アイリスの育て方|植物図鑑

植物名
アイリス
学名

Iris

英名
Iris
和名
文目(あやめ)
科名
アヤメ科
属名
アヤメ属
原産地
東アジア、ヨーロッパ

アイリスの特徴

アイリスはアヤメ科アヤメ属の総称です。アイリスの仲間は世界に約170種あり、その中の何種かは日本にも自生しています。アイリスは地下に球茎を作るという特徴があり、球根植物として扱われる多年草です。

通常アイリス(アヤメ)というと春から初夏にかけて湿地に咲く花というイメージですが、一概に湿地に咲くものばかりではありません。日本に自生するアイリスの中でも有名なアヤメ(Iris sanguinea)や、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)などは、やや乾燥した草地を好みます。アヤメとよく似たカキツバタ(Iris laevigata)は浅い水辺を好みます。

アイリスというと、アヤメ(Iris sanguinea)、カキツバタ(Iris laevigata)、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)など、様々な種類があり、その性質や特徴も多様です。

 

 

アイリスの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 15~70cm
耐寒性 強い(品種による)
耐暑性 強い(品種による)
耐陰性 品種により異なる
花色 青、紫、白、黄、紫、ピンク
開花時期 4月~7月頃(品種による)

アイリスの種類

アヤメ(文目・あやめ)

アヤメ(文目・あやめ)

  • アヤメは下に垂れている大きな外花被片と直立している内花被片をそれぞれ3個つけているため、遠くからでも一目で分かるほど特徴的な花です。花の色は紫色か白色ですが、外花被片には網目模様があり、なおかつつけ根は黄色になっています。アヤメの品種の一つであるジャーマンアイリスは、花の色が紫色や白色をはじめ数多くの色を持っており、外花被片と内花被片で色が異なっているものもあります。また花被片そのものも大き目でフリルのような形をしています。シャガという品種は、茎が分かれるため1株で小さめの花を数輪つけるのが特徴的です。

カキツバタ(燕子花・杜若)

カキツバタ(燕子花・杜若)

  • カキツバタ(燕子花・杜若)は「いずれアヤメかカキツバタ」の慣用句で知られるように、古来から美しいもの優れたものの象徴として愛されてきた花です。 アヤメとよく似ていますが、アヤメは陸生、カキツバタは池や沼地などで育つ水生であることが違いです。 そのため、株の一部が常に水に浸かった状態で育てる必要があります。鉢よりひとまわり大きな容器やかめに水を張って、カキツバタ(燕子花・杜若)を鉢ごと入れておきましょう。水の腐敗しやすい夏場は時折、交換が必要です。 暑さ寒さに強く育てやすい植物です。

花菖蒲(ハナショウブ)

花菖蒲(ハナショウブ)

  • 花菖蒲(ハナショウブ)は江戸時代を中心に品種改良が進んだ古典園芸植物です。現在は5000種類以上の品種があります。 5月頃から新芽を出して50㎝~1m程に丈を伸ばし花を咲かせます。色は白、青、紫、斑入り、黄色などがあります。 花の形は3枚の花びらを開かせる三英咲きと6枚の花びらを開かせる六英咲きと八重咲があります。葉は細くくっきりとした脈が隆起しています。 品種の育成地によって大きく分けると江戸系、伊勢系、肥後系、長井古種の4タイプにこれらの交配種もあり、さらに種間交配によって育成された黄花品種や、アメリカなど海外で育成された品種もあります。

ジャーマンアイリス

ジャーマンアイリス

  • 和名「ドイツアヤメ」の他、「レインボーフラワー」、「ヒゲ(ビアデッド)アイリス」といった名前でも知られています。 レインボーフラワーの名は、アイリスの中では最も豊かな色のバリエーションを誇ることからきています。ヒゲアイリスは花弁のつけねにヒゲのような毛が密生することに由来しています。 野生種が自然交配されたものに、人の手を加えてバリエーションをひろげました。現在も花弁の形状に改良が進められており、フリルやフリンジの入ったものが登場しています。香りも豊かで、さらに開花期を前後にずらしたもの、矮小種も存在します。

