ビーツの美味しい食べ方・種類・栄養・保存方法|簡単レシピ12選
とまつあつこ
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ビーツとは?ビーツは生で食べられる?茹でた方がよい?ビーツの美味しい食べ方や簡単レシピを12種類紹介します。ビーツの葉茎は、ホウレンソウをカラフルにしたような姿で、肥大した根の部分は赤カブにも似ています。畑で3種類のビーツが収穫できたので、調理法を変えていろいろ作ってみました。種類や栄養、保存方法についてもお話しします。
(撮影協力/アグリス成城)
目次
ビーツとは
ビーツはどんな野菜?
ビーツは赤カブに似ていますが、カブはアブラナ科で、ビーツはアカザ科の野菜。スイスチャードやホウレンソウ、甜菜と同じ科に属します。そのため、茎葉はスイスチャードやホウレンソウに似た味で、丸く育つ根の部分はほんのり甘味を感じます。ごぼうのような、とうもろこしのような、独特な土の香りもします。生だとカブよりも固い食感ですが、ゆっくり火を通すと柔らかくなって甘味が増します。カブのようには煮崩れしません。
ビーツといえば、ロシア料理のボルシチに欠かせない野菜。日本ではそれほど頻繁に食べるイメージはありませんが、サラダやピクルス、マリネなどにビーツが入っていると、ぐっとおしゃれ感が強まる。そんな存在感がある野菜です。
ビーツの種類
ビーツ(デトロイト・ダークレッド)
まさにボルシチ色のビーツ。強健で育てやすい品種です。
ビーツ(ゴルゴ)
表皮は赤色で、輪切りにすると紅白の年輪模様が美しいビーツです。
ビーツ(ルナ)
表皮は濃いオレンジ色で、断面は黄色の可愛いビーツです。
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ビーツの栄養
ビーツは、「飲む血液」「食べる輸血」「スーパーフード」と言われることがあるほど栄養価が高い野菜。カリウム、葉酸、ポリフェノール(ベタシアニン)などが多く含まれます。肥大した根の部分は表皮も断面も鮮やかな赤色で、その色の正体はポリフェノールの一種であるベタシアニンの色素だそうです。抗酸化作用があり、活性酸素を除去してくれるポリフェノールを含むため、老化防止や生活習慣病の予防に効果が期待されています。
ビーツの食べ方・下処理
ビーツは生で食べられる?
ビーツは、必ず火を通さなければ食べられない野菜ではありません。
若くて柔らかい茎葉はそのままサラダに使って美味しく食べられます。根の部分は、火を通さずに皮をむいてスライスして使うこともできます。
まな板に赤い色がつくと取れにくいときがあるので、ラップを敷いたり、牛乳パックを広げてまな板代わりにしてもいいですね。
茎葉をさっと茹でる
太く大きく育った茎葉は、ホウレンソウのようにさっと茹でた方が食べやすいです。また、ビーツはホウレンソウと同じく「シュウ酸」という「あく」の成分を含むため、「シュウ酸」が気になる場合は下茹でしたり水にさらしてから食べるとよいでしょう。
根は茹でる?オーブンで焼く?
