クローバーとカタバミの違いやすぐにわかる見分け方。それぞれの種類や特徴
山田智美
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クローバーとカタバミの違いと見分け方について。それぞれの基本情報や違いと見分け方、花言葉、仲間の種類などを紹介します。もうこれでクローバーとカタバミを間違えることはありません。
目次
クローバーとは?基本情報
- 植物名:クローバー
- 学名:Trifolium
- 科名・属名:マメ科トリフォリウム(シャジクソウ)属
- 分類:多年草あるいは一年草
クローバーの特徴
クローバーとは、マメ科トリフォリウム(シャジクソウ)属の総称です。日本で一般的にクローバーと呼ばれて親しまれているのは、シロツメクサという種類です。
クローバーはヨーロッパ原産で、日本に渡来したのは江戸時代だと言われています。輸入船の荷物の隙間に緩衝材として詰められていたのがきっかけで日本に根付き、広まっていったとのこと。詰め物だったのでシロツメクサやムラサキツメクサと呼ばれるようになったそうです。
クローバーの仲間は3枚の小さな葉がまとまって付いているのが特徴で、まれに小葉が4枚のものがあります。これは四つ葉のクローバーと言われ、幸運の象徴とされています。
クローバーの花言葉
クローバーの花言葉は「約束」「幸福」
嬉しくなるような素敵な花言葉です。
カタバミとは?基本情報
- 植物名:カタバミ
- 学名:Oxalis corniculata
- 科名・属名:カタバミ科カタバミ属
- 分類:多年草あるいは一年草
カタバミの特徴
カタバミは、身近なところに自生する多年草。ハート形の小葉が3枚まとまって付きます。小さな葉は、夜になると葉を閉じ、眠ったように見えるのが特徴。陽射しが強い時間帯も負担を減らすためか、葉を閉じているのを見かけます。
カタバミの花は、花びらが5枚、色は黄色や白、ピンクなどがあります。
果実は細長い蒴果(さくか)で、熟すとはじけて種子を周囲に飛ばします。果皮から中の種子が茶色く熟しているのが透けて見えるくらいになった果実は、指で触れると簡単に弾けます。この繁殖力の強さから昔は子孫繁栄の象徴とされ、家紋に使用されました。
カタバミの花言葉
カタバミの花言葉は「喜び」「輝く心」「母のやさしさ」
ハート形の葉をしたカタバミらしい花言葉です。
クローバーとカタバミの違いと見分け方
クローバーとカタバミは、3枚の小葉という特徴が似ているので間違われることが多いようです。クローバーとカタバミの違いと見分け方を紹介します。
クローバーとカタバミの違い
クローバーはマメ科トリフォリウム(シャジクソウ)属、カタバミはカタバミ科カタバミ属、まったく別種の植物です。さらに花や葉の細かな違いもお話します。
クローバーとカタバミの花の違い
シロツメクサの花
クローバーの花は、ウサギのしっぽのような丸い一かたまりの花の中に、マメ科特有の蝶形花(ちょうけいか)と呼ばれる蝶のような形の花が数十個集まって形成されています。
カタバミの花は、細い花茎の先に花びらが5枚の花を1つ咲かせます。
クローバーとカタバミの葉の違い
カタバミの葉
クローバーの葉は、先端が丸みを帯びた卵型に近いフォルムで、葉の真ん中あたりに白い模様のような筋があります。
カタバミの葉はハート形をしています。
クローバーとカタバミの見分け方
クローバーとカタバミのすぐにわかる見分け方です。
花の違いで見分ける
カタバミの花
- クローバーの花は球形の小花の集まり
- カタバミの花は花びらが5枚でしべ類が見える
クローバーとカタバミは、花が咲いていれば一目で見分けがつきます。
葉のフォルムで見分ける
- クローバーの葉は葉の先が丸い卵型に近いフォルム
- カタバミの葉はハート型
花のない時期は葉のフォルムで見分けがつきます。
生えている場所や生え方で見分ける
- クローバーは野原や公園など広いスペースに広く群生
- カタバミは道端や花壇などの隙間に小さなかたまりで生える
クローバーは地下茎で増えるので、野原などで広く群生しているのを見かけます。カタバミは、道路脇やちょっとした隙間から生えているのを見かけます。
クローバーとシャムロックの違いとは?
