ラベンダーとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

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植物名
ラベンダー
学名

Lavandula

英名
Lavender
科名
シソ科
属名
ラベンダー属
原産地
地中海沿岸

ラベンダーの特徴

ラベンダーは地中海沿岸原産の常緑低木。ハーブの女王とも呼ばれ、癒しのフローラル系の香りが人気のハーブです。ヨーロッパでは古くから栽培され、お風呂や衣類の香りづけなど日常の暮らしの中で利用されてきました。花の色は薄紫や濃い紫、白があり、葉には芳香があります。ハーブとして蒸留して得られたオイルは香水などの成分となり、花を乾燥させたものはポプリやハーブティーとして利用できます。

ラベンダーの語源は、lavareという「洗う」を意味するラテン語だと言われています。その精油はリラックスや精神安定にも使われており、とても人気があります。「万能の精油」ともいわれ、アロマテラピーでもっとも広く利用される精油です。ラベンダーにはイングリッシュラベンダーやフレンチラベンダーなど種類がたくさんあり、種類ごとに精油が作られているため、ラベンダーと名のつく精油はたくさんあります。

ラベンダーは地中海沿岸が原産地のため、高温多湿を嫌う性質です。風通し良く、蒸れないように世話をすれば次第に大株になり、良い香りのする花を毎年咲かせて楽しませてくれます。

ラベンダーの詳細情報

園芸分類 ハーブ
草丈・樹高 50~100cm程度
耐寒性 品種によって異なる
耐暑性 弱い
花色 紫、薄紫、白
開花時期 5月~7月頃

ラベンダーの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
剪定
肥料
開花
収穫

ラベンダーの栽培環境

日当たり・置き場所

ラベンダーはもともとは乾燥した気候のやや荒れた土地に自生する植物なので、日当たりが良く、風通しの良いところで育てましょう。ただし夏の高温多湿には弱いので、真夏の時期には涼しい場所に避難させた方がよい場合があります。

また、ラベンダーは梅雨の時期は長雨で弱ることもあるので、風通しの良い場所に移動させるなど、蒸らさないようにしましょう。

温度

真夏の暑さにやられてしまう株も多いので、気温が高すぎる時期にはちょっとした日陰を作って直射日光に当たるのを防ぐ必要があります。耐寒性はあるので寒さには強いですが、レースラベンダーなどのプテロストエカス系は、寒さに弱いため気を付けましょう。

用土

ラベンダーは多湿を嫌うので、水はけの良い土が適しています。 鉢植えは、市販のラベンダー用培養土やハーブ用の土で問題なく育ちます。

ラベンダーの育て方のポイント

水やり

ラベンダーは乾燥気味の土を好みます。用土が乾いているのを確認してから水やりをしましょう。葉や花に水をかけず、根元に優しく与えるのがポイントです。

肥料

ラベンダーは肥料は控えめでよく、夏の高温時に肥料をやりすぎると株が弱ります。植えつけ時に元肥として緩効性肥料を用土に混ぜ込み、その後は開花、収穫後にお礼肥を施します。

病害虫

ラベンダーに害虫はあまりつくことはありませんが、ハダニアブラムシがまれにつくことがあります。それほど大量に発生したりすることはないのですが、それぞれ見つけたら早めに対処しましょう。

ラベンダーの詳しい育て方

選び方

ラベンダーの鉢花は一年を通じて出回りますが、春に購入した方が管理が楽にできます。つぼみが垂れているものや、花が咲ききっているものは避け、節間が詰まってがっしりした感じの株で、花数が多くバランスがよいものを選びます。

ラベンダーは耐寒性や耐暑性も種類によって異なるので、育てる環境や目的に合った品種を選びましょう。

種まき

ラベンダーの種まきは4月~5月頃、鉢または苗床にばらまきします。用土はパーライトやバーミキュライトが適しています。種が細かいので均一にまくようにし、2~3㎜土をかぶせます。発芽、生育ともに遅いので、秋までにしっかりした苗に仕立てましょう。花は翌年から楽しめます。

