南天｜宝石のような赤い実と常緑の葉が魅力の縁起物

更新 2025.12.11

公開 2025.12.11

昔から縁起物として、私たちの生活の中で身近な存在だった南天。冬の寒さの中でも美しい常緑の葉と宝石のように輝く真っ赤な実が印象的で、お正月飾りや庭木として愛され続けています。南天の特徴や魅力、育て方、楽しみ方をご紹介します。

南天の特徴と魅力
南天の育て方
南天を暮らしに取り入れよう

南天の特徴と魅力

南天は、冬に真っ赤に色づく実が特徴的な、樹高1.5～2m程度の常緑低木です。「難を転ずる」という語呂合わせから縁起の良い木とされ、お庭や寺院などに植えられてきました。また、冬の寒さの中で、常緑の葉と宝石のような真っ赤な実を付ける姿が華やかで、新年を祝う花生けやお正月飾りとして愛されています。

今では観賞用の庭木として愛されていますが、元は生薬として中国から渡来したのが始まりです。南天という和名は、中国名をそのまま日本語読みにしたもの。咳止めの薬にされたり、防腐効果があるとされる反面、実には有毒成分が含まれるため口に入れることのないように注意が必要です。

南天　花

冬の赤い実の印象が強い南天ですが、春の新緑、初夏に咲く可憐な白い花、夏の風にそよぐ涼やかな葉と、一年を通して楽しめる魅力があります。また、鬼門だけでなくトイレの近くに植えると良いという言い伝えや、毒消しとしてお赤飯などに添えられるなど、昔から私たちの生活の中で身近な存在でした。

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南天が縁起物として好まれる理由は「難を転ずる」という語呂合わせだけではありません。防腐効果のある葉を料理に添えて食中毒の予防に利用したり、魔除けや邪気払いのために鬼門や玄関に植えて、家や家族を守る木として大切にされてきました。

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オタフクナンテン

南天には、実を付けないオタフクナンテンという改良品種があります。樹高20～50cmほどと小ぶりな矮性種で、葉は常緑でふっくらと丸みを帯び、密度も高いため、生垣やグランドカバーとして利用されています。1度根付いてしまえば、水やりは降雨に任せて問題なく病害虫の被害が少ないため、あまり手間がかからず育てやすい庭木として人気があります。

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オタフクナンテンは、秋から冬に真っ赤に色付く様子が美しく、寂しくなりがちな冬のお庭で色鮮やかなアクセントになります。

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南天の育て方

南天は、明るい日陰を好み、株立ちで大きくなる庭木です。株立ちとは、しっかりとした主幹を持たず、株元から細い幹が数本伸びてきて、株全体が大きくなっていく樹形のこと。上へ伸びる木と違い、横にボリュームが出るのが特徴です。あまり大きくしたくないようであれば、地際から幹を剪定して調整しましょう。花が咲いてから剪定を行うと花を切り落としてしまい、冬の赤い実を楽しむことができなくなってしまうため、開花前に剪定を行うことが大切です。また、風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。混みあった箇所や枯れた幹は適宜剪定し、風通し良く管理するように心がけましょう。

強い直射日光や西日が当たるような環境は、葉の色を悪くします。かといって、あまりに日当たりが悪い場所では花が咲かず、結果的に実が付かないというようなことになりかねません。建物の陰で終日日陰になるような場所は避け、半日は日が当たる場所や明るい日陰を選んで植え付けましょう。一度根付いてしまえば、水やりの必要はほとんどなく、育てやすい庭木です。

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