ヤロウ
- ヤロウはキク科のハーブで、ヨーロッパの草原に自生する多年草です。和名でセイヨウノコギリソウと呼ばれるのは、葉がノコギリの刃のようにギザギザした形状をしていることからです。 初夏~秋にかけて白い花がたくさん開花し、1cmにもみたない小花が固まって咲き、遠くから見るとひとつの大きな花のように見えます。丈夫な性質で、日当たりが良ければやせ地や荒れ地でも育ち、地下茎で広がっていきます。 薬草としての歴史は古く、古代ギリシャ時代にさかのぼります。全草に薬効があり、止血、解熱、殺菌をはじめ、たくさんの効能があります。学名のアキレアはギリシャ神話に由来し、古代ギリシャの英雄アキレウス(アキレス)がトロイア戦争で傷をおった戦士たちをヤロウを使って手当したことにちなみます。このことからヤロウは「兵士の傷薬」とも呼ばれています。現在では、切り花、ドライフラワー、ポプリなどの鑑賞用のほか、ハーブティーやサラダなどの食用、精油、軟膏などの薬用、化粧品の材料など、さまざまな用途で利用されています。 アキレアにはたくさんの種類があり、流通上アキレアと呼ばれるものはセイヨウノコギリソウ(A. millefolium)で、ヤロウ(コモンヤロウ)もそのひとつです。園芸種は育種が盛んで、豊富なカラーバリエーションがあります。


































