ホトケノザってどんな花?春の七草?ホトケノザの正体に迫る!
山田智美
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ホトケノザという花をご存知ですか?春になると様々な場所から顔を出し咲き始めます。よく見ると実は可愛いのにあまり目立たない花です。
春の七草のホトケノザとは何のことなのでしょうか。ホトケノザってどんな植物?食べられる?ホトケノザの冬の姿は?ホトケノザの魅力と真実について詳しくご紹介します。
目次
- ホトケノザの名前の由来と基本情報
- ホトケノザって食べられるの?
- 春の七草のホトケノザの正体
- ホトケノザと似ている植物
- ホトケノザの魅力はやっぱり蜜
- ホトケノザの花びらと不思議な花の仕組
- ホトケノザの冬の姿と越年草の仕組
ホトケノザの名前の由来と基本情報
ホトケノザ
- 別名:サンガイクサ(三階草)、ホトケノツヅレ(仏の綴れ)
- 学名: Lamium amplexicaule
- 科名:シソ科オドリコソウ属
- 分類:越年草
- 花期:3~6月
ホトケノザは、その葉の形が仏様の台座(蓮座)のように見えるというのが名前の由来です。また、葉が段状に付くところから3階建ての屋根に見立てて、「サンガイクサ」という別名を持っています。道端や田んぼの畦道、コンクリートの隙間など「こんなところにも?」って言いたくなるくらい、いろんなところに生えているホトケノザ。畑の付近や土が肥沃な場所では、ホトケノザが群生している様子をよく見かけます。子供の頃にホトケノザの蜜を吸って遊んだ記憶のある方も多いでしょう。
ホトケノザって食べられるの?
「ホトケノザ」と言えば春の七草です。春の七草は「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」でお馴染みですよね。春の七草と言えば、即座に七草粥を連想する方も多いのではないでしょうか。ところが、ここに危険なトラップがあるんです。この春の七草に含まれる「ホトケノザ」は、同じ名前の別な植物のことを指しています。道端に生えているホトケノザは食用にはなりません。うっかり食べてしまわないように気をつけてください。但し、絶対に食べてはいけないほどの毒性があるわけではありません。食用には向かない、という話です。
春の七草のホトケノザの正体
春の七草でのホトケノザとは、「コオニタビラコ」という植物のことを指しています。昔は同じホトケノザという名前で呼ばれていました。コオニタビラコの葉が放射状に広がる様子が、仏様の連座のようだというところから付いた名前です。
コオニタビラコはキク科の多年草です。緑少ない初春に花は咲いていないけれど、青々とした葉をつけたコオニタビラコは貴重な栄養源だったのでしょう。
ホトケノザと似ている植物
ムラサキケマンの花
ホトケノザと似ているようで似ていない植物たち。でもやっぱり似ているから時々間違えてしまうような、そんな植物をご紹介します。よく見て、ホトケノザとの違いを観察してみるのも楽しいのではないでしょうか。
ムラサキケマン
ケマンソウは、ケシ科キケマン属の多年草。筒状の紫色の花を咲かせます。花期は4~5月くらいで、ホトケノザと近い時期に咲きます。ラッパのような形の紫色の花がホトケノザに似ていることから、仲間だと思われがちですが別種です。このムラサキケマンには毒がありますので、間違っても口に入れることのないように注意してください。ホトケノザと間違えて蜜を吸ったりしないように気をつけてください。
ヒメオドリコソウ
ホトケノザとよく似た植物に「ヒメオドリコソウ」という植物があります。同じシソ科オドリコソウ属の多年草です。よく見るとホトケノザとヒメオドリコソウは花の形が似ています。
花も葉も小ぶりなヒメオドリコソウは、たまに切り花でも流通しています。学名の「ラミウム」という名前でも呼ばれ、園芸品種も流通しています。厳密には日本の在来種である「オドリコソウ」は押されがちで、淡いピンクも鮮やかに群生しているのは、外来種の「ヒメオドリコソウ」であることが多いです。外来種ですが、害草とされているわけではありません。
ホトケノザの魅力はやっぱり蜜
ホトケノザの最大の魅力は、その蜜ではないでしょうか。台座のような葉から花をそっと引き抜き、根元をちょっと吸うと、甘い蜜が舌の先に付きます。ツツジでもこんな遊びをした記憶があります。
ホトケノザはお花ひとつひとつが小さいので、収穫できる蜜もほんのちょっとです。特別においしいわけではないのですが、子供の頃に森や原っぱで遊んでいてホトケノザを見つけると蜜を吸うのが大好きでした。ホトケノザはサルビアと同じシソ科の植物です。そういえばサルビアの蜜もよく吸って遊んでいました。ホトケノザとサルビアはお花の形も似ています。
ホトケノザの花びらと不思議な花の魅力
ホトケノザの花は、よく見るととても変わった形をしています。花びらが分かれておらず、鳥のくちばしのような形をしています。これは「唇状花冠」といい、シソ科の植物によく見られる形です。上の唇と下の唇で雄しべ雌しべを隠すように保護しています。花粉の媒介者(つまり蝶や蜂たち)が蜜を吸おうと下唇に乗ると、重みで花が開く仕組みになっています。ホトケノザの花は、無駄に花粉をまき散らさないように出来ているのです。ホトケノザに限らず、自然界の仕組みには本当に感心させられます。
ホトケノザの冬の姿
ホトケノザの冬の姿はご存知ですか?ホトケノザは越年草です。越年草とは、秋に芽吹いて緑を絶やさず冬を越し、春に開花するサイクルの草花ことを言います。
ホトケノザの冬の姿を探してみました。花が咲いていないのでわかり辛いのですが、葉はしっかりホトケノザの特徴をしています。春が近づいてくると、ここから小さなピンク色の花が咲きます。
ホトケノザの秋
ホトケノザが秋にも咲いているのを見たことはありませんか。ホトケノザの開花期は春ですが、日当たりがよい場所では通年花を咲かせます。猛暑の頃は少し休みますが、秋にまた花が咲くのはそんなに不思議なことでもありません。
ホトケノザという草花について掘り下げてみました。日頃雑草と呼んでいるような植物も詳しく知ると急に愛着が湧いてきますよね。ホトケノザは田畑にも公園の花壇にも道路脇にも、身近なところに咲いています。散歩をしながらホトケノザを探してみてください。
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