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朝顔の育て方|種の芽切りや摘芯で発芽率アップ! 花数が増す!?

朝顔は小学校1年生の頃、みなさんもを育てた経験があるかと思いますが「どうして朝顔なんだろう?」と改めて考えてみると、どうやら様々な魅力があるようです。

例えば…

・種から誰でも育てることができる。

・つるを伸ばし、ぐんぐん生長する。

・子供たちの登校する朝に美しく咲いてくれる。

・花びらで色水が作れる。

・種も採取できるため、次の世代につないでいくことを実感する。

・日本の伝統園芸の一つである。

こうして、改めて考えてみても、朝顔って素敵な花ですね。

懐かしさも手伝って、日本の代表的な夏の花「朝顔」を育ててみましょう。

目次

朝顔とは

西洋アサガオ  一年草のアサガオの花の色は青や紫、中にはピンクがかった色や複色などさまざまな品種があります。アサガオの花形は円錐形で、ラッパの先端のように開きます。

西洋アサガオ

一年草の朝顔の花の色は青や紫、中にはピンクがかった色や複色などさまざまな品種があります。朝顔の花形は円錐形で、ラッパの先端のように開きます。

 

左:朝顔(アサガオ)のつぼみ 右:しぼんだ朝顔(アサガオ)の花

左:朝顔のつぼみ 右:しぼんだ朝顔の花

朝顔は花が開いたあとは内側に籠るようにして閉じていきます。

現在朝顔の属するヒルガオ科サツマイモ属は、中央から熱帯アメリカが原産地であるといわれています。日本で栽培されているアジア産の朝顔と、それ以外の朝顔では花芽のできる日長感受性に違いがあり、メキシコ原産の朝顔は夜に咲く品種もあるんです。

アジア系統の朝顔は、冬を過ごさなければならないため、種子を残そうとして、日が短くなると花を咲かせる短日性の植物として変化を遂げました。

また、琉球アサガオと呼ばれるノアサガオは、主に関西以南で冬に茎葉が枯れたら地上部を切りマルチングなどをすることで冬越しできる宿根草の品種もあります。

朝顔の歴史

朝顔(アサガオ)は古典園芸植物(伝統園芸植物)の中でも唯一の一年草の植物です。江戸に一大ブームを巻き起こした朝顔(アサガオ)は、一年草という特徴から他の古典園芸植物よりも多く品種を作り出しました。愛好家の中で品種を競う「朝顔番付」も関西や関東で盛んに品評会が開催された記録が残っています。

朝顔は古典園芸植物(伝統園芸植物)の中でも唯一の一年草の植物です。江戸に一大ブームを巻き起こした朝顔は、一年草という特徴から他の古典園芸植物よりも多く品種を作り出しました。愛好家の中で品種を競う「朝顔番付」も関西や関東で盛んに品評会が開催された記録が残っています。

遺伝子の法則も植物の受粉の仕組みも解明されていない中で、朝顔は愛好家たちのもと特殊な栽培技術で数千種類にも及ぶバリエーションが生み出されました。

こんなにも日本人に愛された朝顔ですが、原産地は日本ではありません。奈良時代に中国からもたらされたといわれる朝顔は、当時は薬草(下剤)として持ち込まれました。そのうちに、花が美しいことから観賞用にも栽培されるようになりました。

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朝顔の種のまき方

小学生の時に育てた朝顔を大人になった今みなさんは自信をもって栽培することができますか?実際に種をまいてみると、朝顔が思うように芽が出ないなんてことはありませんか?

朝顔の種をまく時の種の向きも重要なポイントですので、この機会におさらいをしてみましょう。

朝顔の種まき

1. 1.5cm程の穴をあけます。(人差し指の第一関節より少し短い位)

1. 1.5cm程の穴をあけます。(人差し指の第一関節より少し短い位)

 

2. 芽切りした部分を上に向けて土に埋めます。

2. 芽切りした部分を上に向けて土に埋めます。

 

3. 土をかぶせて完成です。

3. 土をかぶせて完成です。

朝顔の発芽適温

朝顔(アサガオ)は発芽するために最適な温度というものがあります。そのため、充分暖かくなった5月中旬~6月頃に種をまくといよいでしょう。

朝顔は発芽するために最適な温度というものがあります。そのため、充分暖かくなった5月中旬~6月頃に種をまくといよいでしょう。

朝顔の発芽適温は20~25℃です。霜に当てることは、絶対に避けましょう。

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朝顔の種の芽切り

さて、前年収穫した朝顔の種。そのままで種をまくつもりですか?