シャガ

シャガ

  • シャガは日本の本州、四国、九州の山林の中などに自生し、種はつけず根茎で増える常緑の多年草です。葉は長さ30~60センチで扇形に広がり、光沢がありすらっとした葉姿で花のない時期も見栄えがします。茎は高さ30~70センチほどで分枝し、各枝に素朴で野趣のある花をつけます。花は直径5センチほどで白花の中央にオレンジと淡い紫色の斑点ととさかのような黄色い突起があります。花は1日花ですが1枝に20輪以上をつけることもあり、次々と花を咲かせます。性質は丈夫で育てやすく、種をつけずに地下茎で増える性質があります。庭では半日陰のやや乾燥地に適した下草として古くから親しまれてきました。切り花としても利用できます。

アイリスの名前の由来

アイリス(Iris)はギリシャ語で「虹」を意味します。アイリスの名前の由来はギリシャ神話によります。

全能の神ゼウスの妻ヘラの侍女にアイリスという女性がいました。彼女はゼウスから誘惑されても拒み、女神ヘラに忠実だったと言います。アイリスの誠実さを讃えたヘラは彼女に虹色のネックレスを贈り、神々の使者としました。ヘラが祝福の盃を掲げた時にその数滴がこぼれ地面へと落ち、色鮮やかなアイリスの花になったと言われています。

またアイリスは死者の魂を、虹の橋を渡って天国に連れて行く役割も担っていたとされ、古代ギリシャでは女性が亡くなるとアイリスの花が手向けられたそうです。

 

アイリスの栽培環境

日当たり・置き場所

アイリスは日当たりの良い環境を好みます。かと言って夏季の強い直射日光は苦手です。午前中は日当たり良く午後は日陰になる、風通しの良い場所を好みます。

用土

湿地を好むアイリスは保水性の高い用土に、乾燥を好むアイリスは市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。

アイリスの育て方のポイント

水やり

湿地を好むアイリスは、乾燥させすぎることのないように適宜水やりを行います。水を張った桶などで管理しているアイリスは、水が腐ることのないように時々入れ替えが必要です。

乾燥を好むアイリスは表土が乾いたらたっぷりと水やりを行います。

病害虫

特に目立った病害虫の被害はありません。稀にガの幼虫の被害にあうことがあります。

アイリスの詳しい育て方

選び方

アイリスは葉が瑞々しく鮮やかな緑色をしている株を選びましょう。葉の先が黄色く変色しているものは避けるようにします。

植え付け

春、あるいは初夏に植え付けます。植え付け適期や用土については品種により異なりますので、それぞれの育て方に従ってください。

剪定・切り戻し

アイリスの花が終わったら花茎を株元から切り詰めます。

植え替え・鉢替え

アイリスの植え替え適期は品種により異なりますので、それぞれの育て方に従ってください。

アイリスの仲間は春から初夏にかけて色鮮やかな花を咲かせます。開花期は品種により異なります。

冬越し

アイリスは冬は地上部が枯れたようになって休眠します。品種により冬越し方法は異なりますので、それぞれの育て方に従ってください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

アイリスの仲間は株分けで増やせます。

アイリスの育て方の特徴を種類別に紹介

アヤメ(Iris sanguinea)や、ジャーマンアイリス(Iris germanica Hybrid)のような乾燥地を好むアイリスは、通常の球根植物と同じように陸地で育てましょう。水やりを過度に行うようなことのないように気を付けて管理してください。

カキツバタ(Iris laevigata)は浅い水辺を好みます。浅く水を張った桶などで育てるようにしましょう。

ハナショウブ(Iris ensata)は菖蒲園や公園で見かける際には、カキツバタ(Iris laevigata)と同じように浅い水辺で育成されていますが、実は水に浸りきらないような環境が好きな植物です。ずっと水に浸かったままの状態で育てると根が腐りやすくなります。水に浸かりきっていない湿地で育てるようにしましょう。

 

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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