル」
チーゼルは7月~9月に薄紫色の花を咲かせるマツムシソウ科の背丈の高い二年草。
初めてこの花を見たのは、切り花として仕入れた時でした。「花のあとの実?」と思ったのですが、これがつぼみでした。チーゼルのつぼみは、鋭いトゲ状の総苞に囲まれた楕円形の形をしています。その苞の隙間から薄紫の花が無数に開花します。この鋭いトゲ!素手で触るととても痛い……
チーゼルの花の咲き方は独特で、花の周囲を取り囲むように輪状に薄紫色の花が上から開花し、徐々に下に咲き進みます。徐々に咲き進む花は、下から上に咲き進む花が多い気がするのですが、チーゼルは逆。咲き始めの見た目はつぼみにリースの冠でもつけているような、かわいらしい見た目です。
花は二年草で開花後に寿命を終えますが、茶色く立ち枯れた姿も美しく、見ごたえがあります。花後の果実はそのまま乾燥させるとドライフラワーとしても楽しめ、流通もしています。
チーゼルは花や花の下、茎に鋭いトゲがあります。切り花として扱う時には要注意。2m前後になる草花なので、切り花でも70~80cmくらいの長い丈で流通します。フォルムのユニークな花材なので、大きな花あしらいのアクセントに重宝します。
チーゼルは化学薬品のなかった時代には薬草(ハーブ)として利用されていましたが、現在は主に園芸や果実をクラフトの材料として利用されています。別名の羅紗掻草(ラシャカキグサ)は、花後の果実を乾燥したものを羅紗(毛織物)を毛羽立てるのに使われていることからです。確かにドライフラワーになったチーゼルはたわしを思わせる形です。
チーゼルは二年草で、1年目はロゼット状の葉を形成し、2年目に花茎が立ち上がり、分枝して茎先にたくさんの花が開花します。最終的には背丈が2m前後になる大型の草花で、庭のアクセントになる存在です。
▼チーゼルの育て方
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