ダリアとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ダリア
- 学名
Dahlia
- 英名
- Dahlia
- 科名
- キク科
- 属名
- テンジクボタン属(ダリア属)
- 原産地
- メキシコ
ダリアの特徴
ダリアは、初夏から秋(6月~11月)に華やかな花を咲かせるキク科の春植え球根(多年草)です。原産は熱帯高地のため、夏は冷涼で冬は温暖な気候を好み、真夏は花を少し休みますが、長い期間花を楽しむことができます。
ダリアは非常に品種が多く、草丈、咲き方、色のどれをとってもバリエーションが豊富です。草丈は150cm近く伸びるものもあれば、50cm以下のものもあります。花のサイズはインパクトのある大輪咲きから、中輪、小輪まで様々で、咲き方も丸みを帯びたものや、花びらが尖ったものなど10種類以上あります。
切花としても人気があり、通年多くの品種が出回っています。
ダリアの詳細情報
園芸分類 | 球根 |
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草丈・樹高 | 20~150cm |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
花色 | 赤、白、黄、ピンク、オレンジ、アプリコット、紫、複色など |
開花時期 | 6月~11月 |
ダリアの花言葉
ダリアの咲き方
一重咲き
平らな花びらが外側に1周ぐるりと開きます。ガーベラやヒマワリのような咲き方です。
フォーマルデコラティブ咲き
スタンダードな咲き方。幅広で舌状の花びらが幾重にも折り重なります。
インフォーマルデコラティブ咲き
幅広の舌状花びらが波打ったように外側に反り返っています。中心部と外側の咲き方が異なるものもあります。
ボール咲き
花全体がボールを思わせるような、球状のフォルムの八重咲きです。花びらの先端は少し内巻きになります。
ポンポン咲き
ボール咲きよりもさらに花全体が丸いフォルムをしている八重咲きです。
カクタス咲き
八重咲きです。花びらは細く先が尖り、外巻きに反転しています。
セミ・カクタス咲き
八重咲きです。花びらの基部は平らですが、先端はカクタス咲きと同じように細くなり外巻きに反転しています。
スイレン(睡蓮)咲き
平たく大きな花びらを花の中心から外側に向かって放射状に並べる八重咲きです。
アネモネ咲き
一重咲きと同じように、外側に平らな花弁が1周します。花の中心部に筒状の花びらが密集します。
コラレット咲き
外側の平たい花びらと花の中心部の間に、色の異なる小さな花びらをつける咲き方です。
オーキッド咲き
一つ一つの花弁が強く内側に巻いた咲き方です。
ピオニー咲き
八重咲きで、幅の広い花弁が大きく波打ちます。デコラティブ咲きと違い、花芯が出ています。
アネモネ咲き
花芯部分の筒状花の菅が長く伸びてドーム状になり、1~数列に並んだ外側の花弁を取り囲む咲き方です。
ステラー咲き
花弁が内側に強く巻き、半八重咲きまたは八重咲きのタイプ。
ダリアをめぐる争いはナポレオンの時代から行われていた!