根の部分については、個人的には、50分くらいかけてまるごと茹でたり、オーブンで焼く下処理をしてから料理に使う方がより美味しく感じます。ひと手間ではありますが、下処理をすると土臭さが抜けて、甘味が増すのでおすすめです。
茹でたものとオーブンで焼いたものを食べ比べましたが、違いはあまり感じませんでした。どちらにしても、茹でたてや焼きたては、甘くて美味しくて味見が止まりません(笑)
根の茹で方
茎葉をカットして根の部分をしっかり洗います。皮をむくと成分が流れ出てしまうので、皮はむかずにそのまま茹でましょう。
かぶるくらいの水を入れて、お酢(またはレモン汁)と塩を少々加えて50分くらい弱火で煮ます。お酢やレモン汁を加えると、ビーツの赤色が鮮やかに茹で上がります。サイズが小さい場合は、茹で時間を少なめに調整しましょう。茹でるときに蓋をすると、土臭さがこもってしまうので、蓋はしない方がよいです。
茹で上がった様子です。皮は手でつるんとむけます。
輪切りにすると、年輪のような美しい模様が出てきます。
メニューによって切り方を変えて使いましょう。
根をオーブンで焼く方法
茎葉をカットして根の部分をしっかり洗い、皮をむかずに丸ごとホイルに包み、180℃に温めておいたオーブンで50分ほど焼きます。ビーツのサイズが小さいときは、焼き時間を少なめに調節しましょう。焼き上がると、皮は手でつるんとむけます。
ビーツの保存方法
冷蔵保存
収穫したビーツは水で洗い、茎葉を根から切り落とし、別々に分けて保存します。それぞれ、新聞紙やキッチンペーパーでくるんでからポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れましょう。美味しく食べられる保存期間は、茎葉は3日ほど、根の部分は1週間くらいです。
冷凍保存
茎葉を冷凍する場合
茎葉を冷凍する場合は、2つ方法があります。どちらも1か月くらいで食べきりましょう。
- 食べやすい大きさにカットして、生のまま冷凍用保存袋に入れて冷凍庫に入れる。
- 熱湯でさっとゆで、軽く水気を絞り、食べやすい大きさにカットしてラップで小分けにした後、冷凍用保存袋に入れて冷凍する。
根を冷凍する場合
根の部分は、「茹でる」または「オーブンで焼く」などの方法で火を通した後、皮をむいてスライスしたり角切りにした状態でラップに小分けに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。美味しく食べられる保存期間は3か月ほどです。
ビーツのレシピ➀サラダ
材料(2~3人分)
- ビーツ2種 半分ずつ
- バルサミコ酢 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩・コショウ 少々
- クリームチーズ 適量
作り方
- ビーツ2種(デトロイト・ダークレッドとゴルゴ)を生のまま皮をむいて薄くスライスします。
- ビーツをお皿に並べて、塩・コショウをかけます。
- 小さく切ったクリームチーズをのせ、バルサミコ酢、オリーブオイルをかけます。
作った感想
まさに、ビーツのお刺身。バルサミコ酢とクリームチーズの酸味がビーツとよく合います。簡単で美味しくて、お酒のおつまみとしてもさっと作れます。
ビーツのレシピ➁マリネ
材料(2~3人分)
- 下茹でしたビーツ 半分
- タコ(刺身用) 100g
- タマネギ 1/4個
- ひよこ豆缶詰 1缶
- すし酢 大さじ2
- バルサミコ酢 大さじ1
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩、コショウ 少々
作り方
- 下茹でしたビーツを角切りにします。
- タコを食べやすいサイズに切ります。
- タマネギをみじん切りにして10分ほど水にさらし、水を切ってかるく絞ります。
- 材料を全部混ぜ合わせて完成です。
作った感想
ビーツの色がタコにもうつって全体がピンク色のマリネになりました。さっぱりしていて暑い日にも食が進むメニューです。
ビーツとタマネギだけでもシンプルで美味しいマリネができます。
ビーツのレシピ➂ビーツ入りポテトサラダ
材料(2~3人分)
- 下茹でしたビーツ 1個
- ジャガイモ 2個
- タマネギ 1/4個
- マヨネーズ 大さじ4~5
- お酢 大さじ1
- 塩・コショウ 少々
作り方
- 下茹でしたビーツを角切りにします。
- ジャガイモの皮をむき、乱切りにして茹でます。
- ジャガイモに火が通ったらお湯を捨て、熱いうちにジャガイモをつぶしてお酢をかけて混ぜます。
- タマネギをみじん切りにして10分ほど水にさらし、水を切ってかるく絞ります。
