ベロニカとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ベロニカ
学名

Veronica

英名
Speedwell
和名
ルリトラノオ
科名
オオバコ科
属名
ベロニカ属
原産地
北半球に広く分布

ベロニカの特徴

ベロニカは世界中で300種、日本にも約20種が自生する一年草~多年草です。縦にすっきり伸びた花穂とシンプルで小ぶりな花が特長で、花壇や寄せ植えに縦方向のアクセントを加える花として欠かせない存在です。暑さ寒さに強いので入門種としてうってつけ。庭植えの場合、根がしっかり張った夏以降は水やりも要りません。ベロニカは海岸に自生することから塩害に強いのも特長です。

花の色は紫と青を中心に、白、ピンクなど豊富。品種が多いため春咲き、秋咲きの区別だけでなく一年草、多年草、落葉性、常緑性と様々なバリエーションがあります。ベロニカは葉も見どころ。「リース」はチョコレート色になる紅葉の美しさで人気の品種です。

同じベロニカ属でも品種により花姿は異なります。気品のある青い花穂がすっと伸びる「ロイヤルキャンドル」は人気種。匍匐性で花のつき方も他のベロニカとは違う「オックスフォードブルー」はまったく別の植物に思うほどですが、ベロニカの1品種です。「ベロニカ・オルナタ」は銀白色の葉が特徴。寄せ植えや花壇で引締め役として重宝します。「トウテイラン」は秋咲きベロニカとも呼ばれ、晩夏から秋にかけて美しい姿を楽しめる品種です。

ベロニカの詳細情報

園芸分類 草花
草丈・樹高 5~100cm
耐寒性 強い
耐暑性 強い
花色 青、紫、ピンク、白
開花時期 4~11月

ベロニカの開花時期

花の時期は春と夏に大別されます。人気種「オックスフォードブルー」は春咲き。日本産で青紫の花をつける「トウテイラン」は秋咲きです。80cmほどになる大型種「ロンギフォリア」は夏咲きです。ロンギフォリアに限らず、ベロニカは大型になるものが少なくありません。販売されている苗には矮小化剤が施されており、薬の効果が切れた翌年、急に丈が伸びて驚くことも。 春咲き、秋咲きの他、夏咲きもあるベロニカですが、意外にも春から秋までずっと咲き続ける品種はありませんでした。兵庫県の西宮市植物生産研究センターは、従来種と夏咲きの「トウテイラン」をかけ合せることで春~秋咲きを実現しようとしました。同じオオバコ科でありながら結実しないという問題を、試験管による無菌培養という手法で乗り越え、生み出された新品種が「ゆめむらさき」です。阪神淡路大震災を乗り越え、花を咲かせ続けて欲しいというメッセージも込められています。

間違いやすい「トラノオ」

ベロニカの和名は「ルリトラノオ」。最もポピュラーな紫色の花と、花穂がトラの尾に似ていることから名づけられました。「トラノオ」の名を持つ植物はオオバコ科のベロニカ以外にもいくつかあります。観葉植物の「サンセベリア」は葉の形からトラノオと呼ばれます。シソ科の「ハナトラノオ(ヒソステギア)」は名前だけでなく花の姿までベロニカそっくり。丈夫な点もよく似ています。この他、サクラソウ科、タデ科、リュウゼツラン科にもトラノオの名がつく植物があります。

 

ベロニカの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
種まき
植え付け
植え替え
増やし方
肥料
開花

ベロニカの栽培環境

日当たり・置き場所

ベロニカは日当たりのよい場所を好みます。

用土

水はけのよい肥沃な用土を好みます。市販されている花の培養土に、堆肥や腐葉土をさらに多めに混ぜ込んでおきましょう。

ベロニカの育て方のポイント

水やり

ベロニカは乾燥した土壌を好みますので、基本的に表土が乾いたらたっぷり与えます。

肥料

ベロニカの施肥は開花前の春、翌年の芽をつけ始める秋の年2回です。春は与えすぎると徒長するので液肥を少なめに。秋は緩効性の置き肥にします。

病害虫

風通しの悪い環境では、うどんこ病と灰色かび病灰色かび病が発生しやすくなります。こまめに古い葉を取ると同時に、アブラムシがついていないかチェックします。

ベロニカの詳しい育て方

選び方

ベロニカの苗は、全体的にがっしりとしたもの、葉色が緑の濃い色で病害虫がついていないものを選びましょう。花芽が上がっているものを選べば、すぐに花が楽しめます。

種まき

秋咲きのベロニカは4~5月、春咲きベロニカは9~10月にまき、本葉が4~6枚出たら植え替えします。生長が速いので鉢植えの場合は1年ごとに植え替えが必要です。

植え付け

秋咲きベロニカは3月~4月、春咲きベロニカは9月~11月に植え付けます。乾燥に強いベロニカですが、根を張るまでは水を多めに与えます。ベロニカは水はけのよい土を好みます。特に梅雨は蒸れて枯れやすいので注意しましょう。水はけのよい土に植えて、株元が蒸れないように管理します。

剪定・切り戻し

ベロニカが開花している間は花がらをこまめに取ったり、切り戻しを行って脇芽の生長をうながします。冬の休眠期を迎える前には、枯れた葉を刈り取って新芽が隠れない状態にします。

植え替え・鉢替え

乾燥に強いベロニカですが、根を張るまでは水を多めに与えます。ベロニカは水はけのよい土を好みます。特に梅雨は蒸れて枯れやすいので、水はけのよい土に植え替えてあげましょう。

春先のベロニカは4~7月、秋咲きのベロニカは9~11月に開花期を迎えます。

収穫

ベロニカの花が咲いたら摘み取って、切花として楽しむこともできます。

夏越し

ベロニカにとって夏は生育期です。極端な乾燥と加湿の両方に注意をすれば、特に必要な夏越しの作業はありません。

冬越し

戸外で越冬させる場合は、根が霜で傷まないようにマルチングをしましょう。鉢植えのベロニカは軒下などに移動させます。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ベロニカは挿し芽で増やすことができます。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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