編集部のこぼれ種#42「三浦半島の小網代の森(こあじろのもり)に行ってきました♪」

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戸松敦子

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植物と一緒に暮らしているLOVEGREEN編集部の、何気ない出来事や発見、雑談などなど……日々の一部をふらっとのぞいてみてください。今回は、神奈川県の三浦半島にある自然豊かな小網代の森(こあじろのもり)に行ってきたお話です。

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

小網代の森は、三浦半島の相模湾に面した約70ヘクタールの森です。森の中央には浦の川が流れ、川の源流から海までの生態系が自然のまま残されている大変貴重な緑地と言われています。流域には、アカテガニをはじめとした希少種を含む様々な動植物が生息しています。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

森から湿地、干潟、海への自然の移り変わりを見ることができる散策コースを歩きました。森と言ってもきちんと散策路がつくられているのでとても歩きやすいです。(ペット連れの入場はNGと書いてありました。)

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

散策路の周りには、ジャングルのようなワイルドな森が広がっています。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

足元にもシダ類などの様々な草が茂っていて、散策路の道と空以外は、すべて植物に覆いつくされている状態です。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

まるで、大自然のランウェイのような。植物好きにとって最高のランウェイです(笑)

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

クサギ(臭木)

クサギ(臭木)の花が咲いていました。訪れたのは7月末で、日なたにあるクサギは満開、木陰にあるクサギは蕾がほころんで咲き始めた様子でした。葉を摘むと独特の香りがすることからクサギ(臭木)という名が付いたそうですが、花はジャスミンに似た甘い香りがして、まわりに良い香りを漂わせていました。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

オオシオカラトンボと思われるトンボが、人なつこく!?しばらくの間、仲間の腕にブローチのようにとまって一緒に散策しました。(^^)

オオシオカラトンボは、小網代の森では5月~11月まで「やなぎテラス」から「えのきテラス」までの湿地部で見られるそうです。川の上流から中流、中流から下流、池のそば、湿地などの違いにより、生育しているトンボが違うことも知りました。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

小川に水が流れています。とても暑い日だったのですが、時折どこからかひんやりとした涼しい風が吹いてくるのを感じました。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

コガマ

コガマも見ることができました。チョコレートのお菓子のような、フランクフルトのようなユニークな形が可愛いですね。近年では、湿地の開発などによりコガマの生育に適した環境が失われてきているそうです。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

ハマカンゾウ

「えのきテラス」周辺には、ハマカンゾウの保護育成地がありました。ハマカンゾウは7月末から咲き、見頃の8月中旬にはこのあたり一面が鮮やかなオレンジ色になるんですって。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

アカテガニ

アカテガニは、水から離れて暮らすことができる不思議なカニです。小網代の森は、海と川と森がつながっているため、アカテガニにとってとても棲みやすい環境だそうです。

自然保護団体の方たちが活動している場所を偶然通りがかり、保全活動の歴史を教えてもらったり、草刈り作業中に保護したアカテガニを見せてもらうことができました。アカテガニ、なんだかにっこり笑っているように見えます。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

1960年代に水田が終焉した後、水田は徐々にアシやオギの湿原に変わり、その後巨大なササ原につる草が覆う深い藪になってしまったそうです。そのササ原を伐採し、オギの湿原に戻す作業を何年もかけて行った作業記録が「えのきテラス」に掲示してありました。写真の「ササに埋もれたエノキ」にご注目!

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

「ササに埋もれたエノキ」とは、ササに埋もれたエノキの木。その後ササ藪から救出され、今ではそのエノキの木がシンボルとなる「えのきテラス」が設置されています。訪れた人が腰をかけて休めるような憩いの場所です。ササに埋もれていたエノキが、イキイキした美しい姿で憩いの場の木陰を作っているなんて本当に感慨深いですね。ちなみにエノキは、多くの昆虫や野鳥にも好まれる木だそうです。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

湿原を過ぎると干潟に到着し、小綱代湾に出ました。このあたりは、タイミングが良ければ求愛ダンスをするたくさんのカニの姿が見られる場所。アカテガニの放仔観察会も行われているそうです。

今回は、満潮のため岩の下に隠れている数匹のカニしか見ることができませんでした。残念。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

シーボニアに向かう途中、鳥居に大木がからみつくように伸びている、とても趣のある神社を発見。思わずお参りをしました。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

シーボニアに到着。大きなヤシの木やデイゴの木と、南国のようなマリンリゾートの雰囲気に魅了されました。

 

小網代の森 こあじろのもり 三浦半島 神奈川県

帰り道、静かな海辺で磯遊びもできました。(^^)

今回訪れた小網代の森は、森、湿地、干潟、海までがつながって残されている多様性に富んだ奇跡の森であることを知りました。そして、小網代の森の自然は、手付かずの森ではなく、多くの人の保全活動により守られていることも教えてもらいました。自然保護団体の方たちの小網代の森を守る強い熱意と愛情が伝わってきました。小網代の森、とっても素敵な場所でした。ぜひ、皆様も訪れてみてくださいね。

 

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戸松敦子

グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスター、野菜ソムリエ、家庭菜園検定2級。園芸業界で植物全般を幅広く学び経験してきました。LOVEGREEN編集部では主に寄せ植えやリース作り、ボタニカルピープルなどの取材を担当。人が植物と心地良く暮らし、その幸せの連鎖が世界中に広がっていくことを願います。趣味はママさんサッカー。都大会優勝を目指して日々練習しています。

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