夏の夜に咲く月見草の育て方と待宵草との違い
峰亜由美
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この季節ならではの草花、夏の夜に涼やかに一晩だけ咲く月見草は清楚な姿が魅力的な植物です。
その花びらは咲き始めは白色をしていて、朝を迎え咲き終わる頃に淡いピンク色に色づきます。月見草というと何色を思い出しましたか?淡い黄色で夜に咲く花を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?それはきっと待宵草(マツヨイグサ)です。今回は月見草と待宵草の違いや月見草の育て方をご紹介いたします。
目次
夏の夜に咲く月見草(ツキミソウ)ってどんな植物?
- 学名 Oenothhera tetraptera
- 和名 月見草(ツキミソウ)
- 別名 白花夜咲月見草(シロバナヨルサキツキミソウ)
- アカバナ科マツヨイグサ属
- 2年草、多年草
- 原産国 メキシコ
月見草は名前からも想像がつくように、夏の夜(6月~9月)夕方から夜にかけて花を咲かせます。花が咲き始めてから満開になるまでは10分程で満開になり月に照らされるように咲く様子が美しい植物です。
土から数本の茎を出してその先に4cm~5cmの花を咲かせます。茎の背丈は平均して20cm程ですが、環境によっては60cm位まで伸びる事もあります。
花色が変わる?
月見草(ツキミソウ)の花びらは薄く光を通す柔らかそうな花びらをしています。咲き始めは白く徐々に朝に近づく頃、淡いピンク色に色づき静かに花びらを閉じで1夜を終えます。
月見草(ツキミソウ)の花言葉
「ほのかな恋」「移り気」です。
花言葉も儚いですね。
月見草(ツキミソウ)と間違われやすい待宵草(マツヨイグサ)との関係
待宵草(マツヨイクサ)は月見草と同じマツヨイグサ属の植物ですが、江戸時代後期から明治時代初期に同じ時期に園芸種として日本へ渡ってきました。待宵草の方が繁殖力が強く、国内各地に月見草よりも早く広まり野生化し、繁殖力が弱かった月見草は一度姿を消してしました。
その後、待宵草を月見草と呼ぶ方が増えたようです。色も黄色をしていて月をイメージしやすかったのかもしれませんね。
月見草(ツキミソウ)が印象的に描かれた、文学作品で太宰治の「富嶽百景」の中に出てくる名句の「富士には月見草がよく似合ふ」の描写で太宰治が見た月見草も「黄金色をした」という表現から、月見草ではなく待宵草ではないだろうか?と言われています。
待宵草(マツヨイグサ)も月夜が似合うロマンチックな様子をしていてどちらも繊細な花びらと夜に咲き一夜で萎んでしまう花を咲かせます。
待宵草の植物図鑑はこちら▼
花の色が変わる!? 月見草(ツキミソウ)の育て方
種まき
月見草(ツキミソウ)は花が咲き終わり、秋になり種を収穫します。種は冷蔵庫などで保管して下さい。
種をまく時期は2月~3月にまきます。
乾燥した種を1時間くらい水につけ、植木鉢に土をいれて種を土の上に置きます。種を蒔いたら軽く土をかぶせて水を与えましょう。種をまいてから2年後に花を咲かせます。
置き場所
月見草(ツキミソウ)は日当たりが良く風通しの良く、水はけが良い場所を好みます。
庭植えをする場合も日当たりの良い場所を選び、土を高く盛るようにして水はけの良い環境をつくりましょう。
用土
月見草(ツキミソウ)の土は園芸店などで扱われている草花用の培養土で良く育ちますが、水はけが良ければ土質はどんな土でも育ちます。
肥料
月見草(ツキミソウ)肥料は草花用の肥料を春から夏にかけて少量施します。多く与えすぎても枯れたりする事はありませんが、葉や茎ばかりが育ちすぎて花が咲きにくくなります。
水やり
月見草(ツキミソウ)の土は土の表面が乾いたらたっぷり与えます。庭植えの場合は晴天が続かない限り与える必要はありませんが、乾燥した日が続く場合は様子を見て与えましょう。
病気と害虫
月見草(ツキミソウ)は病気にはほとんどかかることはありませんが害虫が付く事があります。
アカバナトビハムシの仲間が発生しやすく、春から秋まで葉を食べてしまいます。ハムシの幼虫は茶色をしていて、成虫は黒く丸みを帯びた虹色のつやのある3mm程の甲虫です。
ハムシの仲間は銀色やキラキラしているものを嫌う為、シルバーマルチを巻いたり、アルミ蒸着シートを敷くと予防できます。
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