植え付け

ラベンダーのポット苗は5月~6月、排水性の良い土に植えます。

剪定・切り戻し

育てているラベンダーを飾るために剪定するのと、花を楽しんだ後の剪定では、剪定するタイミングが違います。

花を飾るためなら収穫する時間帯は、晴れた日の朝がベスト。できれば前日も晴れた日の方が、ラベンダーが濡れていない状態なので、特にドライフラワーにするにはおすすめです。ドライフラワー、フラワーアレンジなど、飾るためにラベンダーを剪定したい時は、粒々が茶色くなる前の花の色が出てきてすぐ、もしくは少し咲き始めた時に剪定しましょう。そのタイミングで収穫すると、花が長く楽しめたり、美しいドライフラワーに仕上がります。

花後の剪定

ラベンダーは高温多湿が苦手です。梅雨入り前くらいの時期に終わった花の剪定を行い、風通しを良くして梅雨と夏を迎えましょう。この手入れをすると真夏の株の負担がぐんと減ります。

花を切る位置

花の咲いている茎を下にたどっていくと、新芽が確認できます。その新芽の上で剪定すると、次の新芽が伸びてきれいな株になります。買ったばかりのラベンダーの鉢植えならこれで完了です。

花の咲いている茎を下にたどっていくと、新芽が確認できます。その新芽の上で剪定すると、次の新芽が伸びてきれいな株になります。買ったばかりのラベンダーの鉢植えならこれで完了です。

ラベンダーの更新剪定(強剪定)

購入した年は必要ありませんが、ラベンダーを育てて数年もすると、年々大株になっていきます。一度も切り戻しをしないと、株元は木質化して地面付近に葉がない状態になります。

植物分類としては常緑低木のため、その年に出た茎は緑色をしていますが、次第に株元は木のようになっていきます。1度もメンテナンスをしないと、古い枝からは新芽が出にくくなったり、株が込み合いすぎて風通しが悪くなるなど、株が痛む原因になります。それを避けるため、「更新剪定(強剪定)」を行います。

▼ラベンダーの更新剪定(強剪定)のやり方はこちら

植え替え・鉢替え

株が生長してきたら1~2回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。植え替えに向いている季節は春と秋です。

ラベンダーは根をいじられるのを嫌います。植え替え時には根を傷つけないように注意しましょう。

ラベンダーは5月~7月頃に薄紫や濃い紫、白色の花を咲かせます。

収穫

5月~7月に開花したラベンダーを収穫することができます。収穫したラベンダーは花瓶に生けてたり、ドライフラワーやポプリにして楽しめます。

夏越し

東京のような酷暑だと暑さにやられてしまう株も多いので、気温が高すぎる時期にはちょっとした日陰を作って直射日光が当たるのを防ぐ必要があります。

鉢植えのラベンダーは西日を避け、風通しの良い半日陰に移動させるようにしましょう。

冬越し

ラベンダーは品種によって耐寒性が異なります。イングリッシュラベンダーやフレンチラベンダーは寒さに強い性質を持っているため、特に手入れを必要としません。

フリンジドラベンダーやレースラベンダーは寒さにやや弱いので、冬は霜の当たらない軒下などに移動させましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

ラベンダーは挿し木で増やすことができます。茎を10cm程度切ってさし穂として、土に挿す部分の葉は落として土に挿します。挿し木の適時は春と秋です。

ラベンダーの品種ごとの耐寒性の違い

北海道の初夏を彩る風物詩にもなっている、濃い紫色で大株になるイングリッシュラベンダーは寒さに強い品種です。一方レースのように細かな切れ込みの入った葉を持つレースラベンダーなどはそれほど寒さに強くないので、東京以西の暖地向きです。ラベンダーは種類によって耐寒性や耐暑性が異なるので、育てる環境や目的に合ったラベンダーの品種を選びましょう。

 

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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