おそらく、それでは芽が出てくれないかもしれませんね。

続いては、朝顔の種の特徴をご紹介。朝顔の種の「芽切り」という方法を使って、芽出しを楽にしてあげましょう。

朝顔の種は硬実種皮

朝顔の種は「硬実種皮」といって、種皮が硬く水分を種子の内部になかなか浸透させないため、発芽できない性質をもっています。そのため、発芽させるためには「芽切りといって種に傷をつける処理が必要になります。(種苗会社で販売されている種には芽切り処理済のものがありますので、種袋をご確認ください。)

芽切り済みの朝顔の種  よくみると芽切り作業の後の傷が見えますね。

芽切り済みの朝顔の種

よくみると芽切り作業の後の傷が見えますね。

朝顔の種の芽切り方法

1. 芽切りをしていないアサガオの種は、紙ヤスリを使って芽切りをしましょう。まずは、アサガオの種のへそを見つけましょう。

1.  芽切りをしていない朝顔の種は、紙ヤスリを使って芽切りをしましょう。まずは、朝顔の種のへそを見つけましょう。

 

2. へその裏の部分を芽切りします。

2.  へその裏の部分を芽切りします。

 

3. 紙ヤスリを使い、種をこすって傷をつけます。

3.  紙ヤスリを使い、種をこすって傷をつけます。

 

4. へその裏の部分が、白くなるまで紙やすりでこすって完成です!  後は、先ほどご紹介した朝顔の種のまき方にそってまいていきましょう。

4.  へその裏の部分が、白くなるまで紙やすりでこすって完成です!

後は、先ほどご紹介した朝顔の種のまき方にそってまいていきましょう。

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朝顔の摘芯方法

ひたすらつるを伸ばして朝顔を育てるよりも、より多くの朝顔の花を咲かせる良い方法があります。それが次にご紹介する「摘芯」です。

朝顔の摘芯

朝顔(アサガオ)の仕立て方にもいろいろありますが、一般的な仕立て方として「摘芯」という作業があります。

朝顔の仕立て方にもいろいろありますが、一般的な仕立て方として「摘芯」という作業があります。

朝顔はつるを伸ばして生長するということを皆さんご存知ですが、そのまま伸びていくと「頂芽優勢」といって、植物の頂点の芽の生長が、わき芽の生長よりも優先されるため、花数もつるの数も増えなくなり、ボリュームの少ない朝顔になってしまいます。そのため、摘芯することでわき芽や花数を増やします。

朝顔の摘芯方法

1. 本葉が10枚ほどになったら、新芽をハサミか爪で切り取ります。  2. その下から出てくるわき芽を3本ほど伸ばしましょう。  3. アサガオは生長したわき芽から、さらにわき芽が出てきます。摘芯することで花がたくさんつきますが、早い時期に花をつけすぎるとつるの伸びが悪くなります。ある程度つるの生長度合いを見ながら、わき芽の摘芯をしてあげましょう。

1. 本葉が10枚ほどになったら、新芽をハサミか爪で切り取ります。

2. その下から出てくるわき芽を3本ほど伸ばしましょう。

3. 朝顔は生長したわき芽から、さらにわき芽が出てきます。摘芯することで花がたくさんつきますが、早い時期に花をつけすぎるとつるの伸びが悪くなります。ある程度つるの生長度合いを見ながら、わき芽の摘芯をしてあげましょう。

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朝顔の種の収穫

次の年にまくための種を収穫するところまでが、朝顔栽培の醍醐味(だいごみ)といえるのではないでしょうか。

1粒からこんなにたくさんの種を収穫できるのですから、来年はさらにたくさんの朝顔の花を咲かせることができますね。

朝顔の種の収穫

朝顔(アサガオ)の花後の種のふくらみ

朝顔の花後の種のふくらみ

朝顔の種は黒くて小さな粒です。花が終わり、何もない緑色の蕾だけが残ります。その内側に種が生成され、熟していくのです。採取のタイミングは緑が茶色に変化し、がくが反り返ったころです。内側から黒い種が見えてくる際に中から種を取り出すことが出来ます。莢から種が飛び出さないように、袋などを被せておくと安心です。

