家庭菜園は放任主義派!? ヒガンバナ科野菜のすすめ | エディブルガーデン8月

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古幡真恵

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公開日 :

病害虫に悩まされない!?ニンニク

ニンニク

作物名  ニンニク(大蒜・にんにく)
科・属  ヒガンバナ科 ネギ属
原産地  中央アジア

植え付け:8月下旬〜11月上旬 
収穫:5~7月

ニンニクはイチゴと混植すると土壌病害を防ぐコンパニオンプランツとしても優秀な作物です。イチゴ以外にもほとんどの野菜と相性が良いといわれています。

簡単なニンニクの育て方〜3step

1step 植え付け

・土中3〜5cmの深さに1片ずつ芽の出る方を上にして植える。

2step 栽培管理

・マルチ栽培なら水分は雨でOK!
・追肥は1回目〜10月上旬から11月上旬、2回目〜翌年の春3月上旬から下旬。

3step 収穫

・8割程度の葉が枯れ始めたころ。

ニンニクの詳しい育て方

ニンニク、黒マルチ

1. 植え付け

<品種>
ニンニクは寒冷地栽培品種と暖地栽培品種があります。関東から西の地方は、暖地栽培品種を選びましょう。

<植え付けのコツ>
ニンニクの種球はなるべく大きなものを選び、種球を鱗片にばらし、株間を10〜15cm、1片ずつ芽の出る方を上にして土に3〜5cmの深さに押しこみ土を被せます。
植え方が浅過ぎると根の伸びとともに土中から鱗片が出てしまうことがあります。

<鱗茎の皮>
通常植え付ける際は、鱗片の皮をむかないようにして植え付けます。この皮は水分をはじくので、そのまま植えると土中の水分を吸いにくく発芽も遅くなります(通常2週間ほどで発芽)。早く発芽させたいときは、爪などで傷つけないように綺麗に皮をむいて植えると数日間から1週間程度発芽が早まるようです。
この性質を活用して、遅植えの際に鱗片をむいて植えると発芽が促進し、排水性の悪い土壌では皮はつけたまま植え付けることで加湿によって発症する病気をある程度防ぐことができます。
早くから皮を取り除くと乾燥してしまうので、できるだけ植え付け当日にむきましょう。

2. 栽培管理

<水やり>
ニンニクは種球を植えた後は発芽するまでは用土が乾燥しないように水を与えます。
発芽した後はやや乾燥気味に育てますが、冬期でも晴天が1週間以上続く場合は水やりをしっかり行うことで、春先の球の肥大が促進します。マルチを張ると水やりもお天気まかせでOKなので、畑で栽培している方にはおすすめです。

<追肥>
1度目の追肥は、葉が30cmほどに生長した10月上旬から11月上旬に施しましょう。
2度目の追肥は、翌年の春3月上旬から下旬ごろです。

<冬越しのコツ>
ニンニクの冬越し前の生育は、葉が4~6枚に生長していることを目標にするので、生育が悪ければ再度追肥を行いましょう。
逆に、早植えや肥料過多などで葉の枚数が多すぎると寒さで葉が傷みやすくなってしまうので、与え過ぎには気を付けます。

3. 収穫

<花茎の収穫>
ニンニクの収穫は通常の鱗茎部分だけでなく、ニンニクの芽やその先にできる花が咲いた後にできるムカゴもおいしく食べることができます。
5月ごろになると、葉の中心から花茎が伸びてきて、その花茎の先には袋に入った状態の花芽がついています。ニンニクをしっかり肥大させるために、花茎はあまり伸ばすことなく摘み取ります。
花茎の長さが一番上の葉と同じくらいになったら収穫適期。手で折るように摘み採りましょう。

<葉ニンニクの収穫>
通常のニンニクは鱗茎を太らせて収穫しますが、生長途中の柔らかいニンニクの葉を収穫する品種もあります。
通常のニンニクの株間より狭い5cm位に植え付け、 草丈が30cm位で葉の数が5〜6枚になったら収穫します。

<ニンニクの収穫>
ニンニクは雨の日や雨が続いた後に収穫すると極端に品質が落ちるので、晴れの日が何日か続た後に収穫します。
植えた株の8割の葉が枯れ始めたころが収穫のベストタイミングです。 
葉先が枯れても球の生長は続いているため収穫時期が遅れて梅雨時期に入ると、土中で球が腐ったり片鱗がバラバラになって品質が落ちたりするので収穫適期を逃さないようにしましょう。
適期に収穫されたものは、茎の部分が細く締まっていますが、収穫のタイミングが早すぎると茎の部分は太くなっています。適期を見逃さないように、よく観察してから収穫しましょう。

▼もっと詳しいニンニクの育て方はこちらをご覧ください。

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寒いところだって大丈夫!日本原産のアサツキ

アサツキ

作物名  アサツキ(浅葱・あさつき)
科・属  ヒガンバナ科 ネギ属
原産地  日本

植え付け:8〜10月 
収穫:12〜4月

日当たりの良い、風通しの良い環境を好みます。
家庭菜園で栽培するときは、休眠からあける8月中旬から9月上旬ごろにアサツキの種球(鱗茎)を植え付けることで、10~11月、3~4月ごろに収穫時期を迎えます。