シロツメクサの葉
アイルランドの国花として知られているシャムロックとは、特定の植物名ではなく、三つ葉の総称です。クローバーやカタバミなど、小葉が3つの植物をまとめてシャムロックと呼んでいるそう。
三つ葉は、キリスト教の教えの一つである三位一体を象徴する神聖な植物とされています。
また、アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックにちなんで、聖パトリックデーには、シャムロックを象徴するグリーンがテーマカラーになっています。
クローバーの仲間5種
シロツメクサ
- 学名:Trifolium repens
- 花期:3月~8月
シロツメクサは、日本中でもっとも多く見られるクローバーです。河原や空地、公園、その他多くの日当たりの良い場所で見かけます。
草丈は低く、地面を這うように伸びていきます。ほふくするように伸びた茎の節から葉茎と花茎を立ち上がらせて、ウサギのしっぽのような球状の白い花を咲かせます。
葉は通常3枚の小葉がひとつに集まったような形状をしていますが、稀に四葉のクローバーとして人気がある、4枚の葉のものがあります。
ムラサキツメクサ(アカツメクサ)
- 学名:Trifolium pratense
- 花期:3月~8月
アカツメクサは、赤とも紫ともピンクとも言い難い色の、球状の花を咲かせるクローバーです。河原や空き地、公園など多くの場所で見かけます。
アカツメクサとシロツメクサの違いは、花の色はもちろんですが、草丈の高さです。アカツメクサは3枚の小葉も大きく、葉茎が太くしっかりしていて草丈30㎝程度まで高くなります。
ベニバナツメクサ(クリムソンクローバー、ストロベリーキャンドル)
- 学名:Trifolium incarnatum
- 花期:4月~6月
ベニバナツメクサは、はっきりとした赤い球状の花が特徴のクローバーです。ストロベリーキャンドルやストロベリークローバーとも呼ばれ、園芸品種として流通しています。
コメツブツメクサ
- 学名:Trifolium dubium
- 花期:3月~8月
コメツブツメクサは、とても小さな黄色の花を咲かせるクローバーです。道端や空地、土手など、身近な場所に咲いています。花径は5~7mm程度と非常に小さく、地面を這うように伸びていくので、気付かないこともあるくらいです。
シャジクソウ
- 学名:Trifolium lupinaster
- 花期:5月~8月
シャジクソウは、日本に自生するクローバーです。茎から3~5枚の小葉を放射状に出し、その先にピンク色の花を咲かせます。シャジクソウの花は、レンゲを思わせるような可愛らしさがあります。
シャジクソウという名前は、小葉の付き方を車輪の軸に見立てたことが由来だとされています。
カタバミの仲間5種
アカカタバミ
- 学名:Oxalis corniculata f. rubrifolia
- 花期:4月~10月
アカカタバミは、葉の色が赤いカタバミです。地面をほふくするように生えています。黄色の小さな花を咲かせます。
オオキバナカタバミ
- 学名:Oxalis pes-caprae
- 花期:2月~5月
オオキバナカタバミは、早春に明るい黄色の花を咲かせるカタバミです。関東では2月ごろから見かけます。草丈15~30cmほどまで生長します。
イモカタバミ
- 学名:Oxalis articulata
- 花期:5月~7月
イモカタバミは、ピンク色の花を咲かせるカタバミです。元は観賞用だったのが野生化した品種。ムラサキカタバミに比べて色が濃いのが特徴です。
ムラサキカタバミ
- 学名:Oxalis corymbosa
- 花期:5月~7月
ムラサキカタバミは、イモカタバミと同じくピンク色の花を咲かせるカタバミです。元は観賞用だったのが野生化した品種。色が淡いピンク色をしているのが特徴です。
ミヤマカタバミ
Adobe Stock
- 学名: Oxalis griffithii
- 花期:3月~5月
ミヤマカタバミは、白い花を咲かせるカタバミです。半日陰を好み、他のカタバミに比べて華奢な印象です。
クローバーとカタバミ、それぞれの特徴や見分け方はわかっていただけましたか。どちらも春から夏にかけて花を咲かせるので、花の時期によく観察するとわかりやすいと思います。お散歩が楽しくなりますように。
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