来年のために種を保存するときは、茶封筒に乾燥させた朝顔の種を入れ、さらに防虫効果のある乾燥した唐辛子を入れ、密封袋に入れ冷暗所で保存しましょう。

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朝顔の日頃の管理

つるを伸ばし真夏の朝に凛(りん)と咲く朝顔はとても清々しいものです。そんな朝顔の開花期は3ヶ月ほどあります。元気に生育させて花を長い間楽しみましょう。

つるを伸ばし真夏の朝に凛(りん)と咲く朝顔はとても清々しいものです。そんな朝顔の開花期は3ヶ月ほどあります。元気に生育させて花を長い間楽しみましょう。

朝顔の水やり

朝顔は生育初期の水やりは少なめ、花をつけだしてからは朝晩の水やりをたっぷり与えましょう。

耐暑性のある朝顔ですが、特に真夏の水やりは朝晩の涼しい時間帯に与えましょう。

朝顔の肥料

朝顔は窒素肥料を与えすぎるとつるボケといって、茎葉ばかり茂り、花付きが悪くなります。元肥を入れていれば、植え付け後から2週間ほどは肥料は不要です。その後は、1週間に1度液肥を与えると良いでしょう。肥料不足の合図として、朝顔の葉が黄色くなることがあります。

朝顔の花がら摘み

朝顔の花の時期は7月~9月という長い期間咲いてくれます。そのため、開花初期は花がしぼんだら花がらを摘み、種を作る体力を温存させましょう。

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朝顔の仕立て方

続いては、技を感じる朝顔の仕立て方です。江戸の古典園芸植物を感じさせる育て方で、大人の朝顔栽培をお楽しみください。

切込み作り

子づるを三本に仕立てた方法で、花の色や草姿を美しく咲かせる手法です。

仕立て方

1.  本葉が9枚まで生長したら、その9枚目の葉を手で摘み取る。

2. 翌日以降の晴れた日に本葉6枚目までを残して摘心します。

次に双葉、1枚目、2枚目の子づるを摘み取ります。肥料も施しましょう。

3. 3~5枚目から出る子づるが生長してきたら、各子づるの葉の1枚目についた蕾は摘み取り、2枚目と3枚目についた蕾を咲かせます。4枚目以降は摘心しましょう。

蕾に栄養を与えるために、リン酸、カリを多く含む肥料を施しましょう。

数咲き作り

6号鉢に朝顔を植え付け、5輪以上もの花を同時に咲かせる仕立て方です。

仕立て方

1.  本葉が8~9枚まで生長したら、本葉6枚目までを残して摘心します。3~5枚目から出る子づるだけを伸ばします。

2. 一番小さい子づるが10cmほどまで生長したら、各子づるの2枚目と3枚目の間で摘心します。肥料も施しましょう。

3. 各子づるから孫づるが生長し、孫づるに蕾がついてきたら、蕾を2~3個残し孫づるの先を切ります。

伸びたつるが放射状になるように、針金などを使用して土に固定しましょう。蕾に栄養を与えるために、リン酸、カリを多く含む肥料を施しましょう。

行灯作り

鉢植えに植えた朝顔を3本の支柱に巻きつけていく仕立て方です。一般的には子づる仕立てが多いようです。

本づる仕立て…本づるをそのまま伸ばす。

子づる仕立て…本づるを摘心して子づるを伸ばす。

孫づる仕立て…本づると子づるを摘心して孫づるを伸ばす。

仕立て方

1.  本葉が9~10枚まで生長したら、つるの先を摘み取ります。本葉6枚目までを残して摘心します。3~5枚目から出る子づるだけを伸ばします。

2. 翌日以降の晴れた日に本葉7枚目までを残して摘心します。

次に双葉、1枚目、2枚目、7枚目の子づるを摘み取ります。肥料も施しましょう。

3. 子づるが10cmくらいまで生長したら、親づるの7枚目の葉を摘み取ります。子づるの中から、太くて蕾のつきが良いものを1本だけ残し、翌日以降の晴れた日にそれ以外の子づるを切り取ります。

蕾に栄養を与えるために、リン酸、カリを多く含む肥料を施しましょう。

4. つるが30cmほど伸びたら支柱を3本立て、針金などで輪を3段ほど作りましょう。

5. 支柱の1段目の輪に、2/3ほど巻きつけたら、2段目のつるをはわせます。3段目の輪にをつるを少しはわせたらつるを切り取ります。

 

いかがでしたか?

毎年7月初めに開かれる東京都台東区入谷の朝顔市は、夏の風物詩です。夜遅くまで朝顔を求めて賑わう様子は、日本の夏を感じノスタルジックな気持ちにもなります。

みなさんも朝顔を育てて、日本の夏を感じてみてくださいね。

 

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