- ビーツ、ジャガイモ、タマネギを合わせ、マヨネーズ、塩・コショウを加えて混ぜます。
作った感想
ジャガイモにビーツを合わせると、ピンク色のポテトサラダができました。色が華やかなので、パーティーメニューにもぴったりです。
バゲットにビーツ入りポテトサラダをのせて、生のビーツをカットしたものとサワークリーム、ディルをトッピングしました。クラッカーにのせたり、サンドイッチの具に使っても美味しいです。
ビーツのレシピ➃和風ディップ
材料(2~3人分)
- 下茹でしたビーツ 半分
- ニンニク 1片
- 味噌 小さじ1
- サワークリーム 大さじ2
- すりごま 小さじ1
- オリーブオイル 大さじ2
- 塩・コショウ 少々
作り方
作った感想
和風ディップは、スティク状に切った野菜につけたり、バゲットにのせると美味しいです。野菜は特にニンジンと相性が良いと思いました。
ビーツのレシピ➄デザートディップ
材料
- 下茹でしたビーツ 1個
- サワークリーム 大さじ2
- クリームチーズ 15g
- ヨーグルト 大さじ1
- はちみつ 大さじ1
- ナッツ(砕いたもの) 少々
- バゲット 適量
作り方
- 下茹でしたビーツを乱切りにします。
- ナッツ以外の材料をすべてフードプロセッサーに入れて混ぜます。
- バゲットにデザートディップをのせて、砕いたナッツをトッピングします。
作った感想
デザート感覚の甘めのディップです。サワークリームの酸味が効いて美味しいです。バニラアイスやパンケーキに添えても合います。
ビーツのレシピ➅ビーツの茎葉を使ったスープ
材料(2~3人分)
- ビーツの茎葉 6枚
- ベーコン 2枚
- ジャガイモ 1個
- ニンニク 1片
- コンソメ 5g
- オリーブオイル 大さじ2
- 水 600ml
- 塩・コショウ 少々
作り方
- ビーツの茎葉を洗ってざく切りにします。
- ベーコンを1cm幅に切り、ジャガイモを角切りにします。
- ニンニクをみじん切りにします。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、ニンニク、ベーコン、ジャガイモを炒めます。
- 水とコンソメを加え、沸騰したら中火にして2~3分煮ます。
- ビーツの茎葉を加えて茎葉がしんなりしたら、塩・コショウで味を調えて完成です。
作った感想
ビーツの葉っぱが、なめらかでやわらかくて美味しいです。甘くてえぐみも少なくとても食べやすかったです。
ビーツのレシピ➆ポタージュスープ
材料(2~3人分)
- 下茹でしたビーツ 半分
- ジャガイモ 1個
- タマネギ 1/2個
- コンソメ 5g
- 水 300ml
- 牛乳または豆乳 200ml
- 生クリーム 大さじ3
- パセリ 少々
- 塩・コショウ 少々
作り方(韓国風にする場合)
- 下茹でしたビーツを乱切りにします。
- ジャガイモを乱切りし、タマネギを薄切りにします。
- 鍋にジャガイモ、タマネギ、水、コンソメを入れて10分ほど茹でて、粗熱を取ってから煮汁ごとミキサーにかけます。
- ミキサーにかけたものを鍋に戻し、牛乳または豆乳を加えて火にかけて温め、塩・コショウで味を調えます。
- お好みで生クリーム、パセリを飾って完成です。
作った感想
まろやかでミルキーでとても美味しくできました。パセリが無かったので、ビーツの葉を刻んでトッピングしました。
ビーツのレシピ⑧クリームシチュー
材料(5皿分)
- 下茹でしたビーツ 1個
- ニンジン 1本
- ジャガイモ 2個
- タマネギ 1個
- ブロッコリー 1個
- 鶏肉 250g
- 水 700ml
- 牛乳または豆乳 100ml
- シチューの素 1/2箱
- サラダ油 大さじ1
作り方
- ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、ブロッコリー、鶏肉を食べやすい大きさに切ります。
- 厚手の鍋にサラダ油を熱し、ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、鶏肉を炒めます。
- 水を加え、沸騰したらあくを取り、具材が柔らかくなるまで中火で10分ほど煮ます。
- 火を止めてブロッコリーを加え、ルウを加えて溶かし、弱火でとろみがつくまで5分ほど煮ます。
- 牛乳を加えてさらに5分ほど煮たら完成です。下茹でしたビーツを角切りしてトッピングします。
作った感想