美しさに心奪われるのは何時の時代も同じ。ナポレオンが活躍していた時代に、ダリアはその美しさを巡って争いを起こしていたのです。ナポレオンの妻ジョセフィーヌはとてもダリアを愛しており、庭に沢山のダリアを育てていました。ある日あまりに美しいダリアを譲ってほしいという貴婦人が現れましたが、ジョセフィーヌは軽くあしらいます。貴婦人は怒ってお金を使いジョセフィーヌの庭師を丸めこみ球根を盗ませたのです。しかし、この事はすぐにバレて、ジョセフィーヌの逆鱗に触れます。庭師と貴婦人はジョセフィーヌによって追放されたのです。この事件がきっかけで「裏切り」という花言葉が付いたとされています。
ダリアの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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植え付け | ||||||||||||
植え替え | ||||||||||||
肥料 | ||||||||||||
開花 |
ダリアの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みます。
用土
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使用してよいでしょう。赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜるとさらに水はけが良くなります。
地植えする場所の水はけが悪いときは、赤玉土やバーミキュライト、腐葉土などを混ぜ込んで水はけを良くしてから植え付けます。
ダリアの育て方のポイント
水やり
地植えの場合は、基本的に水やりは必要ありません。夏に雨が降らずに日照りが続く際は、涼しい時間帯に水やりしましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり水やりします。
肥料
植え付けの際に緩効性の元肥を混ぜ込み、夏の暑さが落ち着いたら適宜適量な追肥を行います。
病害虫
暑さには比較的強い性質ですが、高温多湿は苦手です。
風通しが悪い場所で育てると灰色かび病が発生しやすくなります。花がらや枯れた葉、混み合っている場所の葉を取り除くなど、常に風通し良く管理しましょう。
ダリアの詳しい育て方
選び方
苗の場合は、葉が生き生きとした緑色のしっかりした株を選んで購入しましょう。
球根の場合は、小さく芽が出ているものを選ぶと、土に植えたときもほぼ間違いなく発芽します。
種まき
ダリアの球根の植え付け適期は、3月下旬~5月です。
植え付け
寒さに弱いダリアは、冬に球根を植えても発芽しません。
3月下旬から5月の気温が高い日に植え付けます。適温は20℃くらいです。深さ10cmほどの穴を掘って、芽が出ている部分を上にして斜めに寝かすように植えます。
球根の根は縦ではなく横に伸びるため、鉢植えの際は一鉢につき球根一個が望ましいでしょう。地植えの際は30cm以上離して充分距離を取って植えましょう。
仕立て方
草丈が高くなる品種は、早めに支柱を立てるようにしましょう。
ダリアは大輪種と中輪以下の品種とでは、仕立て方が違います。
【大輪種のダリア】
大輪種は、地面から下2節の芽を残し、それより上の節のわき芽はかき取り、頂点の花のみを咲かせるようにします。1番花が咲いたら主茎を切り戻します。残った花茎の地面から2~3節の芽のみを残して、それ以外は芽をかき取ります。不要な脇芽をかき取って、花数を絞ることが仕立て方のコツです。
【中輪、小輪種のダリア】
中輪から小輪は、大輪種と違ってたくさんの花を咲かせるようにするために、摘芯作業を行います。球根から芽が出て、主軸の節が3~4節くらいまで伸びたら、先端を摘み取ります。こうしていくことでたくさんの花数を咲かせることができます。
剪定・切り戻し
ダリアの原産は熱帯高地のため、日本のような高温多湿の気候の夏は苦手で、花が休みがちになります。夏場にそのまま咲かせていると株自体が弱るので、初夏の花がある程度咲き終わったら、下から3~4節を残して切り戻しを行います。切り戻すことで、秋に再び花を楽しめます。
植え替え・鉢替え
植え替えの適期は3月下旬から5月です。
鉢植えのダリアは、冬場はそのまま霜に当たらない場所で保管し、春に新しい土を使って植え替えます。
花
ダリアの花は6月~10月頃に開花します。
日本の高温多湿の夏は苦手で、花が休みがちになります。秋にきれいな花を咲かせるためには、初夏の花がある程度咲き終わったら剪定しましょう。
収穫
ダリアは切り花として収穫できます。
夏越し
暑さには比較的強いですが、日本の高温多湿の夏は苦手な性質です。真夏は半日陰になるような風通しが良く涼しい場所が適しています。
冬越し
寒さにそれほど強くないため、寒冷地では寒くなったら球根を掘り起こして保管し、来春に植え付けます。掘りあげた球根をおがくずなどの中に入れて乾燥させて保管する方法もあります。
東京以西で強い霜に当たらなければ、地上部は枯れますが球根は生きていて、地植えで数年植えっぱなしでも春に芽吹いて花を咲かせます。冬に植えっぱなしにする場合は、球根が凍らないようにマルチングで寒さ除けをするなど対策を行うとよいでしょう。
増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)
分球で増やすことができます。
分球するときは、分けるどちらにも生長点のある茎がついているようにハサミやナイフを使って丁寧に分けましょう。生長点がないと芽が出ません。