大豆(ダイズ)とは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- 大豆(ダイズ)
- 学名
Glycine max
- 英名
- Soybeans
- 和名
- ダイズ
- 科名
- マメ科
- 属名
- ダイズ属
- 原産地
- 中国・日本
大豆(ダイズ)の特徴
家庭菜園の中でも比較的簡単に栽培できる大豆は夏に収穫すると枝豆として、秋収穫すると大豆として収穫できます。
葉は先のとがった卵型で、花は5~8月にスイートピーのような白や紫色の花を咲かせます。花が咲いた後に結実し中に2~3個の豆がはいった莢がつきます。
大豆にはたんぱく質が3割ほど含まれ「畑の肉」と呼ばれていて、味噌や醤油、豆腐等古くから加工品としても食べられていました。
国産大豆だけでも500種ほどあるといわれています。また極早生品種から晩生品種までありますので種まき時期にあった品種を選びましょう。代表的なものは黄大豆の「エンレイ」「サチユタカ」「ユキホマレ」、黒大豆「丹波黒」、その他青大豆や赤大豆などもあります。
大豆は一般的には、中国原産とはいわれていますが、日本に自生する野生のツルマメとよく似ており、そのツルマメから栽培されたとも考えられ、中国・日本それぞれの地域で栽培化されたという説もあります。
大豆(ダイズ)の詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
---|---|
草丈・樹高 | 50~80cm |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | やや弱い |
花色 | 紫、白 |
開花時期 | 6~8月 |
大豆と枝豆
原産地の中国や最大の生産量を誇るアメリカでは大豆を枝豆のように早どりして食べる習慣はありませんでした。日本向けの枝豆を生産するようになってから中国やアメリカでも枝豆として食べるようになりました。
枝豆という名前の由来は昔、枝に豆をつけたままゆでたことに由来しています。現代でも他のマメ類は莢で販売されているのに枝豆は枝や葉がついたまま売られているものがあります。これは枝から豆の莢を外すと食味が一気に低下してしまうからです。
大豆の栄養
大豆は、「畑の肉」と呼ばれるほど栄養が豊富な食材です。たんぱく質や脂質、炭水化物、ビタミンE、カリウム、カルシウム、食物繊維、などが多く含まれます。また、大豆に含まれるポリフェノールの一種である大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンに似た働きをすると言われています。
大豆の保存方法
密封包装されたものは風通しの良い場所で保存。保存は常温でも可能ですが、冷蔵庫の野菜室などを利用すれば最良の状態で保存できます。
大豆の調理方法
大豆の3~4倍量の水に一晩つけ、大豆のしわがすっかりのびて楕円形になったらゆでます。ゆでたものを、煮豆、五目豆、サラダ、炒め煮などに使います。黒大豆はおせち料理の黒豆として欠かせません。ゆでた大豆を缶詰やパック加工してあるものを使うと、調理時間が短縮できて気軽に大豆を料理に取り入れることができます。
節分の大豆の食べ方
節分の豆まきに使った豆は余ってしまうことが多いですが、簡単に食べるレシピがあります。節分豆は煎った大豆なのでミキサーに入れて粉末になるまでまわし、きな粉にして保存容器にいれておきます。きな粉をヨーグルトにかけたり牛乳と混ぜたり、餅やトーストにかけたりときな粉であれば美味しく手軽に活用できます。またミキサーにかけるだけではつぶつぶ感が残ってしまうので、茶こしでこすと購入したようなさらさらのきなこになります。
大豆(ダイズ)の栽培環境
日当たり・置き場所
大豆は日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
大豆の生育適温は20~25℃です。寒さに弱く、温暖な環境を好みます。
用土
土質はあまり選びませんが保水性があり有機質を多く含む粘土質の弱アルカリ性の土地を好みます。
大豆をプランターで栽培する大豆は、野菜用の培養土で育てましょう。畑栽培の大豆は、堆肥や元肥を入れる2週間前位には石灰を入れ耕しましょう。その後堆肥と元肥を入れ土になじませましょう。
大豆(ダイズ)の育て方のポイント
水やり
水やりは畑の場合も10日ほど雨が降らず乾燥するような場合は行いましょう。開花期に土が乾燥すると実入りが悪くなったり実が落ちてしまったりします。鉢植えの場合は表土が乾いたらたっぷりとやります。
肥料
マメ類は根粒菌があるため窒素分を固定できるので、窒素分が多いと実がならない「つるボケ」状態になります。肥料の施しすぎには注意が必要です。草丈が20cmほどに伸びたら株元に肥料を施して土寄せします。その後収穫までに2回ほど追肥と土寄せをします。窒素分に偏った肥料では茎と葉ばかりが茂りますので、リン酸とカリ分の多い肥料にしましょう。
大豆(ダイズ)の詳しい育て方
選び方
本葉が2~3枚ほどの苗を選びます。根が回りすぎているものや葉が黄色くなっているもの、病害虫のあるものは避けましょう。
種まき
そのままでも発芽しますが、一晩水に浸してから種まきをするといいでしょう。
豆類は最初にお水をたっぷり与えたら、発芽するまでは水やりは控えましょう。
25cm間隔で1か所につき3~4粒まきます。覆土は2cmほどして水やりをたっぷりします。鳥にタネを食べられてしまう被害がある場合は不織布をかけておき発芽したらはがすようにしましょう。
植え付け
大豆などの豆類は、発芽して本葉が出てしまえば、鳥の被害はなくなります。土に育苗ポットと同じサイズの穴を掘って苗をポットの土ごと穴に植えます。上から土を軽くかけたっぷりと水をやりましょう。枝豆の根はとても傷つきやすいのでやさしく扱います。
剪定・切り戻し
特に必要ありませんが、収量を増やすために、本葉が4~5枚の頃、摘芯することがあります。
花
紫や白の小さい花を次々と咲かせます。花が咲いた後に枝豆ができます。
収穫
大豆の莢がふくらんで豆が柔らかいうちに株ごと抜いて収穫すると枝豆として食べられます。大豆として収穫する場合は、そのまま秋の終わりごろまで栽培を続け、完全に葉が落ちて茎も乾いたころに、大豆の莢を振って豆がカサカサと音がしたら株ごと抜いて大豆を収穫します。