今回は、下茹でしたビーツを角切りにしてトッピングして使いました。オレンジ色のビーツ(ルナ)を使ったので、ニンジンと色が似ています。丸くカットしてあるのがニンジンで、小さな角切りが下茹でしたビーツです。生のビーツを他の野菜と一緒に煮込んで使うこともできます。(下茹でしたビーツを使うよりは、多少土の香りが強くなります。)クリーム系に合うことがわかったので、グラタンの材料にも美味しく使えるなと思いました。
ビーツのレシピ➈バター炒め
材料(2人分)
- 下茹でしたビーツ 半分
- ビーツの茎葉 3枚
- バター 10g
- オリーブオイル 大さじ1
- 塩・コショウ 少々
作り方
- 下茹でしたビーツを角切りや輪切りにします。
- ビーツの茎葉を洗ってざく切りにします。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ビーツの茎葉を炒め、しんなりしてきたら下茹でしたビーツを加えて炒めます。
- 最後にバターを入れて溶かし、塩・コショウで味付けして完成です。
作った感想
ビーツの甘味とバターがとても合います。マッシュルームやエリンギなどを加えるのもおすすめです。
ビーツのレシピ⑩茎葉を使った餃子
材料(30個分)
- ビーツの葉茎 8~10枚
- ひき肉 200~300g
- えび 150g
- ネギ 1/3本
- ニンニク 2片
- 餃子の皮 30枚
- ごま油(餃子のたね用) 大さじ1
- ごま油(餃子炒め用) 大さじ1
- ごま油(餃子仕上げ用) 大さじ1
- お湯 100ml
- 酒 大さじ1
- 醤油 小さじ1
- 塩 小さじ1
- コショウ 少々
作り方
- ビーツの茎葉、ネギを細かく切り、ニンニクをすりおろします。
- エビを小さく切ります。
- ひき肉とエビに酒をふりかけ、もみ込みながらよく混ぜ、ビーツの茎葉、ネギ、ニンニク、醤油、塩、コショウを加えて混ぜます。
- よく混ざったら、最後にごま油大さじ1を加えて混ぜます。(餃子のたねが完成)
- 餃子の皮に、餃子のたねをのせて周りに水をつけ、ひだを寄せながら包みます。(お皿に片栗粉を敷いておくと餃子がくっつきません。)
- フライパンにごま油大さじ1を熱し、餃子を並べます。
- 皮に少し焦げ目がついてきたら、フライパンの縁からお湯を回しかけ、蓋をして7~8分蒸し焼きにします。
- 水分がなくなってきたら蓋を取り、ごま油大さじ1を回しかけ、カリっと焼き上げます。
作った感想
茎がシャキシャキした食感で、葉はほんのり甘くホウレンソウのようです。ポン酢がよく合う美味しい餃子ができました。珍しい野菜が苦手でビーツを敬遠していた家族もモリモリ食べました。ピンク色の具がすけて見えて、ちょっと変わり種の餃子として面白いです。
ビーツのレシピ⑪スムージー
材料(1人分)
- 下茹でしたビーツ 1/4個
- バナナ 1/4本
- サワークリーム 大さじ1
- ヨーグルト 大さじ3
- 牛乳または豆乳 100ml
- はちみつ 小さじ1
- レモン汁 小さじ1
作り方
- 材料を全部ミキサーに入れてスイッチを押します。
作った感想
暑い日は、冷凍しておいたビーツやバナナを使うと、シェイクのようでさらに美味しいです。サワークリームやレモン汁を入れることで、ビーツの土臭さが消えて爽やかでまろやかな味にまとまります。
ビーツのレシピ⑫ピンク色のゆで卵
材料(4個分)
- ゆで卵 4個
- 赤いビーツのゆで汁 容器に入れたゆで卵がかぶるくらいの量
- お酢 大さじ2
- 砂糖 大さじ1/2
- 塩 小さじ1/2
作り方
- タッパーなどの容器にビーツのゆで汁、お酢、砂糖、塩を入れて混ぜ、そこに殻をむいたゆで卵を入れます。
- そのまま数時間浸けておくと、ピンク色の卵が出来上がります。
作った感想
今回は、赤いビーツのゆで汁を使って色付けしました。味付けは控えめなので、サラダにのせてドレッシングやマヨネーズなどをかけると美味しいです。ビーツのマリネやピクルスを作ったときにできる赤紫色の汁にゆで卵を浸けておくだけでも簡単にできますね。
ビーツを食べよう♪
ビーツは、日本では珍しいおしゃれ野菜のイメージがありますが、ヨーロッパやアメリカではごく普通の野菜だそうです。色がきれいで栄養満点なビーツを思い切り食べたいと思い、今年は3種類のビーツを育ててみました。
ビーツは独特な土の香りがするので、下茹でをしたり、サワークリームやお酢、レモン汁などの酸味を加えると、とっても食べやすく美味しくなることがわかりました。ボルシチにサワークリームがのっているのはそういうことなのねと実感しました。たくさん収穫して冷凍保存もしたので、しばらくビーツが楽しめて嬉しいです。
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