簡単なアサツキの育て方〜3step

1step 植え付け

・先の尖った芽が出る方を上に。

2step 栽培管理

・水やりは土が乾いてから。

・追肥は秋と春に1回ずつ。

3step 収穫

・20~30cmほど伸びたら収穫。

サツキの詳しい育て方

アサツキ

1. 植え付け

<植え付けのコツ>
種球は1箇所に1~3球ずつ、先の尖った芽が出る方を上に向け植え付けます。その際、アサツキの種球の先端が地面から少し出る程度に植え付けましょう。

2. 栽培管理

<水やり>
プランターの場合は表土が乾いたらたっぷりと与えましょう。

<追肥>
植え付けてから良く生育する秋と、収穫前の早春ごろの2回ほど与えましょう。

3. 収穫

<収穫のコツ>
20~30cmほど伸びたら収穫の時期です。株元を5cmほど残すことによって次に収穫するための新芽が伸びやすくなります。

<収穫後>
6~7月ごろ、地上部が枯れて徐々に休眠に入ります。アサツキの地上部が枯れたら、種球(鱗茎)を掘り出し、風通しの良い日陰で8月以降の植え付けまで保存しましょう。

▼もっと詳しいアサツキの育て方はこちらをご覧ください。

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草並みの元気な生育!ニラ

ニラ、ニラの花

作物名  ニラニラ(韮・にら)
科・属  ヒガンバナ科 ネギ属
原産地  東アジア

種まき:3~4月、収穫:翌年4〜7月、9~10月
種まき:9~10月、収穫:翌年7月、9~10月

風通しの良い場所で育てましょう。ニラは日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育つため栽培場所をあまり選ばず、大変育てやすい野菜です。

簡単なニラの育て方〜3step

1step 種まき

・すじまき後軽く覆土。

2step 栽培管理

・株間が30cm位になるように間引く。

3step 収穫

・草丈が30cm位になったら、株元を2~5cm程度を残して収穫。

ニラの詳しい育て方

1. 種まき

<種まきのコツ>
畑の畝に種をまく際の間隔は15cm位、深さ1cmほどの深さの溝を作り、1cm間隔のすじまきにします。その後、軽く覆土して種と土が密着するように軽く上から抑え、最後に水を与え、発芽するまで土を乾燥させないように注意します。

<間引き>
本葉が2枚になったら、生育の良いものを残し、指2本分位の株間をとります。
種まき後3カ月ほどで本葉は4〜5枚、草丈も25cmほどまで生長します。ここまできたらあとはお好きな場所に植え替えてもOK!

<混植のすすめ>
ニラはコンパニオンプランツとしても優秀なのでトマト、ナス、ピーマン、ゴーヤなどと混植してあげることで、お互いの生育を促進する働きがあります。
反対にイチゴやレタスなどと一緒に育てると生育が悪くなるので注意しましょう。

参考文献:木嶋利男(2012)『野菜の品質・収量アップ 連作のすすめ』 家の光協会.

2. 栽培管理

<水やり>
乾燥したらたっぷり水をあげましょう。

<追肥>
春まき(3~4月)は7〜8月ごろから、秋まき(9~10月)では翌年4〜5月以降から追肥を始めます。その後は、1ヶ月間隔で与えましょう。
追肥後は、ニラの株の根元のふくらみがかくれるよう軽く土寄せをします。このとき、生長点に土をかけ過ぎないように気を付けましょう。

3. 収穫

<収穫時期>
春まき(3~4月)のニラの収穫は、翌年4〜7月、9~10月で、秋まき(9~10月)の収穫は翌年7月、9~10月になります。

<収穫のコツ>
ニラの収穫の方法は、株元から3~4cmを残して刈り取ります。収穫後は追肥と土寄せしておきましょう。
夏にとう立ちするので、花茎を必ず摘み採りましょう。

<収穫後>
12~1月になって株が枯れてきたら、ニラの株元から刈り取ります。
ニラは多年草のため、一度植え付けると続けて収穫することが可能です。

<植え替え>
ニラは3年位を目安に、4月または9月ごろに株分けを行い、株を更新します。ニラの株を3~4本ずつまとめて、新たに植え付けましょう。

番外編:ニラ苗の育て方

もっと簡単に育てたい方はニラの苗、または株を購入することをおすすめします。ほかの野菜の苗と比べて販売しているところ少ないので、見つけたらラッキーかも。プランターでも充分育ちます。

<植え付けのコツ>
植付け時期は1月上旬〜6月下旬。ニラの株は幅20~30cm、高さも30cm位の大きさになるので株間は20cm位とりましょう。
元肥を施した土に、少し深植えにしてニラの株を植え付けます。

<追肥>
収穫時期には月に1回のペースで追肥をし、そのタイミングで土寄せを行います。

▼もっと詳しいニラの育て方はこちらをご覧ください。

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古幡真恵

農業研究センターで6年間、大豆と稲の研究作物の栽培及び実験助手業務に従事。その後、屋上ガーデン・屋上菜園などの管理業務、エディブルフラワー事務局を経て、植物ライターに。植物・園芸サイトやフリーペーパーなどで活動。

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