かきつばた(杜若)とあやめの簡単な見分け方
峰亜由美
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初夏になり、吹く風も新緑の香りが届く頃「いずれがあやめか、かきつばた」の慣用句でもお馴染みの、かきつばた(杜若)の花が水辺で咲きはじめます。爽やかな風が葉の合間をスッと通り抜けてくるイメージが良く似合い綺麗な青色の花を咲かせます。かきつばた(杜若)とあやめの花は見分けがつかないくらいよく似ています。
今回は簡単な見分け方と、かきつばた(杜若)の育て方をご紹介します。
目次
かきつばた(杜若)ってどんな植物?
- 和名 杜若
- 学名 Iris lavigata
- アヤメ科アヤメ属
- 多年草
- 原産地 日本、朝鮮半島、東シベリア
かきつばた(杜若)は古来より日本にある植物で、江戸時代前半から観賞用に多くの品種が改良された古典園芸植物です。
かきつばた(杜若)の開花時期は夏の気配がしてくる初夏、5月~6月頃に、浅い水辺から50cm~70cmの丈を伸ばし深みのある鮮やかな青色の花を咲かせます。
かきつばた(杜若)は日本最古の和歌集である万葉集や900年代の書物、伊勢物語にも和歌で詠われ、その魅力は人々に愛され続けています。
江戸時代になると、かきつばた(杜若)といえば尾形光琳が描いた屏風絵で金箔六曲屏風「燕子花」と「八つ橋」が名高く、深い青色が印象的に描かれている、かきつばた(杜若)は世界最高峰の作品となっています。
時代を問わず芸術家の目をひき、人々の心を奪うほど美しいかきつばた(杜若)ですが、「いずれがあやめか、かきつばた」の慣用句がある様に江戸時代中期に入るとあやめ(菖蒲)の品種改良が進みあやめ(菖蒲)の人気が出てきました、よく似た花の形をしている事から、この2つの植物は比べられるようになり、どちらも素敵で選ぶのに迷うほどよく似ています。素敵な花を眺めながら、どちらにしようかな?と悩める喜びも幸せな時間ですね。
かきつばた(杜若)の花言葉
かきつばた(杜若)の花言葉は「幸運は必ず訪れる」です。
素敵な花言葉ですね。
かきつばた(杜若)とあやめ(菖蒲)の簡単な見分け方
かきつばた(杜若)とあやめ(菖蒲)の見分け方で一番わかりやすいのは、植えられている土の様子を見るのがわかりやすいです。かきつばた(杜若)は水辺で茎を出し花を咲かせ、あやめ(菖蒲)は乾燥した土から茎を出し花を咲かせています。切り花などで植えられている状態がわからない場合は花や葉の違いで見分けることができます。
かきつばたの特徴
- 場所 かきつばた(杜若)は浅い水辺に葉を伸ばし花を咲かせます。
- 花 かきつばた(杜若)の花は花びらの中央が真白な剣型の模様があります。
- 葉 かきつばた(杜若)の葉は幅が広く柔らかい葉をしています。
あやめ(菖蒲)の特徴
- 場所 あやめ(菖蒲)は乾燥した陸地に葉を伸ばし花を咲かせます。
- 花 あやめ(菖蒲)の花は花びらの中央に網目模様があります。
- 葉 あやめ(菖蒲)の葉は幅が細く固い葉をしています。
こちらは、かきつばた(杜若)。花を見ると、かきつばたの特徴である花びらの中央が白色になっています。
こちらは、あやめ(菖蒲)。花びらの中央部分に網目の模様があるのがよくわかりますね。
かきつばた(杜若)の育て方
かきつばた(杜若)は、育てるのが比較的簡単な植物です。プラスチック鉢でも陶器鉢でも水が溜まる鉢なら何でも育てる事が出来ます。好きな器で育ててみるのも素敵ですね。管理も簡単です。
植える時に準備するもの
- 水が溜まる鉢(プラスチック鉢でも陶器鉢でも水が溜まる鉢なら何でもokです)
- 赤玉土
- 水
植え付けの手順
- 鉢の7分目あたりまで赤土を入れます。
- 水を土の高さまで入れ、土と水をよく馴染ませて下さい。
- 赤土が柔らかくなったら赤土の中央に穴を掘って、かきつばた(杜若)を植えましょう。ポイントは、かきつばた(杜若)の茎がグラグラしない様に根元をギュッと、おさえる様に植えてみましょう。
- 水をは赤土から10cmくらい上に水位がくる様に入れて下さい。その際、かきつばた(杜若)が水に深く沈まないように注意して下さい。
水の管理の仕方と補充
かきつばた(杜若)は季節を通して水につけたまま管理します。冬は水が少なくても湿っている感じで乾燥していなければ大丈夫です。
また、冬場は表面が凍ってしまうので、少し心配になりますが水の表面が凍っている程度では問題ありません。
4~9月の生長期になると、かきつばた(杜若)は水を吸い始めます。
その時期は鉢の水が減りやすいのでこまめに水を継ぎ足しましょう。
苔や藻がはってきたら、取り除きましょう。
肥料
肥料は育ち盛りな育成期に、3週間~4週間に一度くらいの間隔で化成肥料を与えて下さい。
その際の与え方ですが、鉢の縁の根から遠くに穴を掘り赤土の中に埋め込みましょう。根から離す理由は根に直接化成肥料があたると、ふだん根が触れている土よりも刺激が強く根が弱ってしまうためです。
外側の土からゆっくりと根に化成肥料の栄養が届くようにしてあげましょう。
置き場所
日当たりと風通しのよい場所を好みます。真夏は水温が上がり根が傷んでしまいますので、半日陰で管理します。
お手入れ
葉が黄色くなって垂れた葉や、咲き終わった花がらなどはこまめに摘み取ります。
花が終わったら
花が終わったら茎の根元から切ってて下さい。
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